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ビジネスクラスを断るマインド

ハワイへの旅行を計画している最中に夫がこう言った。

「マイルでチケット取るからビジネスクラス乗っていいよ」と。かくいう夫はステータス維持のためにプレミアムクラスの席を購入するという。高確率でビジネスクラスにアップグレードになるから大丈夫と言い張るが、私だけビジネスクラスに乗ることを躊躇った。

「夫がアップグレードされなかったら私がプレミアムクラスに乗る」そう伝えた。

あなたが私の立場ならどうするだろうか。喜んで自分だけビジネスクラスに乗るだろうか。一般的に多くの人がどう思うのか興味がある。

私は自分で稼いだお金でもないのにそんなに贅沢してビジネスクラスに乗ることに戸惑いがある。マイルがこれだけ溜まっているのは疑いもなく夫が足で稼いだ出張の賜物だし、まして夫はダウングレードの席に座って私がビジネスクラスに乗るなんて。それこそ「バチが当たる」んじゃないかと思っている。

夫は旅行後の翌日からまた出張に出かける予定で、であるならば夫がビジネスクラスに乗るべき人である。私はそう主張したのだが夫はいいよいいよと言っていた。

なぜかこの話の後に私は自分自身を客観視していた。罪悪感を感じずに夫を差し置いて率先してビジネスクラスに乗るような心の持ち主じゃなくてよかったと思えた。自分自身の心のありように感謝した。

罪悪感を感じるかどうかは自分ではコントロールできない感情の部分だ。乗りたいと思う人はどうしたって乗りたいだろうし、その衝動は意識的に変えられるものではない。

私は不思議と乗りたいとは思わずむしろ夫が乗るべきだと思った。なぜその思考に至ったのか。

私が一度もビジネスクラスに乗っていないとしたら「乗りたい!」と思ったことだろう。私が次の日に出張で出かけなければならないとするならば「乗りたい!」と思っただろう。ただ、幸いにも私はそのような状況でなく、むしろ私のアメリカの生活は夫のおかげであるし普段から夫がいなければできないような素晴らしい経験をさせてもらっていることに感謝しかない。

もし「私は常に疲弊している、それだけの待遇が当たり前」なんて思うようなことが続いているならば、ビジネスクラスに乗ったりブランド物が欲しくなったりするのかもしれない。それで自分の心の平穏を保つことだろう。

人間の欲というものは本当に不思議だなと思う。自分がこれまで恵まれた環境で生活をしてこれたことに改めて感謝したし、社会人になってからは自分で稼いでビジネスクラスに乗っていたことを誇りに思う。そうやって健全な思考が育まれてきたのかもしれない。

人間、人生の中で思いっきり努力をして辛いことを乗り越える時が必要だと思っている。その後に必ず幸せはやってくるというのが私の考えだ。


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