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ロードバイク初心者、箱根5区をゆく【前半・激闘編】

※この記事は2016年の思い出です。

春はあけぼの

夏は夜

秋は箱根で

ユネッサン

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こんにちは!ニャンCです。

ロードバイクに乗り始めてもうすぐ2ヶ月。

荒川サイクリングロードの出入口の坂しか登ったことがないのに、天下の険・箱根に挑んでしまいました。

いや、挑むなんておこがましい。箱根様をユルクライムさせていただきました。

美味しいものを食べたり〜写真を撮ったり〜しながら、ユル〜く、ヒルクライムなるものを体験してみたくて…。

ただ、こちらが「ユルクライムでお願いしやす…へへ…」なんて言っても、当然、箱根の山はユルくならない。

両肩に浮き上がる謎の血の痕。コースを転送し忘れたガーミン。霧の中で事切れたライト。最高地点からの雨のダウンヒル。いつの間にかユネッサンから消えていた死海風呂。死海風呂めっちゃ楽しみだったのに……

つまり、箱根の山はユルくないぞっていう。

そゆこと!!

コース紹介

では今回のコースはこちら。ドン☆

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いわゆる箱根駅伝の5区、「山の神」担当コース、弱虫ペダル的にもインハイ1日目に含まれるコースです。

まずはJR小田原駅近くの小田原中継所を出発し、箱根湯本駅〜函嶺洞門〜大平台〜小涌谷〜国道1号線最高地点まで、高低差約860m、距離約19kmの山登り。

なのですが、荒川CRの坂しか登ったことが無いので、数字で見てもどのくらい大変なのか、分かりません。

というわけで、図解・山具合もドン☆

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一応心当たりのある山を思い浮かべてみると、高尾山が登山口から頂上まで高低差約400mなので、

その倍以上の高さまで登り、

国道1号線最高地点の先に「仕方ないな〜ここが最高地点だから仕方ないな〜〜」みたいな感じで用意された、ちょっぴりだけあるダウンヒルを走れば、芦ノ湖のほとりの箱根駅伝往路ゴールにたどり着ける感じです!

そして今回私たちは小涌谷にて一泊なので、芦ノ湖からまた国道1号線最高地点まで登って、小涌谷まで下ります。翌日はユネッサンであります。

初めての輪行!

ユルクライマーの朝はユルい。

気合いを入れて早起きしたかったものの、結局いつもより少し早いくらいの時間に起きて、まるごとバナナをほおばり、先日練習した通りに輪行袋に自転車を詰め込み、電車で小田原に向かいます。

初めての輪行用に用意した輪行袋は「グランジのキャリー」!
夫のオーストリッチの縦置き用に比べて、横置きのキャリーの簡単さよ〜〜
初心者さんにもおすすめという評判通りでした。
ただ「可愛い」という理由でグレーにしたので、瞬時にオイル汚れがつきました…。
わかっていたけれど。わかっていたけれど〜〜〜!!

夫のウエアにヨダレを垂らしながらフガフガ寝ていたら、あっという間に小田原です!

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駅前で自転車を組み立て、近くのセブンで買った水にBCAA1袋を半分溶かし入れ、スタート地点の小田原中継所へ移動します。

ちなみにBCAAは今回初体験!あと、CCDと、スポーツ羊羹も持ってきました!正直ちょっと、カッコいい補給食すぎて気後れしちゃいます……。が、色々至らぬ初心者こそちゃんとしたモノに助けてもらう事が必要なんじゃないかなって。勇気を出して持ってきました。

全部、前々日にAmazonで箱買いです!お急ぎ便よありがとう!

START!小田原中継所

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小田原城の南に位置する箱根中継所に移動して参りました。ミニ小田原城(ういろう屋さん)の前で一発パチリ。

夫と変なポーズで写真を撮り合っていると、一人のローディーさんが山に向かって行かれました……。スタート地点で遊んでいる場合ではありません。さあ、我々もまずは箱根湯本駅を目指します!

箱根湯本駅までは坂もユルめなので、箱根の山に挑むためのウォーミングアップですね。

背中のリュックが既に重くて不安なのですが、頑張ります!!

