ものづくりの好奇心と危機感
久しぶりに真鍮の銀ロウ付けをした。
鉄やステンレスの場合は溶接でひっつけますが、真鍮の場合はロー付けで行うことが殆ど。
よくロー付けも「溶接」と言われますが接合の理屈も違う、全く別の技法です。
オーダーメイドで仕事を請けていると、新しい技法や道具が必要になることが多々あります。
道具がなかったり、普段やらないからといってできませんと断るのは簡単ですが、せっかく頼りにして頂いたのだから、できる限り期待に応えたいと思ってしまいます。
もちろんできないことはできませんとお断りしますが、今回のように自分が過去にやったことのある技法だったり、興味があるものであれば、できるだけ取り組みたいと思っています。
そうやってなんでも取り組んできたおかげで今のサニーサイドスタジオがあります。
色々なことができれば幅広い依頼に応えることができます。
自分の技術を少しでも増やしておくことはうちのような小さな工房にとっては生存戦略にもなりえます。
やった分だけ経験値になるから、なんでもやってみる。
それが開業以来のモットーです。
とはいえ一人でやるには少し幅が広くなりすぎたとも感じています。
作業のスピードを上げたり、効率化はもちろんですが、請ける仕様を絞ることも考えていかないと自分が潰れてしまうという危機感も感じています。
今まで作ったことのないものを作りたいという好奇心と、自分の首を絞めてしまうという危機感。
最近ではこの間で行ったり来たりを繰り返しています。
ただロウ付けができると真鍮製品の幅がグッと広がるので、これはこれでヨシとします。
新しい技法を取り入れるとどんどんイメージが広がって楽しいですね。
いつもお読み頂きありがとうございます!