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城宝匡史選手について

いつかは来ると思っていたが城宝選手の引退が発表された。
bjリーグ時代を知る人なら分かると思うが城宝選手は紛れもなくスーパースターでした。
高確率で決めてくるスリーポイントに力強いドライブ、そして整った顔とまさしくスター選手といったところでした。

そんな城宝選手ですが、個人的に第一印象は最悪でした。というのも彼を最初に見たのがbjリーグ2年目、富山グラウジーズが初年度のとき。彼が大阪に所属していたときです。
当時は出待ち文化があり、大阪の選手を見ようと待っていた時に他の選手はチームのスウェットを着ていた中で城宝選手だけは私服で帰るところでした。
他の大阪の選手たちは立ち止まり富山ブースターにもサインしたり写真を撮っているのに彼だけは声をかけても素通りでした。
(顔が良くてバスケが上手かったら天狗かよ)
これが私の城宝選手に抱いた最初の印象でした。

その後、城宝選手は東京、滋賀でプレーしすでにスタープレイヤーとしての輝かしいキャリアを築いていました。プレイヤーとしての実力は認めつつもやはり印象は変わらず、私だけでなく私の父母もアンチ城宝でした。

そんなある年、城宝選手が富山へ移籍してくることとなりました。
その時の記者会見か何かで「富山を強くするために来た」と言っていましたがアンチ城宝だった私たち一家は
『城宝1人来たくらいで強くなるかよ』
『どうせ2年でまた移籍するんだろ』
と否定的な感情でした。

しかし、城宝選手のプレーを間近で見てるうちにその印象はガラリと変わりました。
ボールに対する執着心、勝つためなら時には味方に対しても厳しい姿勢、そして何より勝つことに対して常に貪欲であるということが分かりました。
城宝選手がその姿を見せることでチーム内だけでなく、私たちブースターの意識まで変わっていきました。
そうなってくるといつの間にか城宝選手に魅せられたアンチ城宝だった私たち一家もすでに城宝信者となっていました。笑

そして城宝選手が移籍してきた時に言った

「富山を強くする」

それは現実のものとなりました。

城宝選手が来てから初のPO進出、PO初勝利、地区優勝、そしてファイナル出場。
まさしく有言実行という言葉がぴったりでした。

また、チームを勝たせるだけでなくプレイヤーとしても成長し続け、シーズンMVPまで獲得し、まさにbjリーグを代表するスーパースターでした。
そしてBリーグになっても城宝選手の輝きは色褪せませんでした。

しかし別れは突然やってきました、城宝選手の新潟への移籍です。
いつの間にか富山にいることが当たり前に感じていましたが移籍の発表を聞いたときには相当ショックでした。
だからこそ富山に復帰したときには大喜びしました。
その後、再び富山を離れましたが城宝選手の活躍はチェックするようにしていました。

そして今回の引退発表。
正直、まだやれるんじゃないの?と思ったりもしましたが城宝選手は自分にもストイックなのできっと思い描くプレーがだんだんと出来なくなってきて引退を決断したんだろうなと思いました。
でも城宝選手のことだから引退しても現役時代と変わらずにトレーニングを続けていきそうだし、なんなら調子が良いからといってしれっと現役復帰して大暴れしてそうです。笑

これからは新しいバスケ人生として、コーチ兼通訳をされるということですが城宝選手らしく勝ちに貪欲な姿を見せてほしいと思います。
そしていつかはまた、富山へ戻ってきてベンチに座ってくれるとうれしいです。

最後になりますが、
城宝選手、富山に来てくれてありがとうございました。あなたが来てくれたおかげで今の富山グラウジーズの土台ができたと思います。
ブースターの想い、願いを背負ってプレーするのは苦しい時もあったことでしょう。
それでも前を向き続け、私たちに希望を与え続けてくれた城宝選手は間違いなくプロ選手でありスーパースターでした。
今までバスケ界を引っ張ってくれてありがとうございました。


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