POINT①:箱根湯本駅

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とにもかくにもThis is 観光地。めちゃめちゃ交通量も人通りも多いので、お邪魔にならないよう超安全運転で参ります。

箱根湯本駅に近づくと、ちょっといい感じの景色になってきて、駅から赤い箱根登山鉄道が走ってくるのが見えたりしてワクワクします!

ワクワクするので箱根湯本駅に向かって夢中でGOGOGOしがちですが、箱根を走る皆さんがよく撮っているフォトスポットは駅のちょい手前。

山!川!自転車!(あとタイミングが良ければ赤い電車!)を入れて撮りたいなら、『三枚橋』でございます。

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またお互い変なポーズで撮り合っていたら、通りすがりのローディーさんが写真を撮ってくれました。ありがたや〜〜!!

さてさて♡

二人旅では貴重なツーショットの写真も撮っていただけましたし、わたくし、箱根湯本で食べたいものがあるんです。

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DON!

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丼!!

箱根名物 湯葉丼うま〜♡

スタートから5〜6kmしか走っていないのに、どっしり腰を落ち着けてガッツリ昼食をとる。まさにユルクライム。いや、もうただの観光。

ちなみに人気のお店なので1時間待ちました!!!

この1時間が後々に響くっちゃ響くのですが、この1時間を惜しいと思うなら……
早起きしろって話ですよね!!!

まあまあ。この待ちの1時間も有効活用して、箱根土産を買いに行くのも良いでしょう。

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第3新東京市土産。うすくて軽くて自転車で持ち帰るのに最適だね!

湯葉丼 直吉では店員さんが「窓際が良いですよね〜!」って自転車が見える席にしてくれたり(上の湯葉丼の写真の右上、窓の外にボンヤリいるBianchi…)とっても良くしていただきました。これはきっと、今まで訪れたローディーさんたちが礼儀正しかったから、謎の派手なピチ服でお邪魔しても、親切にしてもらえるんだろうな…(合掌)

というわけで、我々も出来る限りよい子にして美味しい時間を過ごしましたので、お時間&お腹に余裕がある方は『湯葉丼 直吉』おすすめでございます!

さあ、観光客のおじさんから「エッ、自転車で箱根の山を登るの?エッ、5区〜!?目標は?エッ、2時間〜!?ムリムリムリだよ〜!山の神だって50分くらいかかるんだからさあ〜!まっ、でも頑張って!(笑)(笑)」というあたたかい…声援…を受けたら、

箱根湯本駅の先は、いよいよ山っぽくなってくるようですよ!!

POINT②:函嶺洞門

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ここは箱根湯本駅からすぐです。残念ながら2014年から通行止めとなっており中は通れないのですが、通れなくなっちまったモンは、しょうがねェ。

左手に函嶺洞門を見ながら、バイパスを進みます。

ちなみにこの時点でギアはもう1番軽いやつにしちゃいました。しちゃったモンは、しょうがねェ。

坂初心者的には、この先何があるか分からないので、ハシャがず、イキがらず、体力を温存してチビチビ進もうと思ったからです。

チビチビ…チビチビ……ふうふう……

PHOTO SPOT:蛙の滝

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滝はいいね。車で来たら99%通りすぎちゃいそうな渋いスポット。

夫が容赦なくわたしを置いてきぼりにし始めたころ、蛙の滝が見えてきました!ンヒンヒ……

フォトスポットは…写真撮影という正当な理由で休憩できる絶好のポイント!!遠慮なく足を着かせてもらうぜ!!と、すっくと両の足で箱根の大地に降り立ちました。ヒイヒイ……

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大事なオチのあたり葉っぱに隠れてますけど、カエルさんが村人の病気を治してあげたって話ですケロケーロ。

しかしあれですね。箱根の山は路側帯狭い・小枝&小石山盛り・瀕死のセミが最期を迎えようとしている・交通量多い・バスも多い、と結構なハードモードになっておりますので、走行にも停止にもめちゃめちゃ気を使います。写真撮影の際は停止・撮影・再発進と、くれぐれも安全にお気をつけを。ハアハア……

