オーダーメイドの愉しみと、納期について(64/100回)
看板の依頼を受けてから完成まで大体2ヶ月程度の納期をいただいている。
もちろん仕様によって前後するので、早いものでは1ヶ月、長くかかるもので3ヶ月かかるものもある。
製作の際は事前に納期をお伝えをするし、希望の納期があればできる限り間に合わせるように色々と工夫をして製作をしている。
色々なもののスピードが早い世の中で、これだけお待たせしてしまうことに心苦しさを感じてしまう。
それでも「楽しみにしています」という言葉を頂けると、期待を超えたいと思うし、長く待った甲斐があったなと思わせたいし、届いた製品を見てびっくりさせたい。
ついつい手間をかけすぎてしまうので、やりすぎないように気をつけている。
(お待たせをして申し訳無いです。。。)
看板の納期が長くかかってしまう原因は色々あるけど、材料の選定からスタートする点は大きいと思う。
仕様が確定すればすぐに調達にかかるけど、作る製品によって材料の種類から厚みまで少しづつ異なる。
いつも同じものを使うならストックしておけるけど、毎回違うので少しづつ必要な分だけを用意する。
材料の選定から調達までの時間的なコストは意外に大きい。
他にも小さな看板をそのまま大きなサイズに変更する場合、板の厚みを変えたり、軽い素材に変更することがある。
見た目は理想通りなのに重すぎて使いずらくては、満足いくものにはならないと思う。
単純な話に聞こえるかもしれないけれど、材料の厚みが変わると強度を維持するために部材が増えたり、他の部分の仕様まで変えないといけなくなる。
そうやって目立たない部分でも時間がかかってしまう。
材料が揃って実際に製作にかかってもスムーズにいかない。
オーダーメイドの場合、先に図面が出来上がっても実際に製作に取りかかると思いもよらない場所でトラブルが出る。
少し進んでは戻りを繰り返し、良い方法がないか探りながら製作をする。
狙った色が出ないこともあるし、作ってみたらとても使いにくということもある。
この辺りは経験値を積むことで少しづつカバーできるようになってきたけど、完璧にというわけにはいかない。
気をつけないといけないのは、良いものを作ろうとしすぎて自己満足に陥ってしまうことだ。
時間をかけて満足いくものを作るのはアーティストだけの特権だと思う。
作品ではなく商品だということを履き違えてはいけないと自分に言い聞かせている。
長く完成を待っていると本当に作ってくれているの?と心配になる方もいるので、できるだけ製作状況をSNSでアップしたいと思っている。
「あっ。これは自分が頼んでいるやつだ」と見つけてもらうのも面白いと思う。
待っている期間もワクワクしてもらえれば嬉しい。
それがオーダーメイドの愉しみだと思う。
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