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しくじりバックパッカーが海外移住して世界各地で事業を作るまで

ーーーー 2015年12月のマカオ。ぼくは泣きながら水を飲んでいた。

当時美容師だったぼくは、ハサミ、片道航空券、6000円を持って東南アジア一周のバックパッカー旅に出ます。

最初の街、香港は思ったより物価が高く、2日で財布は空に。しかし、手持ちのカードで10万円のキャッシングが可能でした。

「路上で髪を切って対価を得ながら6000円で東南アジアを一周してくると」言い張り、旅に出た3日目でキャッシング。非常にダサい。

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なので、いっそのこと全額キャッシングして全額をマカオのルーレットに入れました。そしたら不思議なことに、たった3分で「真の一文無し」になったのです。これはまだ1回目のしくじり。

それからは三日三晩飲まず食わず。「マカオはインターナショナルな歓楽地だから路上で髪を着れば盛り上がって再帰可能」だと思っていたら、街には大陸の中国人観光客ばかりでお世辞にもホットな雰囲気ではありません。

スケッチブックを持って街頭で8時間声かけをするものの収穫ゼロ。12月のマカオは肌寒く、体温を下げないために夜通し歩き続けて体を温めます。

1日1時間睡眠で迎えた3日目。人間は3日間水を飲まないと心身に影響が出てくるそう。精神はその通り不安定になりはじめ、いよいよというところでブログを書きました。開設して1週間に満たないブログですが、公開した記事に掲載した銀行口座には20人ものひとが支援してくれたんです。

ブログを公開して半日は電波と充電がないため、その間にマクドナルドで3日ぶりの食事に成功。客がテーブルに残した食べかけのハンバーガーと、気の抜けたコーラはなんの味も感じることができません。精神異常は人生で後にも先にもこの時だけ。

朝が来てフリーWiFiのある交差点まで徒歩1時間。一番最初の入金確認は母から。まずはそのお金で水を買ったのですが、後にも先にもその時の水以上に美味しい飲み物はありません。

他にも友人や、その家族までが支援してくれて、ましてや聞き馴染みのある出版社の社長さんからの支援も。その方に感謝のメッセージをやりとりさせてもらった最後に、彼はぼくにこんな言葉を残しました。


「人生を遊ぼう」


2015年12月のマカオ。ぼくは泣きながら水を飲んでいました。




この経験は、貧しさの底の方を感じて、人情を知って、お金について考え始める原点となったのです。

その後、バックパッカー旅は継続。旅ブログが編集者の目に止まり副業でライターの仕事を機会をいただいたり、スカウトでベンチャー企業のメディア事業部に加わることもできました。

週末美容師をしながらの会社勤務。入社から円満に1年ほど経過したとき「あれ?この仕事オフィスでやらなくてもいいんじゃないか?」と、突然思い立って翌月のタイ移住を決めました。

ぼくにとって、ノマドワーカー初日がデジタル系フリーランス1日目のようなものでした。海外移住をして、初受注は 30万円/月をいただける案件でしたが、タイに渡ってから即日、案件自体がなくなりました。契約書とかリスク分散とかなにも知りませんでした。しくじったと思いましたね。これが2回目のしくじり。

それからは、再起しつつ半年後にジョージアという国に移住することになります。

ジョージアではノマドの聖地となる場所を作ろうと、貸席の美容室とコワーキングスペースの複合施設を開業するためにテナント借りたら、なんと5日後に国がロックダウンしたのです。

国が閉まるなんて、長々しい歴史の教科書でも鎖国時代しかそんなこと聞いたことないですよ。
今思えば店より飽和水準までニーズを作りきることが先だと思うし、先走りすぎたところもあります。これが3回目のしくじり。(クラファンで首の皮一枚繋がった)

そんな3回のしくじりを乗り越え、今は世界2カ国で1ヶ月で10のノマド職種を体験するワークショップ事業を運営しています。


ぼくは、ただ世界を旅しながら働きたかっただけなんです。なのに、どうやっても経済面でしくじってきました。

だからこそ、さんざんしくじって来た身として、ぼくはしくじらなさを伝えることができます。前置きが長くなりましたが、しくじりたくないひとはぜひ読んでください。

お金の教養STAGE1からの脱出

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前述の通り、今までのぼくは動きは派手でも何ひとつ上手くいってません。

動きが派手なので、勘違いした学生に尊敬されたりもしました。全てが利己的で、「面白いことがしたい!」の「"面白い"」の方向性がズレまくっていたのです。

美容師業界の賃金の低さが言い訳にならないほどお金の管理に弱く、友人にお金を借りてばかりいました。必ず利息つけて期限通りに返済していたところだけがまだマシなポイント。

