Hyperionによるプレシード出資の背景と決め手
今回はサニーズのプレシードラウンドで出資をいただいた、Hyperion株式会社 代表取締役 / General Partner 南出昌弥氏とサニーズ株式会社 代表取締役の中澤が対談し、出資の背景や決め手について伺いました。
出会いのきっかけは?
中澤:南出さんが運営に携わっていたアクセラレーションプログラム「FUSION」に私が申し込み、メンターとして担当いただいたのが最初のきっかけです。そういえば聞いたことがなかったのですが、どのキャピタリストがどの起業家を担当するのかはどう決まったのでしょうか?
南出:各キャピタリストが、バリューアップできると思う先を申告したうえで、運営側で振り分けるという方式を取っていました。中澤さんはなぜFUSIONに参加しようと思ったのですか?
中澤:当時創業前でまだ企業勤めだったので、例えば毎週1回必ずオフラインで2時間参加する、といった条件があると難しかったんですよね。その点FUSIONは対面で集まるのが月1回で、有給を使えばすべて参加できそうだったのと、所属の異なる複数のキャピタリストと一気に話せるので、様々な角度のフィードバックをいただけて勉強になると思い選択しました。
南出:まさに、対象者として創業前の企業勤めの方も含まれていたので、参加しやすい設計にしていました。また、複数のキャピタリストと一定期間を伴走するプログラムはこれまで少なかったため、その点でも参加起業家の方からはご好評いただけたと思っております。
アクセラレーションプログラムでのお互いの印象は?
南出:Fintechやプライバシー領域において、深い業界知見を持った方だと思いました。また、中澤さん自身がスタートアップネイティブでもあったので、アイディアのディスカッションにおいても、スピード感を持って進んでいったのではないかと思っております。プログラム期間中、密にコミュニケーションを取りながらデモデイに向けて準備を進めていただけた点も、担当キャピタリストとしては大変ありがたかったです!
中澤:ありがとうございます。少し照れますね!僕からの南出さんの印象は、プログラムの運営をされている姿を見て、とても真面目な方だと感じました。加えて1つエピソードとして、毎週オンラインでデモデイに向けたミーティングを行っていた中で、私がちょっと弱気になり、準備していたアイディアを変える検討を相談したことがありました。そのときに南出さんは、私の元々のアイディアをかなりリスペクトしてくれて、起業家目線に立ってくれる方だと感じるとともに、とても勇気をもらいました。結局デモデイでは何も賞を取ることができずに申し訳なかったのですが(苦笑)
南出:起業家の方が感じている業界課題や事業仮説を信じています。そのうえで、建設的にディスカッションを加速できるようなインサイトを提供したり、何があっても応援する姿勢は、キャピタリストとして引き続き大事にしていきたいですね。デモデイでは受賞には至らなかったものの、スタートアップ経営はロングランなので、長期でグロースしていけるようにこれからも伴走したいと思っております!
プログラム後のコミュニケーションは?
中澤:アクセラレーションプログラムが終わってからも定期的にオンラインでミーティングをしていました。ただ、それがプログラムのアフターフォローのようなものなのか、それとも出資を前提とした将来に向けたものなのかが自分自身把握しきれていなかったので、途中で南出さんに質問したことを覚えています。
南出:アフターフォローは、プログラムに参加した個々のキャピタリストと起業家の自由意志を尊重していました。私の場合は将来の出資に向けて関係性が続けば良いなと思い、定期的にミーティングをしていました。中澤さんから質問を受けたタイミングで、自分がVCとして独立するタイミングと重なり、Hyperionから出資をする前提でコミュニケーションをしたいと伝えました。
中澤:私たちって付き合っているのかな?と確認する恋人のような気持ちで、確認するときは結構緊張しました(笑)
南出:反対に中澤さんは私ではなく他のVCから出資を受けることは考えなかったのですか?
中澤:まったく考えなかったかというと嘘になるのですが、考えた結果、南出さんが自分にとって最適だと思いました。まずFUSIONも含めて様々なキャピタリストと会話をしましたが、南出さんとのコミュニケーションでストレスを感じることがなかったので、きっと相性が良いと勝手ながら思っていました。もうひとつ、南出さんが独立することが決まっていたので、ちょうど新たな一歩を踏み出す者同士で、いろいろと相談しやすかった点もあります。また、独立して最初のタイミングでの投資になるとしたら、それは期待の裏返しなのかなと思いました。
南出:そう仰っていただけると嬉しいですね(笑)株主として同じ船に乗る身からすると、バリューを発揮することは前提として、相性やタイミングも同じくらい大事な要素だと思います。
中澤:また、今年話題になった、いわゆる「参加型・非参加型」などについて、投資契約書のドラフトを見ながら説明をいただけたのも、大変ありがたかったです。これまでスタートアップに長く携わっていたとはいえ、投資契約書をしっかり見る機会はなかったので。
南出:投資契約書を見る機会は稀ですし、内容としても小難しいことがたくさん書いてあるので、要点を分かりやすくVCから説明することで、起業家の方の不安を取り除くのが大事だと思っています。契約締結に際して、基本的には弁護士にレビューいただくものにはなりますが、投資契約として記載している趣旨や背景をお伝えするように心がけています。
出資の決め手は?
南出:元々サニーズが挑もうとしている課題に対して、私自身に強いペインと仮説に対する納得感があったことが決め手だと思います。投資判断において、その他にもチームやマーケット、プロダクト、相性、条件など総合的に見ながら意思決定を行いますが、そこが合致したからこそ、結果としてご一緒する形となったと思っております。
中澤:ありがとうございます!
これからに向けて一言お願いします!
中澤:おかげさまで、無事に資金調達を実施することができました。特に、Hyperionにとってこの出資が第1号案件ということで、身が引き締まる思いです。この資金調達をもってスタートラインに立てると言いたいところですが、まだプロダクト開発の真っ最中です。まずは一日でも早くサービスを提供できるよう地に足をつけて準備を進めてまいりたいと思います。「デジタルライフに平穏をもたらす」サニーズに、ぜひご期待ください!
南出:まだファンドとしての実績がない中で、Hyperionと一緒にやっていこうと意思決定いただけたことに感謝しつつ、サービスの成長に資するように伴走していきたいと思います。株主としてもユーザーとしても、これからの成長がすごく楽しみです!