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障害のある方に触れて、ウェブメディアに思うこと

 先日、アルファサード取締役の野田(同社創業者/朝日新聞社技術顧問)の尽力により、朝日新聞社にて視覚障害を体験するワークショップが開催されました。目や耳に障害のある当事者の方にも参加いただき、非常に有意義なものでした。詳細はアルファサードに8月に入社したばかりの松岡が丁寧なレポートをあげていますので、ぜひご覧ください。

 私も当日かけつけ、ワークショップの様子を終始見ていたのですが、大変ショックを受けました。今のウェブメディア、全然あかんやんと…。
 冒頭の写真は、ブラインドサッカーを中心に活躍するカトケンさんこと加藤健人さんがスマホでニュースを読んでいるところです。視覚障害のため、スクリーンリーダーでの音声読み上げを頼りにしながらなのですが、タグがあったり広告があったりで、本文に中々辿りつきません。音声は倍速かそれ以上で、私が聞き取れないくらいの速さだったのですが。視覚障害者の情報の取得スピードは、健常者と比べて圧倒的に遅いことを目の当たりにしました。

 カトケンさんはこのワークショップの数日後に、パリ2024パラリンピックのブラインドサッカーのテレビ解説をされていました。当事者の方の解説は初の試みだったようですが、「コーチが声で的確に指示していますね」「歓声がすごくて選手たちはプレーしづらいかもです」「ボールの位置はゴールから何メートルですか?」と当事者ならではのお話に、なるほどと思うことが多々ありました。その試合は残念ながら日本チームは負けてしまいましたが、私は同時間に放送されていた阪神タイガースそっちのけで、日本チームとカトケンさんを応援していました。

 アルファサードは「improve the Web」を企業ロゴに入れています。ウェブを良くするために、ウェブアクセシビリティややさしい日本語(伝えるウェブ)に取り組んできましたが、今月から朝日インタラクティブとともに、ウェブアクセシビリティの勉強会を始めました。ウェブアクセシビリティの基準は「JIS X 8341-3:2016」などに設けられていますが、これに準拠することが目的ではありません。あくまで手段です。目的はミッションにある「すべての人にやさしいデジタル社会の実現に貢献する」こと。それを強く感じ、ウェブメディアをもっと良くしよう、私自身ももっと精進しようと思う機会になりました。 

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