色解き:284薄花桜
小学館「色の手帖」P171:薄花桜(うすはなざくら)。
漢字で見る限り、筆者はピンク色の一種かと思っていた色なのだが、原典で見ると「うすい桜色▽紫みの青」とあるように、青色の一種だったりする。青の中でもおおよそピンクとはかけ離れた深い青なので、ここに日本語のニュアンスと現実とのギャップの面白さがある。
原典の例示に掲載されているのだが、若き源義経たる遮那王の衣類の表記に「薄花桜の単に」という表現が使われていることを考えても、この「薄花桜」色は神秘的な意味を込めた青色ともいえる。
青色に桜を掛けた内容は、夜桜を連想させてくれる。夜桜の中、笛を吹いて京の街を歩いた青き遮那王と、白い頭巾の弁慶との一戦は、色の意味でも品格のレベルで遮那王に軍配が上がったのはある意味当然だったのかもしれない。
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