最悪の頃は消費者金融からの借入れした利息分だけを毎月払っていた頃も。しかし、危機感は全くありませんでした。Googleスプレッドシートに出会い、数字を並べてみたところ「これはやばいのではないか?」と、ようやく気付いたのです。

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出典:https://www.f-academy.jp/upimage/forprint.pdf

お金の教養STAGEによると、当時のぼくはSTAGE1でした。この記事を読んでいるひとでSTAGE1に当てはまるひとは、あなたが思っている5万倍くらいやばい状況なので、今すぐ賢くて面倒見のいい友人に相談してください。


さすがにある程度年月も経ち、いい出会いにも恵まれてきたので今はお金の教養STAGE4くらい。

とにかくお金の教養STAGE1の時の自分は今でも目を当てられないくらい知性に貧しかったのです。

ちなみにお金の勉強はお金払ってスクールに入らなくても、ひとまずは金融庁チャンネルがおすすめです。すごく目線を落としてくれているので入門に最適。うんこクイズとかあるくらい目線落としてます。

この記事を読めているだけのネットとデバイス環境があれば、だいたいのナレッジは無料で学べる時代です。

1ヶ月で10のノマド職種を体験する海外ワークショップ「ノマドニア」の誕生

名称未設定

コロナ禍で温めた企画

時はコロナ禍、ジョージアでITスクールをしようと温めていました。

共謀者は「ルイス前田」。名前からして完全に怪しいから、これから詐欺に遭うしくじり第4弾!かと思いきやそうではありません。

トラベルメディアTABIPPO.netの元編集長であり、同社の創業メンバーである彼は、ぼくにノマドになるきっかけを与えてくれたひとです。なぜならば、ブログからライターに引っ張ってくれたひとであり、最初の発注者だからです。

ぼくがフリーランスとしてさすがにまともになってきた頃、ルイス前田の誘いでエンジニアスクールのメンター講師を共に務めました。互いにそのプログラムのマーケティングにも関わり、とても濃い結果を残すことができた成功体験から、互いに相性の良さを感じたのです。

「コロナが明けたらジョージアでITスクールをしよう」「それまでに互いにナレッジを貯めておこう」

そうして、パンデミックの最中に企画を温めていました。

学習方法への違和感

コロナ禍で外出機会が減り、失業者も増える中、時間がなくて学べなかった人たちにとっては予期せぬ学習機会が訪れました。そこに商機があったのが無資格ノーリスクで始められるオンラインスクールです。

オンラインスクールが急増していく中で、肌感としては受講の行方が職業に直結していない割合が多いと感じました。

そもそも受講する分野が稼げそうだからといって、興味がないなら続きません。なんなら家の中で独りというモチベーション環境。ちょっとこれは海外贔屓な言い方をしますが、日本のオンラインスクール市場の特徴は「サポート」であり、世界が重視する「モチベーション」にフォーカスされることはごく稀です。

サポートを徹底した方がニーズには応えられるし、サービスは広く売れる。受講生のその後はスクール事業に無関係なので、温室で育てた方がいい。だけどそれって、サービス業じゃないでしょうか?

稼げることで稼げるわけではなく、稼げることに「興味を持って取り組めるから」興味なく働いている人以上に稼げるわけです。

これらは数々のしくじり経験から学んだ教育論ではなく、スーパーの試食品コーナーの常識論。試食できる商品を試食しないで買うから失敗するという話です。

0→1で新しいことを始めるには体験が必要

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2021年の冬に音声SNS「Clubhouse」の流行で世界中の多くのノマドと話す最強の機会がありました。ノマドになるまでのストーリーをたくさん聞いたのですが、だいたいみんな最初に色々な仕事をやってみて試していたんです。よく考えたら自分もそうだったな、と。

しかし、振り返れば「旅しながら働けたら最高だな」とぼんやりした願望を実現まで導くまでに何年もかかっていました。

「いろいろやってみて興味を持って取り組めることを仕事にすればいい」
「”いろいろやる”といっても何年もかかる」
「興味を見つけるために何年もかけてる間は興味のないことをしなければならないのか」

そんなジレンマを抱えているひとに解決案を提示したいのです。

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天才ソムリエはワインの味に詳しいですが、凡人にとってワインは並べて飲まないと違いがわかりません。その解決策は並べて飲むことです。

