3冊目③「発達の扉[上](かもがわ出版)」白石正久さん
こんばんは!
本日は赤ちゃんの手の発達についてお話しします。
今回で
「人間とチンパンジーの違い」まで分かってしまいます。
今回は生後2ヶ月ごろの赤ちゃんが主人公です。
この頃の赤ちゃんは、お母さんやお父さん、大好きな人から、カラフルで楽しい音のするガラガラで遊んでもらえます。
これを、赤ちゃん目線で考えると、
「キレイだなー」「いい音がなるなー」
「これ、触ってみたい!!」
「触りたい!触りたい!!」
「でも、届かない!触れない!」
この「触れたいけど、触れられない」矛盾を乗り越えようと、一生懸命に伸ばした手にはガラガラのプレゼント。
さらに4ヶ月ごろになると、
「もったガラガラは渡したくない!」
と言わんばかりに、離しません。
ですが、とうとう大人に取られてしまう。
このような経験を踏まえて「目と手の協応」を学び、どんどん手が使えるようになるのです。
(さらに、プレゼントされる喜び、要求が妨げられる悲しさなどの感情もここで育っていきます。)
手が使えるようになってくると、すでにモノを持っているのに、
「もうひとつ欲しい!」
気持ちが出てきます。
実は、チンパンジーの発達研究をされている
竹下秀子さんによると、
「もうひとつへの欲張り」
が人間とチンパンジーとの違いなのだそうです。
もうひとつへの欲張りさがあるから、次々と探求する心が芽生えるのだそうです。
小さい頃、欲張りはダメだと教えられますが、実は、欲張りじゃなかったら成長は難しいのです。
さて、ここからは余談ですが、人間とチンパンジーの違いを、もう少し掘り下げてみましょう。
人間は生物の中でも群を抜いて発達しましたが、その秘密は、「直立二足歩行」にあると言えます。
その反面、実は、敵に見つかりやすい、逃げ足が遅くなる、産道が狭くなり死産のリスクが高いなどなどのリスクだらけなのです。
リスクを取ってでも、人間がしたかったこと。
それは「両方の手で食べ物を持ち運びたい!」
です。
どうでしょうか、
人間が人間たらしめる原点には
「欲張り」があることに気がつきましたでしょうか?
そして、障がいがある子どもたちにはこの「もうひとつの欲張り」がとても少ないのです。
ここまでの発達の道筋を振り返り、欲張りの土台づくりが必要なようですね。
次回は続き
「見えない世界への誘い」
という少し気味の悪いタイトルでお送りいたします。
安心してください。
いないいないバァの話ですので。
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