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【雑感】M-1決勝に思うこと

今年も年末の風物詩であるM-1グランプリが幕を閉じました。お笑い好きの自分としては年に1度の1大イベントだったので、軽い喪失感を覚えております…(笑)

ただ、今回色んな意見が飛び交ってますね。マヂカルラブリーは漫才じゃないだの、去年の方が良かっただの。

個人的にはこれだけ色んな意見が飛び交うこと自体が、それだけM-1が世の中にとって大きな1大イベントになったという証拠だと思ってます。


さてさて、繰り返しになりますが、今回マヂカルラブリーとおいでやすこがという系統の違う漫才が好成績を残し、漫才の定義について色々言われている中、個人的な思いをM-1決勝の感想も少し交えながら書いてみたいと思います。

あくまで一個人の意見なので軽い気持ちで読んでくださいな。



マヂカルラブリーやおいでやすこがの漫才は漫才なのか?

こんな意見がネット上で飛び交ってますね。あれは果たして漫才なのか、と。言葉の掛け合いをするのが漫才ではないのか、と。

個人的には漫才の定義ははっきりとこうだ、と縛り付けるのは良くないと思ってます。サンドの伊達ちゃんも言うてましたが、2人が38マイクの前で「はいどうも」、と始まればそれはもう漫才だと。

これには概ね同感ですし、漫才はこうあるべきだ、と限定してしまうと、そこから漫才の発展は無くなる気がするので、色んな漫才があっていいと思います。

ただ、自分としてはその中でも最低1つ、漫才としての条件があるのかな、と思ってます。それは

音楽、大道具なしに38マイク一本で、2人(+α)でしか取れない笑いの形であること、です。(一個人の意見です)

例えば、THE MANZAIでのウーマンラッシュアワーの漫才、あれは村本が一方的に話して、相方の中川パラダイスが時たま相槌を打つ。あれはもはや漫才ではなく1人でも出来る漫談だと思ってます。これは流石に漫才と言えないかと。。。


そういった点ではマヂカルラブリーの漫才は、野田クリスタルが奇妙な動きをして、ツッコミの村上さんがその動きに突っ込むという形式。

これは動きと言葉の掛け合いになっているし、2人でしか取れない笑いの形であると思います。野田クリスタルの代わりにCGを使ってもあの漫才は成り立たないと思います。

同じようにおいでやすこがの漫才も、こがけんの方を音源だけにしても成立しないスタイルだと思っています。2本目のネタ中にあるケーキ運ぶ下りなんかも、2人でないと出来ない掛け合いだと思っているので。

なので、個人的な意見ですが、マヂカルラブリーもおいでやすこがも2人の掛け合い(動き含め)で笑いを生み出しているという点で漫才と言えるんじゃないかと個人的には思います。


そうは言っても、マヂカルラブリーの優勝に賛否が起こるのは、漫才のスタイルというより単純にそれを面白くない、と感じる人が多かったからなのでは、と思ってます。

マヂカルラブリーの優勝に賛否が起こる訳

個人的には相方が殆ど言葉を発さなくても、ダントツで面白ければ、「あれは漫才なのか?」論争は起こらなかったのかな、と思います。

ダントツに面白ければどんなスタイルでも世間は認めてくれると思ってます。

繰り返しになりますが、今回、マヂカルラブリーのスタイルに賛否が起こるのは、マヂカルラブリーの漫才が単純に面白くなかった、と感じる人が多かったからなのだろうな、と思ってます。

個人的にはマヂカルラブリーの漫才が現場で一番笑いを取っていたように感じたし、1本目より2本目のネタのクオリティが高かったのはマヂラブだけだと感じたので、優勝はまあまあ妥当かと思ってます。(個人的には見取り図優勝でしたが)

マヂカルラブリーの漫才が現場で一番笑いを取ったにも関わらず、ネット上で賛否が起こる理由、、、個人的には生で見るかTVの画面越しにみるか、という点がかなりポイントなのかな、と思ってます。

