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色解き:166梔子

 小学館「色の手帖」P98:梔子(くちなし)
クチナシ(梔子)の実で染めた濃い黄色、とは原典には記載があるのだが、クチナシの実って読者の皆様、ご覧になったことがあるだろうか?。少なくとも筆者はこの半生の中で気に留めて出会ったことは無「かった」。
 前段で「かった」と過去形としたのは理由がある。この文面を作成時に画像を入手したのだが、どこかで昔見たような気がしたのである。今にして思えば、何気ない街路樹の低木の一角にあったような気もしなくはない、そんなクチナシである。
 しかし、その実を染料として使うことは全く考えたこともなく、その染めた色がくすんだ黄色であることはますます思い浮かべる術はなかった。
 古の時代、クチナシは和歌の世界で「口無し」の恋、言わずもがな発生する恋のような例えで用いられているようであるが、どう見てもクチナシの実は大きな口があるようで何だか例えと現実のギャップが面白いものである。
 ざっと、絵の具の山吹色に近いなとは、筆者の見る梔子色の所感である。
 なお、画像は先般お伝えしたクチナシの実の写真である。

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