【 夜中にヤバそうな若者の鍵をスッピンで拾う〜前編〜】
7月、夏。
時刻は22時を過ぎていた。
クソ暑い中でニット帽にブーツ。
かと思えば、肌が透けそうな程薄い、首が伸びきったテロテロの白い半袖Tシャツ。
真っ白な肌にヒョロヒョロの身体。
携帯見ながら、ボロボロの紙を握りしめ、上下にホッピングするような歩き癖…
『うわ……なんかこいつヤバそうな歩き方やな…(°_°;)』
スーパーの閉店15分前に急いで駆け込んだせいで、顔も汗でドロドロ。
一日中勉強してたから、メイクなんて服なんてめちゃくちゃ。
重い荷物をもってるから早く帰りたいってのに、それを妨げるかのように彼は私の前を歩いていた。
なるべく距離を取りたかったから、信号は青だけど歩く速度を徐々に落としていった。
青信号が点滅しはじめた。
その若者はちょっと急ぎ足になりながら、手に持っていたぐしゃぐしゃの紙を左ポケットの中に入れた。
その瞬間…
チャリーン
思いっきり鍵がポケットから落ちた。
って、、、
なんでそんなに思いっきり落ちたのに気がつかないんだ!?!?!?Σ(゚□゚(゚□゚*)!!
あわわ、あわわ!
どどどどうする自分!!
拾うか!?拾わないか!?
「俺の鍵に何触ってんだよスッピン!!!…グサッ!!」
ってこともあり得るぞ!?!?
と考えてる内に、条件反射的に鍵を拾って前方の彼に追いつこうとする自分がいた。
はぁ〜…
我ながらお人好し過ぎだ…
まぁこのまま見過ごして、人に意地悪して死ぬよりも
お人好しが原因で死ぬ方が、天国では優雅に楽しく暮らしていけそうだな。
グッバイ現世!
Welcome to my sweet Heven!!
。・゜・(ノД`)
「鍵!!落としましたよっっ!!!」
「えっ!?」
振り返る若者。
な、何っ!?
こいつ…まさかの…
〜気になる続きは後編へ!!
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