変化することを面白がる(37/100回)
台風が無事通りすぎて行った。
毎年毎年たくさんの台風が来るし、色々な災害が起こる。
何が起こるか分からない世の中で、絶対なんてことはありえない。
今回もたまたま無事だっただけだと幸運に感謝する。
日常が明日も明後日もずっと続くと信じられることは、幸せなことだけど、一日一日人は歳をとるし、物事が変化することを止めることはできない。
以前は自分の思う方向に環境を変えたり、一つのことに没頭してひたすら努力することが良いことだと信じていた。
環境や自身の能力は自分次第で変えられるし、そうやって動き続けることが当然だと考えていた。
今思えばとても傲慢だなと思うけど、そうやって肩肘張って生きることは案外長く続かない。
どうやっても抗えないことはあるし、ものごとは本人の認識以上に早く移り変わる。
毎日見ていると何も変化がないくせに、鉄はいつの間にか錆び付いていたりするし、鏡に映る自分を見て、老けた顔にギョッとする。
赤い錆を見つけることも、顔の皺が増えていることも肩肘張らずに受け入れられたら良いなと思う。
ものづくりをしていて丈夫で長く使えることを目指してはいるけれど、全く変化しない製品を作ることはできない。
だから古くなった時に美しくなる素材を選ぶようにしている。
人が歳をとるのを止めることはできなくても、価値観が多様になったり、感受性を広げることはいつまでもできる。
変化を受け入れ、色々なことを面白がれる人間になりたいと思う。
明日は工房を見にいく。
風で吹っ飛んでいたらどうしようと不安になる。
こればかりはやっぱり面白がることはできない。
いつもお読み頂きありがとうございます!