仕事と遊びの狭間で
今年度の新潟経営大学さんでのサンファーム泉の講義参加は、ラポルテ五泉での試食販売を実践してもらう実地研修型の講義にさせてもらいました。
本番までに自分たちに何が足りないか、道具類の準備や知識などをつけていってもらっているところです。
年に2回予定しているので、第一回の7月1日(土)の回は、色々反省点も出ると思うけどとりあえずやってみようよ、のスタンス。
それでも金銭の発生する『販売』をやっていただく以上は、お客様にご迷惑をおかけしてはならないという、最低限のレベルは要求するわけです。
ただ私や先生など、こちら側に迷惑をかける分には一向にかまわないという事で、
「売上は二の次で頑張ってくれたらと思います!」
前回の講義参加時、確かに私はそう言ったと思います。
ただ、額面通りに受け取られたのか。
「桐生さんが売上は気にしないでいいって仰ってたので、そんなに売る事に対して力入れるつもりなくって。だから売上目標って立てる必要なくないですか?」
と、今回の講義参加時にこう返されました。
「失敗を恐れないでほしいというニュアンスで使ったのであって、売らなくていいよというつもりでは言ってないです。やっぱり販売する以上は、ひとつのモチベーションにもなるじゃない?」
ようやっと理解してもらえましたが、人に伝える事の難しさをすごく感じる回でした。
そもそも講義に参加している趣旨
・サンファーム泉、ないしはアロニアベリーの知名度向上
本当にこれだけなんです。これだけで毎年お邪魔しています。毎年生徒さんの顔ぶれが変わるので、アロニアって何?から説明に入るのがお約束になっています。
唯一違う点があるとすれば、私の側が学生さんと関わった数が増えていくので、経験値が溜まってきています。
そうすると、お邪魔して9年ぐらいになりますが、大体「このぐらいの事ならお任せできるのだろう」と目算が立つようになりました。
私が彼らに望む事は、自発的に「サンファーム泉、ないしはアロニアベリーの知名度向上」の手法を見つけて実践してくれる事なのですが、なかなかどうして、大学での1年ってあっという間なんです。
これは学生の側に非があるとか、そういう事をいうものではありません。
4月にはじめましてと初顔合わせをした後、おおよそ月に1回のペースで講義にはお邪魔します。お邪魔しているゼミでは、1年間30コマ全てをアロニアの事に注力していただくわけではありません。3つ程度の授業を進めるうえでの軸があります。
そして5月に自分たちなりに調べたアロニアの良さを発表してもらったり、6月、7月あたりで各々どういった手法があるかを調べてきてもらうんですね。
そうこうしていると夏休みに入りまして、8月9月は講義参加なし。
10月は学祭がゼミの一つのメイン軸にもなっている都合上、どうしても優先順位が落ちてしまう。
すると10月末から11月にアロニアの授業を再開して、12月、1月で実践へ・・・!と行ければいいですが、そう簡単ではないわけです。
だから数年前から、完全野放しスタイルは辞めました。
ある程度レールを敷いたその上で、彼らの自主性を信じよう、と私の側のスタンスを変えてみました。
敷かれたレールを嫌々走らせたくはない
それが試食販売というひとつのカタチなわけですが、今回の生徒さん、中々鋭い方が多くって、
「桐生さんはアロニアないしサンファームの知名度を上げたいんですか?それとも売上を作りたいんですか?知名度上げるのなら地元で試食販売ってあんまり効果薄いんじゃないかなって思うんですよね」
鋭く、痛い質問でした。
私なりに考えて用意したレールのつもりでしたが、そのレールは違う汽車を走らせるレールじゃないか、とそういうわけです。
ただ、その時はうまく言語化出来なかったけれど、マクロ的には効果が薄くても、ミクロ的には効果があると思って用意しているつもりです。
むしろ私はこの局地戦こそを大事にしたいと思っていて。
例えばアロニアという果実に対して、興味はあったけれど手が出なかった方たち。
また名前は聞いたことがあるけど何だか分からなかった方。
果ては一度は購入した事があるけれど、特に理由もなくリピートされなかった方。
お客様の9割は浮気性という言葉があるように、生活必需品でない限りは顧客は移ろいやすいものなのです。
そこを繋げていく事が多分一番難しくって、難しいけれどとても大切なコトで。
新規のお客様も勿論大切ですが、既存のお客様を大切にしなくちゃ新規を獲得してもゼロサムゲームの構図に陥ってしまう。
知名度を向上させるという言葉が邪魔をしている
こうしてアウトプットする事ってとても大切だなと思うのが、自分の考えを整理できるんですよね。本当にやりたかった事って何だろうって、基本に立ち返る事ができます。
そうした意味で、私が本当にやりたい事は、「アロニアの知名度向上」ではないのかもしれないなと思い至るわけです。
新しい方にアロニアの魅力を知ってもらう、これは大切な事。
だけど私のやりたい事は、知って頂いたうえでより深く繋がっていただく事です。
つまりは顧客やファンになってもらったり、リピーターになっていただく事が目標なわけです。
社会に寄与するという事はつまりそういう事だろうと。
私はこの想いを学生さんに直接ぶつける事はしないでしょう。だって我ながらこんな抽象的で分かりづらい事言われても、頭がちんぷんかんぷんですもん(笑)
じゃあ具体的に私たちは何をすればいいの?という部分はシンプルな方がいいと思うので。
遊び
私は学生と関わりたい。それだけで多幸感に包まれるんです。極端な話、給料もらってそれをやれている時点で私自身へのフィードバックとしてはもう充分すぎるほど貰っているんです。
それが会社や社会的に意味がなくとも。
遊びでやってんじゃないんだよー!と修正を食らいそうな事をつらつらと書いてきましたが、そのぐらい遊びがあった方がお仕事も楽しいんじゃないかなって、思うのですよ。
その遊びを仕事と認めてくれる会社に感謝を述べて、結びの文としたいと思います。
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