ハアハア……ハア……

あの、すみません、わたくし、もう、心拍爆上げです。

蛙の滝ストーリーの上に宮ノ下3kmとありますが、宮ノ下はあの有名な『富士屋ホテル』がある所です。この旅、実はテレビで『富士屋ホテル』を見て、ワア〜富士屋ホテル泊まりた〜い♡箱根行きた〜〜い♡なんて話したのが事の始まりです。

いつの間にか、箱根で自転車漕いで心拍爆上げの旅になっていましたが。。。

まあそうやって休憩しているうちに、心拍も落ち着いてきましたので、再発進します。ちょっと休んで心拍が戻れば、まだまだ足も辛くないし、ペダルも軽くスイスイ進みます。いやあ、ロードバイクは楽しおすなあ〜。

なんて見せかけて、
少し登るとまた心拍爆上げ、呼吸乱れまくりですよ。
ヒイヒイヒイ…ハアハア……
これは典型的な『今まで全然運動してこなかったから、体が運動仕様になっていない』だと思うのですが、いかがでしょう。

高校生時代、体育の時間は主に散歩。大学生時代、直立姿勢を保つのがダルい…と、主に寝たきりの生活をしていたツケでしょうか。罪あれば罰あり。

先行する旦那ちゃんが「休憩が必要だったら、こっちに向かってきながら首を横に振って。縦に振ったらそのまま進むからね〜!」と言ってくれたので、全力で首を横に振りながら合流します。箱根の山にさ…赤ベコが出るって知ってるかい?

もう休憩のために、なんでもない道も写真におさめます。

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何でもない道だけど、写真で見ると緑のトンネルがちょっといい感じ……。

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上に木があれば、下に小枝(大量)あり。

長めの小枝が進行方向に向かって縦に転がっているところをタイヤで踏んでしまったら、タイヤが取られて枝のカーブに沿ってギューーンと変な進み方をして、ちょっと怖い思いをしました。。。

運動経験どころかママチャリ経験すら殆どなく、「枝を踏むと恐い」ことさえ新発見です。あらゆることが未体験すぎて、ロードバイクに乗っているだけで何もかもが新鮮。大人になってからこういう気持ちになれるのって、良いですよね。

あ〜ダラけて生きてきて良かった〜〜!わはは

POINT③:大平台

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パノラマモードで撮ったのでリムジンだらけになってしまった「準備しとけよバカヤロウ!!」カーブ。

夫が更にわたしを置いてきぼりにし完全に個人戦になったころ、ド迫力のヘアピンカーブが登場です!!!!※ 写真の腕が無くてド迫力に写りませんでしたごめんなさい。

ワアワア!!これは興奮しますよ!!

ちなみに先ほどの蛙の滝のところで宮ノ下3kmの表示がありましたが、このあたりで大体あと半分くらいだな〜という感じです。

ここを通り過ぎると近くに『大平台駅』があるので、緑のトンネルからちょっぴり街っぽくなります。
道が狭く、なぜか急に車も増えてちょっぴり渋滞&ノロノロ気味に……自分が渋滞の原因にならないようヒンヒン言いながら登っていると、
車の中から「頑張ってーー!!」と声援をいただきました。

や〜めちゃうれしい〜〜♡

自転車はメンタル!元気が出ちゃうね!!頑張るぞ〜〜!!

それにしても、ロードバイクに乗っていると話しかけてもらったり応援してもらったり、こ…こんなピチピチの服着た我が恐くないの…!?と思っちゃうんですけど……

世の人々、コミュニケーション能力たっかいなーー!!

