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潮騒


潮騒
作曲   猫背
作詞   yangji
歌       初音ミク


止まったあたしは波に呑まれた
明日の予定でウキウキだったのに
途端にあの日々 わらばら思い出して
波間に漏れる光が痛かった
ほんとは朝日を浴びたかった
黒い海は飲み込んだ
日陰よりも暗い海にしまい込んだ

あたしの心いつでもいっぱいだった
波が引いたここは砂浜じゃなく砂漠
あたしを満たした潮たちは
ずっと冷たい海風だ

波の音も聞こえない雑踏
魚群に揉まれ落としたバッグ
無い物拾って抱いたまま
このままずっと 心はずっと

貝殻拾って耳に当てた
聞こえてきたのは「たすけて」の声
名前も知らない君なのか 名前を忘れたあたしだろうか
薄く割れた螺鈿から 過去がチラチラ瞬いた
ほんとはどこに行きたいんだろうか
ここではないところか 知ることのないどこか

あたしの心いつでもいっぱいだった
波が引いたここは砂浜じゃなく砂漠
あたしを満たしていた潮
ほんとはずっと冷たい海風だった

君の声も聞こえない潮騒
人混みに立ち尽くした心凪ぐ
有るもの探した拳は冷たく
このままずっと 心はずっと

𓈒 𓏸𓈒𓂂𓂃~~~~~~~~~~~~~~~~~~~𓂃◌𓈒𓐍𓈒

生まれて初めて歌詞を書きました。
サムネイルの画像は、東京を出ていく日に渋谷ヒカリエの窓から撮った写真です。
嘘みたいに夕日が綺麗で、雲と空の感じが海みたいで、砂浜がコンクリートで、歌詞にピッタリだなと思います。

 理由の分からない涙を流しながら出勤し、上司にへにゃへにゃと笑いながら話しかけ、トイレ掃除をしながらまた泣き、シャキシャキと笑顔で接客して働き、また帰り道に声を殺して泣く毎日でした。
ある日、また泣きながら出勤してたら、ホームから動けなくなりました。涙と嗚咽が止まらなくて、でもなんで悲しくて辛いのか分からなくて、これから自分がどうしたらいいのかも、どうしたかったのかも、色んなものが分からなくなって、小田急線のホームのアナウンスだけが聞こえていました。
何も聞こえないしょっぱくなった自分の心を引きずって、あたしは唐突に、海を見に行くことにしました。腕いっぱいに広がる豊かな青を見て、曖昧にしたかったんだと思います。

6月13日。大好きな人達の誕生日の事でした。

そんな日を思い出しながら書きました。あれから1年ほどが経ち、少しずつかさぶたになりつつありますが、未だに思い出してザワザワして苦しくなる時はあります。
そんなザワザワが、襲い来る雑踏や潮騒のようなノイズが、安らかに温かに眠る心音になりますように。あなたも。あたしも。そうでありますように。いつも祈っています。 

最後に。
このような機会を作ってくれたダチの猫背。
マジでありがとう。「もしもあなたがいなかったら」の日々を想像しただけで震え上がります。
お互いままならない日々だけど、好きな事を苦しみながら蹴飛ばして生きていこうな。



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