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Robinhood バブルは、今がクライマックス。

■なぜ先週ロビンフッドが50銘柄を買い禁止にしたか。



これ、大事な話だからしっかり聞き届けて。


ロビンフッドのような証券会社があなたのような個人投資家からお金を預かった場合、それはストリート・ネームというカタチで混蔵保管されます。

一見すれば証券会社があなたのお金を預かっているわけだから証券会社はそれを自由に使ってあなたに代わってトレードの決済をつければそれで済むように見える……でも実際は顧客の現金と証券会社の現金は混同してはいけないのです!

お客さんにある株をトレードさせて、それの受渡しがT+2、すなわちトレード日から起算して2日目に完了するまで「滞空時間」があります。その「待ち時間」の間、証券会社はトレードを清算するクリアリングハウスに一定の証拠金を積まないといけない。これは顧客資産とは「別腹」である必要があります。

この場合、クリアリングハウスとはDTCC(Depository Truth & Clearing Corporation)という会社です。

普段、DTCCの取引相手は何十年も付き合いのある素性の知れた相手ばかりなのでT +2の「滞空期間」の間、別にたいした証拠金も要求せず、お互いの信用で決済の履行を当然のこととして処理します。

ただし例外がある。

ある証券会社が急騰・急落し(ひょっとすると代金を踏み倒されるかも?)という疑いがある場合、TDCCに積む証拠金の比率を引き上げます。これは「相手が信用できない!」という理由ではなく「値動きが荒っぽいから当然事故が起きることも想定しなければ」という気持ちでやることです。

いまゲームストップ株などの荒っぽい動きをする銘柄に関して、このクリアリングハウス証拠金率が跳ね上がっている。それでロビンフッドが証拠金を積めなくなってJPモルガンに駆け込んだ。

ロビンフッドの顧客は「ちぇっ!ロビンフッドは使えないな。それじゃWe Bullに証券口座を開け直すか……」と考えている。  おなじことなんです! WeBullだってDTCCから高い証拠金を要求されるから自己資本金不足に陥り「買い禁止!」を宣言せざるを得ない。

先週、ロビンフッドだけではなく、ネット証券の多くで一握りの銘柄が「新規買い禁止」になった背景はそれ。突き詰めて言えば、ゲームストップ株をおもちゃにしてしまっている個人投資家のめちゃくちゃなトレードこそが信用コスト増の原因なのであってロビンフッドに対して怒るのはお門違い。

結論としては「証券の受渡しのシステムがぶっ壊れるまでトレードするバカタレ」がおまえたちだということ。 これで事故が起きない方が不思議。のぼせあがるのもいい加減にしなさい。

先週ロビンフッドはJPモルガンなどから10億ドルの信用供給枠をドローダウンしました。それに対しDTCCはロビンフッドに対し330億ドル(!)のクリアリングハウス証拠金を要求している……JPモルガンから与えられた当座の資本なんて、一瞬で使い切るスケールです。

するとロビンフッドが自己資本金不足から抜け出すには断続的に「50銘柄の買い禁止」を連発して、兎に角、買い方の動きを封じないといけない。  今Bidが消えたら……ゲームストップとかの株は、どうなると思う?  冷静になれよ!

去年、外出禁止令が出た時、スーパーからトイレットペーパーが消えた。そら、そうだろ。見境なくトイレットペーパーを買い込むものだから、生産が間に合わなくなるのは当たり前!いまゲームストップ株が断続的に「買い禁止」になるのは、まったく同じ仕組みやで。いい加減、バカな買い込み、やめろ!


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