Fの発音指導をアップデートする!「唇噛んだら血が出ます!」
執筆チーム:羽織愛・前川理有子・角谷りさ・三井あかり
「唇噛んだら血が出る」問題
Fの発音指導でよく先生が言ってしまう大間違いが、こちら。
✖️ 「下唇を噛んで、フー!!!」
これ、完全に間違った発音指導です。ぜひ、この記事をしっかり読んで、発音指導法をアップデートしてください。先生が間違っていた・・・と気付いた学習者の皆さんは、これをよく読んで、正しい発音方法を自ら習得してください。
まず、「噛む」という行動がどういうものか、ちょっと確認しましょう。ご自分の手なりを、「噛む」という動作をしてみてください。上下の歯でしっかりと圧力をかけて行くことを「噛む」と言います。
では、下唇を「噛んで」みてください。上下の歯で、しっかりと圧をかけて固定します。
この状態で、息を出します。
「グゥフゥゥッ!」
みたいな、とてつもなく残念な音が出るかと思います。これが、「Fの発音は下唇を噛んで、フー!」と指導する先生についてしまった、可哀想な学習者の進む道です。
そもそも、本気で噛んだら血が出ますよね。低年齢の子どものクラスでは、先生の言うことを一生懸命に聞いて、本当に唇を強く噛んでしまう子もいます。絶対にこのような指導は止めましょう。
「上の歯は動かない」問題
続いてよく言われる間違った指導が、こちら。
×「上の歯を下唇にあてて、フー」
これは、「噛む」と比べて危険度はないものの、言葉を教える専門家であるべき英語の先生がこんなこと言っていたのでは恥ずかしいぞ、と言う問題なので、しっかり理解してください。
そもそも、人間は下顎を動かして言葉を発しています。ほとんどの発音の際、下顎を主に動かしているんですね。上顎は頭蓋骨にしっかり付いているので、基本的に動きません。上の歯は上顎にくっ付いていますから、つまり、上の歯を動かすと言うのは不可能ではないけれど、発音の際には基本的に動かさない体の部位なのです。
と、書いただけで理解できた方は凄いです。
は???
と、置いてかれた方、ご安心くださいね。一緒にやってみましょう。
まず、鏡を用意してください。鏡に向かって、「下唇」を確認します。下唇を上下に動かすことは簡単ですね。下唇を動かして、上の歯に当ててみてください。はい、出来ますね。
では、次に、上の歯を確認してください。
いいですか、ここからが重要です。
下唇を全く動かさずに、上の歯だけを上下左右に動かしてみてください。
いいですか。下唇を固定した状態で、ですよ!!
・・・・・どうでしょう?
分かります?
下唇を固定した状態で、上の歯を動かすと言うのは、不可能ではないけれど、
めっちゃくちゃ不自然な動きになります!
Fの発音の解説に戻ると、
Fの発音は、「上の歯を下唇にあてて、フー」ではないんです。これはめっちゃくちゃ不自然な動きになりますし、そもそも、そんな動きで英語圏の人は発音してませんから、指導の間違いということが分かります。
正しくは、「下唇を、上の歯に当てて」です。
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何故、こんな間違いだらけのままなの?
実際、発音指導が間違いだらけのせいで、ほとんどの日本人がFの発音をマスターしていません。でも、発音をしっかりと聞き取って判断するような試験がないこと、発音指導を正しく出来る先生が少ないこと、そこの英語教育の問題に対して日本を変えようという気概を持ってアクションを起こす人間が少なすぎること、などが、この悲惨な「Fの発音指導」をいまだに日本中ではびこらせてしまっているのです。これは変えていかなければなりません。
私たちは、日本の英語教育をアップデートすべく、最短時間で発音を上達させる方法、また、正しい指導方法を発信していきます。
正しいFの発音方法を教えます
ということで、正しいFの発音方法をお伝えします。
1. 下唇を上の前歯に軽くあてます。
2. できた隙間から声を出さずに息を出します。
ポイントは、「下唇」を「上の歯」に、「軽く」あてるということ。
Fは無声音ですから、声を出さずに息を出します。
ffffffffffffff............
はい、fの発音、出来たでしょうか。
最後に、fは「継続音」と呼ばれる音です。継続出来るのが一つの大きな特徴ですから、フッフッと短く発音するよりも、fーーーーと、長く発音して練習しましょう。
参考文献
『これからの英語教師』若林俊輔 大修館書店 1994
『英語音声学』 竹林滋 研究社 1996
『初級英語音声学』 竹林滋 大修館書店 2013初版
『最新の音声学・音韻論 現代英語を中心に』 島岡 丘・佐藤 寧 研究者出版 1989第3版
発音指導をアップデートする!シリーズで本の出版を目指しています!
正しい発音指導にアップデートするための情報を投稿し、記事をまとめて本にしたいと思っております!
専門家の皆様のご指摘や、初心者の学習者の皆様からの質問、英語の先生からのリクエストも大歓迎します。感想などもいただけると、頑張るぞ!!という気持ちがUPするのでとっても嬉しいです。
この本を出版したい編集者の方、いつでもどこでも、お話だけでも聞いていただけるようでしたら伺いますので、是非とも office@sunnybunnyle.com (羽織宛)にご一報くださいませ!
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日本の英語教育をアップデートする!!
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