18-19 PL 第33節 Everton × Arsenal
アウェイで勝てないアーセナルが難敵エバートンのホームスタジアム「グディソン・パーク」での試合に挑む。
コシエルニー、ジャカは引き続き怪我の影響でメンバー外。ラムジーは前節の影響で鼠径部に不安があるためスタメンには名を連ねていないがベンチ入り。トレイラは出場停止3試合中の3試合目。
戦シーズンから続く鬼門であるアウェイ戦。特にエバートンは良い選手が揃う難敵だが果たして。
PLでの前回対戦時レビューはこちら
18-19 PL 第6節 Arsenal×Everton
■チーム概要
【HOME】
エヴァートン(監督:マルコ・シウバ)
フォーメーション
基本:4-2-3-1
保持:4-3-3
非保持:4-4-2
【AWAY】
・アーセナル(監督:ウナイ・エメリ)
フォーメーション
基本:3-4-2-1
ボール保持:3-4-2-1
ボール非保持:5-2-3
■前半の試合展開
試合の立ち上がり早々の2分、ピッチ中央部分でのトランジションでアーセナルがボールを奪い一気にチャンスを演出。するするっとDFラインの裏を取ったラカゼットへムヒタリアンがスルーパス。ラカゼットはドリブルで運び大裏へ走り込んだエジルへグラウンダーのクロス。これが少し強めに流れてしまうがエジルは何とか中のムヒタリアンへ折り返すもDFのクリアでゴールならず。ゴールとはならなかったもののアーセナルは試合に良い形で入れたように見えた。
アーセナルが3CB+2CHでビルドアップを行うのに対してエバートンはトップ下のシグルズソンが上がる4-4-2の形でプレッシング。積極的に前線からプレッシングを行いアーセナルのビルドアップを阻止する。この前線からのプレッシングは非常に効果的でアーセナルは思うように前へボールを運べなかった。苦し紛れに前線へクリアするもセカンドボールを拾われる形が多く、試合は徐々にエバートンペースで進む。
エバートンの攻撃はアーセナルの4-2-3-1に似た形。2CBと2CHでビルドアップを行いつつ特に左サイドを中心に展開。左SBのディニュを徐々に高い位置へ。それと共に左SHのベルナルジが中へ絞りつつハーフスペースのDF-MFライン間に位置取りしてトップ下のシグルズソンと共にビルドアップの出口に。SBとSHの連携でチャンネルを攻略していく。
そして10分。その形から攻め込みエバートンが深い位置でのスローインを獲得。ディニュのロングスローをニアで競り合い、こぼれ球をジャギエルカが押し込みエバートンが先制。セットプレーからの得点ではあったが、そのセットプレーを勝ち取ったエバートンのディフェンス、組み立てが生み出したゴールだった。
トランジションではエバートンのインテンシティが高くアーセナルはボールを保持できず、ビルドアップでもプレッシングのズレを生み出せず、思うように前へボールを運べない時間が続く。しびれを切らしたエジルがポジションを下げてビルドアップへ参加すると前進させることは出来るが、そうなると前線に枚数が足りずやはり上手くいかない。
エバートンはビルドアップでエジルの裏、エルネニーの脇のスペースをアンドレ・ゴメスが活かし、ズレを生み出しながら攻め込む。また、逆に押し込まれたときでもピックフォードのキック力を活かしたカウンターでFWのキャルバート=ルーインをモンレアルに宛ててフィジカル勝負を狙う。更に右SHリシャルリソンのスピードも活かして2枚で右サイドからカウンターを狙う。左からは丁寧にビルドアップ、右サイドはスピードを活かしたカウンターと非常に設計された組み立てだった。
前半はそのままエバートンがゲームを支配したまま終了。
■後半の試合展開
前半良いところがなかったアーセナルは、後半スタートから動く。エメリが選択したのは2枚替え。エルネニーに替えてラムジーを、コラシナツに替えてオーバメヤンを投入。フォーメーションを4-2-3-1へ変更する。
狙いはおそらくサイドでの優位性を持つことではないかと思う。好きなようにやられた両サイドに枚数を揃えることで巻き返そうという狙いに見えた。
アーセナルは50分~55分頃からオーバメヤンとムヒタリアンのサイドを入れ替え、ゲンドゥージをアンカー気味にして4-1-4-1のような形に変える。
後半は徐々にアーセナルがエバートンを押し込み始める。特にラムジー、エジルがエバートンのCH脇でボールを受け、そこから攻め込み両SBも高く上げて何度かニアゾーンを攻略することに成功していた。
ただ、アーセナルが枚数を割いて攻め込むため、エバートンはカウンターを積極的に狙う。特に高いポジションを取るSB裏を狙い何度か良いチャンスを演出していた。72分には決定的な場面もあり追加点かと思われたが、シグルズソンのシュートはGKレノの真正面だった。
74分、エメリは最後のカードを切る。エジルに替えてイウォビを投入。ラカゼットとオーバメヤンの2トップにする4-4-2へ変更。
左SHに入ったイウォビは得意のドリブルで積極的に仕掛けにいき、チャンスを生み出すがなかなかシュートまではいけず。
結局、エメリの交代策も実らずそのまま1-0で試合終了。エバートンが勝利を収める。
■試合結果
Everton 1 × 0 Arsenal
■得点
10分:ジャギエルカ
■交代
45分:エルネニー → ラムジー
45分:コラシナツ → オーバメヤン
74分:エジル → イウォビ
79分:リシャルリソン → ウォルコット
88分:ベルナルジ → ルックマン
90分:シグルズソン → トム・デイビス
■まとめ
アーセナルは鬼門のアウェイでまたもや勝てず。この試合を落としたことで順位も4位へ転落してしまった。
結局この試合、アーセナルが良かったのは前半の立ち上がりと後半の立ち上がりぐらい。その他の時間帯はエバートンがディフェンスでもオフェンスでも終始コントロールしていた。
こういった試合で後ろからドライブやパス交換でズレを生み出しゲームを作れるCBや、サイドの高い位置で個で打開できるWGがいないのが辛いところだ。特に前半の3バック時に組み立てで貢献してくれていたホールディングがいればまた違った結果になったかもしれない。
次はELでナポリとホームで激突。その後はまたアウェイで難敵ワトフォードと対戦。勝たなくてはならない試合が続く。