マヂカルラブリーの漫才は変な動きに対して突っ込むという漫才で、その笑いが聴覚だけでなく視覚に頼っている部分が大きいスタイルだと思うんです。

劇場で実際に漫才を見に行き、今から漫才をする人が目の前で奇妙な動きをしだしたら、それだけで笑ってしまう。そんな感じになるんだろうな、と。実際、日常生活で奇妙な動きをする人を目の当たりにする機会なんてほぼないので、それだけで滑稽に見えるでしょうし。

一方でTV越しで奇妙な動きをしている人を見ても、どこか冷めた感じで見てしまう。自分の目の前で起こっていない遠い世界での現象として捉えてしまうんだと思います。

なのでマヂカルラブリーの漫才は生で見てこそ笑えるタイプで、それが画面越しになると一気につまらない、と感じる人は少なからずいるんだと思います。

現場では一番ウケてても、TV越しの視聴者は「あれそんなおもろかったか?」と感じるのは、笑いの取り方が視覚に頼っている部分が大きいか否か。そこに原因があるのかな、と。個人の勝手な推測ですが…。

少し話がそれますが、そういう意味では取っ組み合い等で動きを多く入れた見取り図の1本目なんかも生で見た方が格段に面白い漫才なんだろうな、と思って見てました。

今年のM-1はレベルが低かったのか

「あれは漫才なのか?」という論争に加えて、世間一般的に言われているのが「今年のM-1は面白くなかった」という意見。

すいません、これに関しては漫才師の皆さんには本当に本当に申し訳ないのですが・・・概ね同意です。

敗者復活戦の段階で、あれ?今年ちょっと。。。と正直思ってしまったのは事実です。去年の敗者復活は和牛・ミキ・四千頭身・天竺鼠あたりはほぼ決勝レベルでしたし。

ただ、毎年毎年M-1が行われる中で、去年みたいに全組面白かった、というのは中々稀なんだろうと思います。今年は面白かったな~、という年もあれば、う~ん、という年があって当たり前なのかと思います。

そういった意味では去年のM-1はもはや伝説で、それを比較対象にすると他の年のM-1は概ねレベルが下がってしまうと思います。(個人的には2005と2016と2019はかなりレベルが高かったM-1かと)

ミルクボーイなんて過去最高の点数を15年ぶりに塗り替えたわけで、あんなレベルの漫才師さん毎年毎年出てきたらえらいこっちゃだと思います。

加えてここで書きたいのは、今年はコロナと言う特殊事情があったこと。

このコロナで芸人さんの多くがお客さんの前で漫才する機会が少なくなり、観客が入っても満員の前でする機会はほぼなくなり。

芸人さんにとって、このM-1に向けての調整というのは例年以上に過酷な環境だったんだと推測しております。

そういったことも鑑みると、今年一年の特殊な環境がM-1にも少し影響を与えた年だったんじゃないかな、と思います。

なので、今年だけを見て、M-1つまらんな~というのではなく、また来年以降(来年コロナが落ち着くのかはさておき)、期待しよう・・・そういう寛大な受け止め方をしてくれる人が多くいて、引き続き来年のM-1も盛り上がってくれれば、と思う次第です。

(もちろんプロの集団なんだから毎年毎年きちんと楽しませろ、という意見も間違いではないと思いますが)


あとは準々決勝敗退したコンビで何組か、「これ明らかに準決勝進出組より面白いやん」というコンビが個人的には何組かいました。

デニス、たくろう、GAG、藤崎マーケット、さや香、ななまがりあたりは決勝とは言わなくても敗者復活戦のメンバーと比べても平均以上の面白さだったと思うんですけどねぇ。。。

なので、そういった日の目を見ていない実力者コンビもまだまだいるので、来年のM-1に期待できる要素は色々あると思ってます。


長くなりましたがお読みいただきありがとうございました。また余裕があれば個人的なM-1決勝の各コンビのネタの感想でも書こうかな。

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