藤井風さんの「宝島」
藤井風さん。
突き抜けた才能をお持ちなのに、
巻き起こすのは強風でも突風でもなく、優しく頬をくすぐるような微風。
何にも例えられないその存在感を感じるたび、
唯一無二、という言葉はこういう人のためにあるんだなあ、と
思わずにはいられない。
一度聴いたら忘れられない、とても魅力的な歌声もちろん素敵なのだが、
実はわたしにとって一番印象深いのは、
藤井さんが「宝島」をピアノで弾いている動画、だったりする。
「宝島」といえば、吹奏楽界隈では多くの人が馴染みがある曲だと思う。
私自身は何年も前に吹奏楽自体は辞めてしまったが、
それでもいまだに時々聴きたくなるのがこの曲。
聴いていると、つい気づけば鼻歌がついてでる。
木管楽器の宿命「連符の嵐」に見舞われつつも、この曲はやっぱり楽しかったなあ、なんて懐かしく思い出す。
心のどこかにすっかり住み着いているような曲だ。
吹奏楽から離れて何年もして、思いがけず見つけたこの動画。
ピアノで「宝島」?と、ぐんと興味を惹かれて再生したら
もう吸い込まれるように最後まで見入ってしまった。
スコアいっぱいに音符が並ぶこの曲を
ピアノ一本で、こんなにも豊かに表現できてしまうなんて…!
思わず体を揺らしたくなるようなリズム感もたまらない。
まさしく「度肝を抜かれた」という表現がぴったりだった。
その日から、ことあるごとに再生しては、そのたび聞き惚れてしまう。
きっとこれからも、たびたび再生することになるんだろうなあ、と
確信めいた予感がしている。
まだもし見たことがないという方がいらしたら、ぜひに。
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