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他所の子の発表会でも、応援できるタイプ。

私は普段夜はあまり出歩かず、人に会うのも午前中や昼間が多いのですが、昨晩はベルリンで青少年音楽コンクール(Jugend Musiziert)参加者の演奏会があったので、久々に暗くなってからの外出でした。

コンクールは来月なのに先に演奏会? 逆じゃないの、と最初は思ったのですが、演奏会本来の目的に加え、コンクール本番に向けて、人前で弾く練習の場を兼ねているのかも。こういうのは普通、参加者の両親やジジババが子供や孫の活躍を見に行くものだけれど、私の場合、参加者に知り合いはゼロ。(息子は一応コンクールに出る予定だけれど、発表会は出ても出なくてもいいので、パスしました。)知人が出ているわけでもないのに、プロでもない人(しかも子供)の演奏をわざわざ聴きに行く人なんて、まずいませんよね( ´,_ゝ`)。

以前、何かのTV番組で私の大好きな作家の岩井志麻子先生が、「今度のオリンピックは観に行きますか?」という質問に対して、「よその子の運動会を観に行くかってハナシなんですよねぇ」と絶妙なコメントをされていて、「いや、でも運動会のレベルが違いますから…」と司会者にツッコまれていたのですが、私は、運動会はともかく、音楽コンクールやピアノ発表会なら知らない子の演奏でも楽しめる人間です(笑)。

むしろどんな子が現れるのかと興味津々で、前からこの日の予定を空けておいたくらいなのですが、実際感動したかというと、正直微妙です。というのも、普段からYouTubeで小林愛実さんや牛田智大君の子供時代の演奏を観ているせいか、多少上手い子が現れても何とも思わなくなってしまったんですよね。天才児の演奏を気軽にYouTubeで聴けるようになってしまったのは、果たして良いことなのか、悪いことなのか…。

それでも、小さな子がその年齢にしては難しい曲を頑張って弾いている姿を見ると、やはりグッと来るものです。このレベルに達するために、どれだけ遊ぶ時間を犠牲にしたんだろうとか、その子の背景にあるドラマを想像してしまうんですね。以前、ヴァイオリニストを目指している男の子の首に、青を通り越して黒くなったアザを見つけた瞬間も思わず涙目でした。彼の演奏の良し悪しなんて、私の耳じゃこれっぽっちも分からないのにね。

一方、私の息子はといえば、学校から帰ってきたら私の用意したおやつを食べて、しばし無印のビーズクッション(通称「人をダメにするソファ」)に埋もれてNARUTOを読み、私に言われてようやく重い腰を上げ、30分くらいピアノを弾くという塩梅なので、才能云々の前に練習量が違うから、上手くなれるワケないよなあと思います。が、ピアノに対してその程度の情熱しかないなら、他にもっと向いていることがあるのかもしれないし、少しずつでも毎日練習するのならそれでいいのかなというスタンスでやっています。

ちなみに今回の演奏会で特に目立っていたのは、中国系のキッズです。参加者全体の3~4割は、姓が「-ang」で終わる(中国系と思われる)人たちでした。日本人のお子さんもいたのですが、東アジア人の割合が妙に高い。ここに来る途中乗っていた地下鉄にだって様々な人種の人がいたのに、会場にいるのは東アジア人&西洋人(ドイツ系の姓)オンリー。息子のピアノの先生がかつて、「ドイツの音大は日本人、韓国人、中国人だらけですよ」と言っていたのを思い出したのですが、ピアノは東アジア人のお家芸なんですかね。

Jugend Musiziertはピアノに限らないので、少数ながらフルートやクラリネットの参加者もいたのですが、私が(大変僭越ながら)スネママ賞を差し上げたいのはハープでヘンデルのパッサカリアを弾いた13歳の少女です。演奏もヴィジュアルも、ミューズそのものだったな…。

もう夜中の二時半だし、そろそろ何を書きたいのか分からなくなって来たので締めにしますが、こんな風に脳内一人授与式なんかも出来たりするので、他所のお子さんのピアノ発表会、私は大好きです。










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