見出し画像

書評「すぐれたリーダーほど自分にやさしい」



こんにちは、おぜきです。

前回の投稿からだいぶ時間が経ってしまいましたが、今回は書評をしてみようと思います。ご紹介するのは、グロービス経営大学院の若杉忠弘さんによる『すぐれたリーダーほど自分にやさしい』です。

セルフ・コンパッションとの出会い

セルフ・コンパッション
この言葉を知ったのは、以前、グロービスのマネジメントスクールに通っていたときに講師だった若杉忠弘さんが、Facebookでこの言葉について投稿しているのを偶然見かけたのがきっかけです。

左脳系でバリバリのコンサルタントとして、グロービスの講師として大活躍されていた若杉さんが、このような考え方を発信しているのは少し意外でした。

疲弊とこの本との出会い

ここ5年ほど、私はキャリアや仕事での責任、家庭の諸々に積極的に向き合い続ける中で、いつのまにか疲弊してしまいました。

積み重なるタスクや解決すべき課題に追われるうちに、頭が回らなくなり体調を崩し、一緒に仕事をしてきたメンバーや家族に心配をかけたこともありました。

そして最近、自分の考え方や仕事の仕方、生き方を見直さなければならないと感じたタイミングで、前述の若杉さんが出版された『すぐれたリーダーほど自分にやさしい』に出会いました。
この本は、若杉さんがマネージャーになって体調を崩し、自ら傷ついた経験からセルフ・コンパッションを学び、研究した成果が詰まっています。若杉さんはセルフ・コンパッションの取り組みで博士号も取得されています。

自身のセルフ・コンパッションへの取り組み

この本を手に取る前から、日課として3 good thingsKPTを実践していましたが、どこか物足りなさを感じていました。

様々な人に相談し、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)やアドラーの考え方を取り入れて物事の捉え方を変える取り組みをしていました。
徐々にマインドフルネスの考え方が出来始めた頃にこの若杉さんの本に出会ったため、この本で伝えているセルフ・コンパッションの考え方と実践方法は、すんなりと受け入れることができました。

特に、この本の中で語られていた「我々日本人は傷つき方を知らない」という言葉には強く共感しました。これまでどれだけ無防備に傷ついてきたかをしみじみ実感しました。

日々様々なことに向き合っていると、どうしても傷つく瞬間があります。しかし、それを口に出せない、言っていられないことも多いです。その結果、感情が消化しきれずに溜まっていき、疲弊してしまうことがあります。
我々は育ってくる過程で、これをどのように癒していくのか、習ってないですよね。
しかし、適切に対処できれば、傷を癒し、新たにチャレンジする気力も湧いてくる。私はそのように解釈しました。

セルフ・コンパッションの実践

若杉さんのセルフ・コンパッションの具体的な方法については、本を読んでいただくとして、ここでは私が取り組んでいる方法を紹介します。もしかしたら、一般的なやり方に少しアレンジが加わっているかもしれません。

主に、辛い時やストレスを感じた時の対応策です。

  1. 発生した事象と感じたことを書き出す
    - 例:「○○が辛い」「○○が嫌だ」など。できれば具体的に書き出します。

  2. 共通化する
      - この体験は自分だけのものではなく、他の人にも起こり得ることであり、自分の能力のせいではないと、自分を説得するように書きます。

  3. 優しい言葉をかける
      - 自分を親友や家族のように扱い、優しい言葉をかける文章を書きます。この言葉で自分を癒します。

  4. ニーズを見つける
      - 優しい言葉を見返し、自分にはどのようなニーズがあるのかを理解します。本当はこうしたかった、こうすべきと思っている、どのように働きたい、人とどう接したい、接してもらいたい、など。

  5. ニーズへの対処を考える
      - ここまでくると冷静になるので、自分がどのように動くべきかを考えます。必要に応じてタスクリストや日々のKPTで立てる目標に追加します。

私はこの流れをNotionを使ってカスタムボタンでこの質問を実装し、気がついたら携帯で即入力できるようにしています。会社でもNotionを活用しようとしているので、その一環として取り組んでいます。

この対応を継続することで、自分が今どんなことに悩んでいるのかが明確になり、それに冷静に対処できるようになったと感じています。そして、これを一つの武器としてこれから生きていこうと思えるようになりました。

まとめ

今年は仕事に加えて、PTA会長として活動の改革を進めたり、共働きでの家事へのコミットメントなど、様々なことに向き合っています。40代になると、多かれ少なかれ、皆さん同じような境遇になるのではないでしょうか。
幸いにも今は仕事の負荷が調整されて下がっていますが、日々の活動で自分を労わることがとても大事だと実感しています。

この本は、そんなときに取り組むべきセルフ・コンパッションのバイブルとして活用し、前向きに進んでいきたいと思っています。

ぜひ、キャリアの転換点に立つ同世代(40代)の皆さんには、この本を手に取っていただき、キャリアや生き方に悩んだときの活路を見出すきっかけにしてもらえたらと思います。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?