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【「いっき団結」開発を語る#2】

2023年2月15日、二度のクローズドβを経てリリースした「いっき団結」。開発の主要メンバーにインタビューしました、の2回目です。

(インタビューした人)

ディレクター/プログラマー 伊奈正倫
メインプログラマー 水野裕介
サンソフト之介


お客さんと真摯に向き合う必要性を感じたβテスト

サンソフト之介
最初は、ファミコン版「いっき」の発売日、11月28日に出そう!って言ってたよね。「ずいぶん攻めるな」と思ってたんだけど結果2月に伸びることになりました。もうちょっと余裕持ってやれば?というのは思っていた。

伊奈
ただ一方でやっぱり必要以上の余裕を持ってやる仕事でもないとは思ってます。ゲーム作りって、やっぱりこう、徹夜はやっちゃいけないとは思うんですけど…それぐらいの気迫がないと、リリースできないと思ってるので。ま、その辺はちょっと線引きが難しい。

サンソフト之介
あ、それはわかる。誰だっけな、知り合いの音楽プロデューサーの人が言ってたんだけど、エンターテイメントっていうのは、崖っぷちでギリギリで頑張ってるのがお客さんに刺さるんだと。でも、βテストは早めにやりたいということで最初のテストを10月の頭にやって。参加してくれた人からは「面白いんだけど、粗削り」といった感想を始め、色々と意見が届いた。

クローズドβテスト1回目

伊奈
「ここ言われるかな〜」部分はすごく多いんですけど、指摘されることで、 やっぱりここは大事だなっていうところが明確になった部分はありました。改めて、お客さんから言われることには真摯に受け止めないといけないなと。

クローズドβ中にTwitterで公開した手書きマップ

水野
1回目のβテストはまあ、かなり厳しめの言葉をもらったかなと思うんですけど、フィードバックしてくれてるってことは、なんか期待してるものがあるんだろう、と受け止めました。正直諦めてたらもう多分そこでや何も書かないじゃないですか。もうさよならで終わりだと思うんで、なんかっていうのをちょっとしっかり自分としても受け止めないといけないのかなっていうところをまず思いましたね。

サンソフト之介
で、次はどうしようかと思っていたときに「もともとの発売予定日に出せないんだったらもう一回βをやろう」となって、11月27日に「いっきフェス」と銘打って一日だけやった。厳しい意見もあったけど、「最初より良くなった」という声も多かった。

水野
ミニマップとエモートが入った。

クローズドβテスト2回目からミニマップ登場


使ってもらえるか不安だったエモート「集合」

伊奈
年内発売だって最初言ってたから、お客さんの期待する気持ちを維持するためにも何かやっておきたいというのがあった。

サンソフト之介のお面(Vtuberとは…)

2023年2月15日の発売に向けて

伊奈
その後はもう2月って決まってたから、もうそこに向かってイケイケドンドンという感じでしたけどね。

水野
そうですね、もう後は無いぞって。

伊奈
もう腹くくってました(笑)。

サンソフト之介
腹くくるって、実際どういう感じなの?

水野
うん、もう間に合わないボリュームであろうとも、無理やり間に合わせるっていう。

サンソフト之介
さっき出てきた「崖っぷちギリギリ感」(笑)

伊奈
ラスボス一つ前の「四天王」も、リリースの数日前に入れて。

水野
はい、入りましたね。

サンソフト之介
この頃は毎日テストしてたんだけど、「あれ?代官の前に違うの出てきたぞ」と(笑)

水野
リリース前にマップの大工事して、「これはボリューム的に足りないぞ」となって。これで終わったら面白く無いだろ、と。

サンソフト之介
いやーしかし社内テストは楽しかったけど16人集めてやるのが大変だった。

伊奈
他の部署の人にお願いしたりとかしょっちゅう(笑)


30分で遊べるMMO

サンソフト之介
今だから言うけど、去年の年末あたりのバージョンはまあまあ難しくなって、攻略しにくくなってたし、やっぱ序盤キツイなあと。今も言われてるけど。でも、16人でやり始めた時に、あ、これはMMOのレイドみたいで面白いぞ!と。

伊奈
レイド戦のあの感動あるじゃないですか、あの感動を得るためには、結構やんないと到達できないじゃない。「いっき団結」はそこはあえてカジュアルにあの感動を結構早めに味わえる。

サンソフト之介
そういう意味のカジュアル。

水野
「30分MMO」なんで。

いよいよ開幕へ!!

サンソフト之介
その後も続く様々な悲喜劇……そのあたりはまた次回。お楽しみに。