つまり、ぼくたちはデジタルノマドに特化したテイスティングセットとして、1ヶ月に10のノマド職種を体験する海外ワークショップ「ノマドニア」を作りました。

ぼくたちの定義は「Love learn ,Hate study」

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先日、アルメニア国ハイテク産業省の招致で訪問したデジタル教育センターのTUMOは、教育従事者のだれもが震えるような施設。TUMOもぼくたちと同じく受講者をマインドを「Love learn ,Hate study」定義していました。小さな事業なりに、世界的に注目を浴びる教育財団と定義の共有ができたことは、さらなる自信につながったのです。

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アルメニアではハイテク産業省第一副大臣ともお寿司食べながらデジタルノマドシーンについて意見交換させていただきました。

ノマドニア1年の運営を経て

そうして世に公開された1ヶ月で10のノマド職種を体験する海外ワークショップ「ノマドニア」は、ノマドの聖地ジョージアを舞台に1年で100人の仲間ができました。

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ノマドニアの卒業生からもワークショップの講師が誕生し、ノマドがノマドを排出するサスティナブルな構造が出来上がってきています。

ワークショップの先にあるものはシンプル。パスポート保有率を見ての通り、日本人のほとんどが興味のない「海外」「ノマド」という領域に興味を持ったマイノリティ同士、ナレッジを共有し切磋琢磨なネットワークの構築です。

本紙集計によると、日本人のパスポート保有率は前年比2.7ポイント減・19年比4.6ポイント減の19.1%まで大幅に下落した。コロナ禍以前には日本人のほぼ4人に1人がパスポートを保有していたが、コロナ禍の鎖国を経て、5人に1人もパスポートを保有していない状況となった。
引用元:日本人のパスポート保有率、19.1%に大幅下落 - 航空新聞社
参照元:令和3年1月~12月 旅券統計 - 外務省

「ノマド」の語源は遊牧民。遊牧するのみではなく、民族である部分も見落とさずにエッセンスを盛り込んでいます。

1年といえば、早いような遅いような。ノマドニア1期に参加したMayumiさんは接客販売業をしていましたが、今ではデジタルノマドとして「来月どこの国にいます?」という会話をする同士になりました。

ノマドニアの参加した誰もがノマドになるわけではありません。1ヶ月で10の職種を体験する中で、海外に住むことも含めて興味のあることだけではなく、「興味のないこと」にもしっかり向き合ってもらいます。なので、海外で1ヶ月のデジタルワークショップに参加した結果、体験を通した確かな実感で日本国内で就職の道に決めた人もいます。

そんなノマドニアに参加したみなさんは確実にぼくの5倍は人生が加速しています。東海道新幹線は1964年10月1日に開業した当初、東京-新大阪間を4時間で運行していましたが、現在は3時間を切っています。時代は進むと色々と加速していくのです。

自分たちで作ったサービスによって加速を生めることは、時代が一歩前進することだと思っています。

今日でリリースから1周年を迎えました

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ノマドニアはリリースから1周年を迎えました。

2年目はさらなる他国展開を目指しています。ビザなし1年滞在可能で月5万円で生活可能、フリーランスの税金が1%なジョージアはライフハックが叶う聖地。世界中のさまざまな国からライフハッカーが訪れているので、ジョージア以上にチートな国は他に無いかもしれません。

たとえ片道航空券が100万円だとしてもジョージアでリモートワークをする投資対効果は絶大です。航空券を「消費」と捉えるか「投資」と捉えるかでこの辺りは変わってきます。

2カ国目の進出先は 世界中のノマドたちにダントツで愛されている島、インドネシアのバリ島です。ビザ代含めても月10万円で生活可能。

税制の側面でも、動向によってはかなり高いポテンシャルを秘めています。

支出が低いなら可処分所得の最大化が可能。そんな人生の攻略経路を探し、旅をすることがぼくの仕事であり趣味であり使命だと感じています。

「移動距離が人を成長させる」という言葉は、このような経済的合理性の上でより機能します。やみくもに動き回っていた昔の自分に伝えたい。

最後に

ぼくはどこに住みたいかと聞かれますが、「健康なうちは一生旅していたい」と思っています。健康診断がオールクリアでも来週生きている保証はどこにも無いので、やりたいことは言い訳せずに最速でやっておくんです。「いつか」は一生やってこないので。

「地球に生まれたんだから地球サイズで生きていきたい」
「同じ日々の繰り返しにムズムズする」
「閉鎖的な環境から飛び出したい」

そのように思っているひとは、ノマドニアの環境を活かしてください。本人次第で元本はいくらでも回収できるようになっています。乗らない車の免許の100倍マシ。

実質無料、またはそれ以上なものだから自信を持って販売できるサービスです。

それじゃあ、これからも人生を遊ぼう。

🗺 ノマドニア公式サイト

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食卓のおかずが一品増えます