シェアサロン経営のはじめかた 【その0.】 ゼロスタートから年商1億までの記録
はじめまして関山と申します。
本稿は、私が経営している女性専用シェアサロン「nuu」のオープンから現在までについての記録です。
タイトルにもあるとおり、nuuは開業から1年で年商9600万。昨年からフランチャイズの事業モデルを立ち上げ、全国展開を見据え運営しています。
「シェアサロン」というビジネスモデルと美容師のフリーランス化の流れについて私的に考察した記事はこちら⇩
前提知識を深めたい方は併せて拝読ください。
本記事をご覧になっている方は美容師もしくは美容室関係者であると想定しているので、いろいろな前提をすっ飛ばして記述していきます。
本題に入る前に、シェアサロンnuu(ヌー)についてざっくりと。
基礎情報の中で注目いただきたいのが
スタートから1年半で38名のスタイリストがnuuを利用開始していること。
シェアサロンなので通常サロンと単純比較できないことを前提として。
1年半で売上のあるスタイリスト38名を中途採用したと考えると、普通の美容室経営ではなかなか達成の難しい数字です。
一方、対照的な事象についてもお伝えします。
シェアサロンとは別に経営している雇用・教育タイプの美容室では2020年からの3年で40名のスタッフが22名に減少。
私はnuuとは別に(株)SOCOという会社で通常の美容室(雇用・教育するタイプの美容室)を経営しています。
しかし、近年「シェアサロンで働きたいので退職したい」という申し出が急増。店舗数も縮小しました。
結果的に私はこの2〜3年で、
①多くの自社スタイリストがシェアサロンに転職。
②自社が経営するシェアサロンでより多くのスタイリストを獲得。
という2つの珍しい体験をしてきました。
このように、対照的な状況に挟まれたことで「教育」「雇用」「働き方」etc… 自分の中で美容室経営のスタンダードとして捉えていた前提が大きく揺らぐことになります。
私自身、元々はフリーランスやシェアサロンの流れに対して懐疑的な立場でした。
しかし、昨今の状況を鑑みるにこの流れは時代のメインストリームに向かっていくのではないか?
そう考えを改め、自分でシェアサロンを立ち上げると同時に、雇用・教育サロンの経営方針を改革していくことを決意したのです。
インターネット発達以降、時代の移り変わりがものすごく早くなっていることは周知のとおり。
美容室業界においても過去何度も大きな変革の入口がありました。
環境変化には必ずエポックメイキングな出来事がセット。
新たな変化の波に乗り事業を伸ばしていく会社がたくさんある一方で、先端を走っていたサロンが時代の移り変わりと共に沈んでいく状況も見てきました。
凋落の事例を客観的に振り返ると、その多くが内外の環境変化に対応できなかった時に起こっています。
経営者の仕事とは何でしょうか?
資金調達、出店、採用、教育、会計、税務、マーケティング、ブランディング。
やるべき領域は多岐にわたり、一つ一つの意思決定が有機的に関わり会社の行く末が決まります。
緻密に設計し優位性を獲得した経営上のプリセットも、内外の変化によって常にアップデートが求められ、更新を怠るとすぐに没落が始まる。
それら前提を含め、経営者の仕事の本質を一言で表すならば「変化対応業」と言えるのではないでしょうか。
刻一刻と変化する周辺に対して、適切な対応および意思決定をすること。
「変化対応」この1点において経営者としての意義と責務が問われるのです。
私が今回シェアサロンについての内部的な情報を発信しようと考えたのは、自社の業績を自慢するためや、「シェアサロンはこんなにすばらしいぞ」といったポジショントークをするためではありません。
自分がここ2〜3年で体験した経験から、業界が大きく変わる節目にあると感じたからです。
今世の中で起こっているシェアサロン、フリーランス化の流れ。
これは果たして一過性のファッションなのか?時代のメインストリームに向かうものなのか?
その証明までにもう少し時間がかかるでしょう。
しかし、あと2、3年すれば変化のうねりがさざ波であったのか大波であったのかが示されます。
仮に後者であった場合、かつて繰り返されてきた盛者必衰のごとく、業界の勢力図はまったく別のものへと置き変わっているはずです。
私の考えが多少なりとも的を射てるなら、業界の未来を見据えているイノベーターの方々も同じような考えを抱いているのではないか?
そういった想いからシェアサロン経営についての知見を共有していこうと考えました。
nuu(株式会社suns)は、私が主に資金、ブランドデザイン、内装デザイン、マーケティングを担い、上原が店舗運営、PR、会計を担当。2人で経営している会社です。
シェアサロン経営未経験の我々が、nuuというサロンをどのようにはじめて、どのような施策と共に成長していったのか。
全編通して、やや成果主張強めな記述にしてしまったことに一抹の後悔がありますが、リアリティのある数字をお伝えすることで、新たな業界モデルの「勢い」「優位性」あるいは、現役美容室経営者にとっては「怖さ」を感じる内容になるのではないかと思います。
このnoteを通じて、現在進行形で業界を席巻しつつある「シェアサロン」というビジネスモデルの臨場感を感じていただけたら幸いです。
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