私は恥ずかしがりで人見知りなので、そんな皆が羨ましい。

ちなみに街っぽいのは結構一瞬でした。
実はもうドリンクが尽きてしまったので、探して買えば良かったな……と思いながら走っていると、宮ノ下の手前で自販機発見!左手にガソリンスタンドが見えてきたあたりの右岸です。

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おお、コカ・コーラ様のお恵みである。いろはす様にBCAAを溶かします。

ついでに持参したCCDもココでいただきます。

CCD=即パワーになるやつ と覚えてきたので、目の前に凄い坂が出てきたら飲もう!と思っていたのですが、いやもうずっと坂だしどれが凄い坂だか分かんないし、逆に凄くない坂も無いし、ずっと坂だし……

飲みま〜〜〜っす。

味はですねえ。オッ、オンンンン……!って感じでした。くそ甘い蜜みたいな。。。ゼリーなのかと思ったら、蜜でした。汁でした。液体でした。

オンンンン……一気で飲んじゃったオンンンン……!でも、一気じゃなかったら飲めなかったかもォォォォ……衝撃的でしたが、まずくはなかったです。箱買いしたので、まだ4個あるんです。まずくはなかったです。箱買いしたんです。

さて、CCDで元気をチャージしたので走り出し、「CCDちゃん効果マダ〜〜?」と思っているうちに宮ノ下に着きました。CCD効いてる?効いてた?ほんと?

PHOTO SPOT:富士屋ホテル(宮ノ下)

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はい、ここが泊まりたかった富士屋ホテルです!!素敵だ〜〜♡

富士屋ホテルは日本で初めての本格的なリゾートホテルとして1878年にオープンし、ヘレン・ケラーやチャップリンも宿泊した歴史あるクラシカルホテルです!

ここは入り口からすぐの建物で、ちょっとだけお邪魔して写真を撮らせてもらいました。

富士屋ホテルのメインの建物は、写真右に見える激坂を登ったところみたいですよ。凄い激坂でした…歩きでもキツそうな……チェックインは登るのかな……?その日の為に鍛えておかなくちゃね…。

宮ノ下周辺は一気に観光地っぽくなります。富士屋ホテルのパン屋さんや、他にもお店が色々あるので、サクサク登って来れるような方は、ここで富士屋ホテルのカレーパンとか食べてランチ休憩でも良いくらいなのかな?

いやあ、富士屋ホテル素敵だった…♡という思いで胸をいっぱいに、
「リュック重いおろしたい」で頭をいっぱいにしながら、先に進みます。

いつも背中に何も無い状態で走っているので、リュックがあるだけでも大変…。肩までこってきました…。

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じゃこつばし…つよそう……

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涌谷駅!近道…!!
そそられるワードですが、どう見ても自転車では走れなさそうな小道…。

しかし小涌谷要素が出てきたという事は、宿泊先の「箱根ホテル小涌園」も近いはず!

ホテルに着いたら、おろしたい!このリュック!おろしたい!一刻も早く!

その思いが足を進めます。

自転車に乗らず、足を進めます。

そう、禁断の…徒歩です!!!!!

なんだかこの辺りから坂もキツくなってきた気がします。押して歩いては、たまに乗る。押して歩いては、たまに乗る。そうして夫に追いついては、置いていかれる。追いついては、置いていかれる。

それを何度繰り返した事でしょう。

右側に歩道が見えたので、素早く自転車を降りて歩道にRIDE ONnnnnn!!!ハアハアハアハア……

“歩くことを許された道”が私を艶かしく誘うし、もう禁断の徒歩を解禁してしまった故、心もすぐ折れる。本当にすぐ折れる。自転車はメンタル。

そうして自転車を押して歩いていると、下ってきたローディーさん2人組とすれ違い、微笑みを交わし合いました。

ウウッ…
ツライ…
歩いてるところ見られてツライ……

ツラいけど、歩いていたら、なんか、

箱根ホテル小涌園にたどり着いちゃいました……。

POINT④:小涌谷

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しまった。

最後は自転車に乗って(きた風にして)ホテルに到着して、夫に労ってもらいたかったのにッ……!!

と思ったのですが、夫、ホテル前で待っていてくれたりはせず、ホテルの中でクールにチェックインを済ませていました。

ンッ…。

わたしの心にフンワリと霧がかかった気がした頃、箱根の山にも霧が迫ってきていた事に我々はまだ気づいていないのであった……!

<続く>


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