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【ロイヤリティー・ファーマ RPRX】

▼ロイヤリティー・ファーマ(RPRX)
第2四半期決算 ACRは+3%、ACFは+16%、2021年のACRガイダンスは今回も引き上げられた。

ACR:修正キャッシュレシーツ

ACF:ノンGAAP修正キャッシュフロー



■RPRXがずっと下がってて不思議。決算の見どころは?
(YouTube  Live  2020/8/11)

ロイヤルティー・ファーマ(RPRX)決算を分析するという意味では非常に難しい会社です。その理由は新薬のパテントに対して投資する投資信託みたいな会社だからです。


つまり、ファンドのような性格を帯びているその関係上、新しいロイヤリティに投資する機会があれば投資を実行して、パテント切れになれば転売するなど売買を繰り返しています。


その関係で通常の会社の売上高を尺度にして決算を見ることができません。もっと言えば、キャッシュフローを見る以外にないということです。その難しさが低いバリュエーションに甘んじている一つの理由だと思います。


それはIPOする前からわかっていたことで、当初からそういうディスアドバンテージに関しては案内してきました。


ゆくゆくはそういったものに対する理解がだんだん深まって、「売上高やEPSでこの会社を見るべきではない」ということが投資家の間に定着してくると思います。


決算自体はIPO後、一度もしくじっていません。そしてガイダンスの予想数字は、IPOの時から比べると、ずいぶん上方修正されています。だから辛抱強く待つ以外はないと思います。



■RPRXの決算、読み方は簡単です。

まずこの会社は「ファンド」なので、通常の「売上高」や「EPS」は使えません。するとキャッシュフロー(=それはACFになります)がしっかり伸びているか?だけが究極的には重要になります。

それは+16%で伸びています。

いまバリュエーションが一定を保つと仮定すればこの会社のキャッシュフローは毎年16%前後で伸びているわけだから株価もそれに合わせて上昇すると考えるのが普通です。

コンセンサスは使えません。なぜなら期中に新しいロイヤリティーを売ったり買ったりしているからApples to applesの比較が出来ないから。

同じもの同士を比べてないのに…無理に比較しようとすること自体がナンセンス。



■こういう説明の仕方をしましょうか?

銀行の場合、経営資源は「おカネ」です。預貯金から預かったおカネを転がして、どれだけ稼ぐ? それが銀行経営の腕の見せ所。


石油会社の場合、地下に眠っている確認埋蔵量です。それは汲出して販売しなければ売上高にならないので、常に自分の資産をたこ足のように食いつぶしながら営業していることになる。「問題は汲み上げた原油位上に、新しい原油を発見できるか?」というところです。

これはリザーブ・リプレースメント(確認埋蔵量の置き換え)と呼ばれる概念で、石油会社の腕の見せ所。


ロイヤリティー・ファーマの場合、今持っているロイヤリティーのインカムフローを使い、新しいロイヤリティーをどんどん取得し、パテント切れになるロイヤリティーと入れ替えてゆくことで全体のポートフォリオを増やして行くのが腕の見せ所になります。



▼(RPRX)じっちゃま言及記事
 2020/6/15/6/15


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