これからますます必要になる値決め力
元々、私は心理カウンセラー志望でしたが、日本ではあまりにもお金が取れないために、今はそれに近しい経営コンサルタントの仕事をしています。
先日、都内のある心療内科クリニックにお邪魔しました。
現在、日本の心療内科クリニックでは通常の外来に加え、自費でカウンセリングを付加するクリニックが少しずつ増え始めています。
しかし、料金が異常に安い設定になっているところがほとんどです。
例えば、6,000円/時間。
もっとひどいところでは3,000円/時間。
街の無資格者の方がやられているマッサージ屋さんよりも安い。。。
外来の診療にカウンセリングを加えることで治療効果が上がることはエビデンスのデータで確認されていますが、値決めを間違っている心療内科クリニックが多いと感じています。
そして、業界リーダーが業界の料金相場を決めていきますので、クリニックがこの料金だと、通常のカウンセラーはこれよりも安い料金設定をしなければならなくなります。
そのため、今、クリニックの値決めの間違いがカウンセリング業界の発展を阻害していると言えます。
これを何とかしたい!
クリニックとカウンセラーがまともな報酬を得るためには最終的に、
20,000~30,000円/時間
ぐらいの生産性までもっていかなければなりません。
先日、お伺いした都内の心療内科クリニックでは、現在15,000円/時間。
業界平均の3~5倍ぐらいの料金設定です。
稼働率が6~7割。
ただ、こちらのクリニックはマーケティングがほとんどできていませんので、まずは稼働率を上げ、カウンセリングの価値を伝え、料金アップしていくことで理想に近づけていくことができると思います。
一方、美容医療業界を見てみると、大手はますます料金を安くしている(安く見せている)傾向にあります。
最近、大手のクリニックの方たちとお話していると、競合が増えているため、ますますこの流れは加速化していく可能性が高いと感じます。
そうしたとき、通常の美容クリニックはこの流れに追随すべきなのか?
否。
多少は集患の部分で軌道修正をする必要は出てくると思いますが、医療の質を上げ、その価値を十分に伝え、適正価格で提供すべきでしょう。
そのために一番気を付けていただきたいのはターゲットの設定です。
なぜか通常の美容クリニックの先生は大手のターゲットまで取り込もうとする傾向があるように思います。
それで、価格設定が何やらよくわからないものになってしまって、クリニックで提供している美容医療の価値を落とし、集患できない。
あるいはできたとしても売上を落としている。
最近、ご相談いただくクリニックはそんな間違いに陥っているところが多いように思います。