見方が変わっていくードレスローザ編第二章-Ⅰー

前回に引き続き、ドレスローザ編を書いていこうと思う。
見方が変わっていくのは、ローさんにとっての恩人さん、コラさんのこと、ローさんのことを見ていったことが理由だと思う。

ローさんの恩人で、大好きだった人、コラさん
ドフラミンゴがいる、王の台地に向かう中で、ローさんは恩人さんのことを「大好きだった人」と言っていた。私はこの言葉を聞いて、目を引かれた。その後のことも、とても真剣に聞いていたと思う。その人は、ドンキホーテ・ファミリーの最高幹部にして、ドフラミンゴの実の弟、コラソン、スペイン語で「ハート」を意味する、ローさんが「コラさん」と慕う人だった。

その直後に、ドフラミンゴ(の分身)に出くわして、ローさんとコラソンさんのことを馬鹿にするから「馬鹿にしないで!私の大好きな人と、大好きな人の恩人さんを馬鹿にしないで!」と返していた。
こんなに怒って敵に返したのは初めてだったかもしれない。今思えば、王下七武海相手によく啖呵切れたなあと思う。後、咄嗟にローさんのこと「大好きな人」と返したけど、この時も、まだ好きとは認められなくて、どうしようかなと悩んで、もういいや!という感じで返していた。

その後、王の台地に着いて、ドフラミンゴと直接対決になったけど、その時もドフラミンゴなんか眼中にない感じで、ただコラソンさんのことを思っていた。今があるのはコラさんのおかげだって。…武術に関しては、一応ファミリーにいた頃に叩き込まれていたみたいなので、そこをファミリーに感謝してるのは、律儀だなあと思う。

ローさんの過去 ー故郷のことー
ローさんが、ドンキホーテ・ファミリーに来たのは、彼が10歳の頃。目が荒んでいて、怖かった。なぜ、ドンキホーテ・ファミリーに来たのか。
あの世界だとよくある事みたいだけど、世界政府によって、故郷が滅ぼされて、自分ももうすぐ死ぬから、世界を壊してしまいたいと願ったから。

ローさんの故郷はフレバンスという国で、ローさんは、医者で病院を経営しているご両親と、妹のラミちゃんと暮らしていた。ローさんはご両親に医学を学んでいた。フレバンスには教会があって、そこのシスターさんや、同年代の子たちとも仲が良かったみたいで。
このまま暮らせれば、ローさんは真っ当な医者になっていたんだろうなと思う。普通の市井の医者で。本当に幸せだったんだろうから。

フレバンスの話をするが、この国は珀鉛と呼ばれる、国特有の鉱物が名産品で、国中が珀鉛の白に覆われて、白い町と呼ばれていた。
でも、珀鉛は体に有害な物質が含まれていて、取り込んでいくと体に蓄積し、死に至らせる危険な鉱物だった。珀鉛による体の痛み、体が白くなっていく症状を「珀鉛病」と呼び、それは罹患者の人が子供を産むと、その子供の体に蓄積される珀鉛の量が多くなり、生まれつき、寿命が短く、世代を重ねるごとに、どんどん短くなっていく。
政府は100年も前にそれを知っていたのに、隠蔽し、国も人々に隠していた。次第に珀鉛病は、感染症といわれて(実際は中毒)、周りの国から隔離され、感染を恐れた周りの人は、フレバンスの人達を「駆除」しようとして、戦争が起こった。
その中で、ローさんはご両親を殺されて、仲が良かった教会のシスターさんや仲間たちも、避難の船に誘導すると騙されて殺されて、病院にいたラミちゃんも殺されて。何もかも、炎が、虐殺の赤が、国を覆っていた。

フレバンスのことを初めて知った時は、アニメのあらすじで、あまりにも酷すぎる事実に、頭の中ぐちゃぐちゃで、どう言葉にしたらいいか、分からなくて「痛い」としか言えなかった。
読んで改めて知った時は、二回も、と言っていた。何とか言葉にした感じだった。どうしたらいいか、でも、どうすることもできなくて。
最初に、あの世界ではよくある事、と書いたけど、ロビンの故郷・オハラへのバスターコール、ゴア王国のグレイ・ターミナルへの焼き討ち、後小説で知ったけど、資源の独占のために、天竜人が、現地の人を虐殺・奴隷にしたという事例もある。こんな事、何度もあってたまるかと思う。そこにいる人たちは、何も知らないのに。そこにあった歴史も、知識も、言葉も、暮らしも、命もなかったことにされて。
今は、悔しいというか、ごめんなさいとしか言えない自分しかいない。

長くなりそうなので、ここでいったん区切ります。


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