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海と青と小石とパンくず




突然ですけど、海が見たくなる時って無いですか?

私はめちゃめちゃあります。海見たいな〜って定期的に思います。京都から海を見ようとするととても遠いので、あまり生活に海が無いんです。


(※京都市から京都の海に行こうとすると天橋立辺りまで行くことになります。)

青丸が京都市。圧倒的に大阪の海が近いね。


(ちなみに天橋立までは在来線を乗り継ぐと4時間くらいかかります。行って帰るだけで一日が終わる。ミッション?)

だから海への憧れ?があるんじゃないかな〜と思います。

そんなこんなで、昨日(もう一昨日か)の夜も思ったわけですよ。「あっ、海見たいな〜」って。

自分で言うのもなんなんですが、あたしは単独行動においてはフットワークが軽いと思います。上記の天橋立の件もなんで知ってるかというと、夜中に「あっあたしって京都の海見たことないな」と思ってその次の日の朝早くには電車に乗り込んでたからです。片道3000円と4時間かけるような所にポーンと行くので親も困ってました。すまんな困った娘で…。

なので今日もそんなノリで海を見てきました。流石に京都北部までは行けないので、大阪の二色ノ浜に行ってきました。

KOYAちゃんも一緒です。哀愁エグイ。


電車を乗り継いで2時間。それまでTwitterで新しく出来たお友達とわいわいお話してたら夕方になって出発が遅れました。

しかも最寄り駅から海まで徒歩30分。マジで!?

歩きましたよ。住宅街とマンション群をくぐり抜けましたよ。
でも歩いていくうちに、少しづつ潮の香りがしてきてくるんですよ。どんどん海に近づいてると思うとワクワクしてました。


風で耳が反ってるコヤちゃん。


そして着いた!!海!!

でもうかなり日が落ちてる!!
カメラの明るさが低めなのもあるけど。


久しぶりの海、やっぱり心地良いなぁ。
潮の香り、波が崩れる音、男女のはしゃぐ声、砂利を踏みしめる音、肌に突き抜ける風。

穏やかな時間が流れていて、普段のやかましさから身体が溶けて離れていくみたい。

しばらく海を見つめ、このまま夕日が沈むのも見てみようと思ってたら、


視界の端で女の子7人組がきゃあきゃあ言いながら夕日を見てたんです。でもそのうちの一人の子がほか6人の後ろ姿をじっと見てて。

他の子が「こっち来ーや!」って言ってもその子は「んー、」と曖昧な返事を返してて、そしたら他6人の子がみんな夕日を見た時、その子がそっとスマホを向けてて。



もうね、あたし感動しちゃって。完全にあの空間はあの子達(あの子)の中で花様年華になってるんだ、って思ったんです。花様年華の瞬間を見たのよ!!あまりにも眩しくてたまらなかった!!

近くにはおそらくあの子達が食べたであろうお菓子の袋や若い子向けのバッグ、畳まれてない上着、ジュースのペットボトル。

その乱雑さにもすごく愛おしさを感じたし、なんだかあの空間がとても若くて、それでいて触れると壊れてしまいそうなくらい繊細で、なんか、もうあたしあれにはなられへんねんなと思っちゃいました。大人になっちゃったんだな〜あたし。

あの子達の青さが海になって、そしてあたしの青さは夕日になって暗くなっていくのを感じました。

あの子達だけでもYoung Foreverでいる事を切に願います。ほんと。そのままのあなた達でいてね。あなた達みたいなのを守る為にあたし達がいるんだからね。

夕焼けになって暗くなるあたしの青さ


もうひとつ気付いたこと。

そんなこんなでノスタルジーな想いを提げてまた徒歩30分の道を帰ってたんですけど、

なんと、

地図を一回も見ずに記憶だけで駅まで帰ったんです!!!!!!!

もうね!!びっくり!!普通確かめますよね!!でも一個も迷わなかった!!あんなに細い道もでかい道も通ったのに!!!!!

なんでだろうって思ったら、多分あたしの道の歩き方なんだと思います。

あたしって道を歩く時、周りのものを観察しながら歩く癖があるんです。だから人と話しながら歩いてても辺りを見回して「へぇ、あのお家の置物可愛いな〜」とか「あんなところにカフェがある!」とか思ってるのでめちゃめちゃ話を聞いてない人みたいになります。ほんとごめんねちゃんと聞いてるんだけどね。

あたしはこの癖を注意散漫だと思ってたんですけど、知らない間にそれが道標になってたんですよ。あっなんだあたしのこの癖って素敵じゃん!!と思ったわけですよ。

でも、その時1人の友達を思い出して。
その子は音楽が大好きで、自分で作詞作曲もしたりするような子で、音楽を愛しながらも苦しめられてるような子なんですけど、その子にその癖の話をした時に、その子が
「すごいなぁ〜。私はいつもイヤホンで音楽ガンガンかけて聞いて、音楽と私だけの世界にしてるからいつも道迷うねんな〜」

って言ってて。

道を迷う理由としてあまりにも素敵過ぎて言葉を失ってしまったのを思い出しました。

好きなものと自分だけの世界に行けるってほんとに素敵なことだし、逆に羨ましくなっちゃったんですよね。

ヘンゼルとグレーテルってあるじゃないですか。あれって兄弟が森の中に捨てられる事になって、帰れるように道中道しるべをお兄ちゃんのヘンゼルが置いていくんですけど、あのくだりって2回あるんですよ。一回目が月の光を反射するような白い小石で、2回目が、皆さんが何となく聞いたことあるパンくずです。

多分私は白い小石で、友達がパンくずなんだろなって思ったんです。

白い小石を道しるべにした時は、帰れるには帰れたんですけど、結局また森の奥に連れていかれるんです。でもパンくずを落とした時、そのパンくずは鳥たちに食べられて帰れなくなったけど、おかげでお菓子の家を見つけて、そこで怖い魔女に散々にされるけど、でも魔女を倒して財宝を持って帰れるんです。

酷い目には合うけど、結局ハッピーエンドはパンくずなんだなって思ったんです。好きなものと自分だけの世界が悪いわけないんですよね。もちろんそこには苦しみも妬みも悲しみも悔しさもいっぱい詰まってるけど、でもそれを包む「好き」があるわけだし、それが移動時間に存在するのがほんとに素敵だなぁ。


かといってあたしの歩き方が悪い訳でもないと思うんですけどね。色んな発見があるし、何よりちゃんと帰れるし!

あんまりあたしの癖を悪く思い過ぎなくていいんだなと思ったし、同時に友達はやっぱ素敵な奴だなと再確認しました。


そんなこんなで、海に行ったら色んな発見があった上に精神も整ってほんとに素敵な日になりました!!

次は何書こう。筆まめじゃないからゆっくりになるかも。でももう小石は置きましたからね。ゆっくりでもポツポツと置いていきます。見てくれる人達が月光となり、あたしの道しるべになってくれる事でしょう。


それでは、良い夜を……。



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