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#家族

2022.10.25

2022.10.25

最近書いていた「家族」という、エッセイが最終話でした。

1番上の兄は、現在、香川県に住んでいて琴平電鉄志度線に乗ってくれたそうです。

2番目の兄は、僕が鶴瓶さんのラジオに呼んでもらった時に、radikoの作動させて正座して聴いてくれたそうです。

とにかく親や兄弟は日々、不思議な存在で、それはこれからもより深まっていくんだろうと思います。

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家族

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最終話 「続けている」

家族の人達が、それぞれどんな人生を送っているのかは、ほとんど知らない。

僕の人生を、家族がほとんど知らないように。

それでいいのだ。

僕が思う家族とは、お互いの人生の誰にも見せない部分を共有するものだから。

だから、少ない情報から想像するのだ。

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第9話 「好青年」

お父さんのお友達の方とよく3人で釣りをしていたのは、僕が、32歳頃だった。

ふたりは、教諭時代からの付き合いで、お互いの事を先生と呼んでいた。

先生、こんな親孝行な息子おらんで。

この歳で、釣りに着いて来てくれるなんて、普通は、ありえへん。

感謝しいや。

ほんで、息子くん、君は、ほんまに好青年や。

どないしたら、こんな子に育つんや。

先生は、幸せもんや。 

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第8話 「新しい絆創膏」

22歳の1番上の兄。
21歳の2番目の兄。
15歳の僕。

1度だけ、カミデ3兄弟は、決定戦をした事があるのだ。

きっかけは、些細な事だった。

僕が、あまりに家に帰って来ない事を、1番上の兄が、厳しく注意した事から始まった。

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第7話 「通常の距離」

お父さんと、梅田駅のカウンターだけの小さなカレー屋さんに居た。

21歳の頃、ホノルルマラソンに出る為に、パスポートを取りに行った時の事だ。

ハワイに行く為に、パスポートの取り方をお父さんに聞いてみたら、俺もその辺に用事があるという事で付いて来てくれた。

谷町4丁目付近には、パスポートセンターの他に、色んな施設があって、お父さんは教育庁に用事があったのだ。

パスポー

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第6話 「本当のコーチや先生」

1番上の兄は、よく僕の作った曲の感想を言ってくれた。

う〜ん、いいかも。

これは、今の歳だから出来るんだろうね。

サビは、凄くいい。

など、事あるごとに、僕がピアノの前で歌っていると、後ろに来て感想を言ってくれた。

スターライトフューチャーが、出来たのもこの頃の話だ。

僕は、歌詞を書いたノートをいつもピアノに置きっぱなしにしていた。

ある時、2番目の

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第5話 「スパイダーマン」

2番目の兄は、とにかくモテる人だった。

足は速く、顔は僕と全然似ていない。

弟から見ても、これはモテるだろうなと小さな頃から思っていた。

小学3年生の時のバレンタインデーの日、放課後に校門から勢いよく飛び出そうとしたら、数人の女子中学生に声をかけられた。

カミデくんの弟やんな?

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第4話 「狼になる」

小学6年生の頃、前方から勢いよく進んで来る自転車のおじさんとぶつかった。

僕も自転車で、ぶつかる瞬間に少しおじさんを交わしたけど、おじさんの手が僕の自転車のハンドルにぶつかった。

バランスを整えたおじさんが、大きな声で怒鳴り出したから、僕も同じくらいのボリュームで怒鳴り返した。

おじさんは、どんどんヒートアップして来たので、しょうがないと思い、僕はおじさんにめちゃくち

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第3話 「もうひとりのお母さん」

僕のピアノの先生は、家では兄達だった。

特に、1番上の兄は、細かく教えてくれたけど僕には普通に教えても、無理だという事が早くに分かっていたと思う。

ある時から、譜面の読み方や、指使いの細かい指導は、しなくなった。

自分が当たり前に出来た事が、こんなに出来ないものなのかと、途方に暮れている表情を何度かしていた。

怒ってみたり、褒めてみたり。

とにかく、僕

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第2話 「坊ちゃん」

疎開先にお礼を言いたい。

当時、50歳を過ぎたくらいのお父さんが、唐突に僕に言った。

僕は、19歳でまだ高校生だった。

新潟。

僕とお父さんは、冬の新潟に居た。

燕三条という街を少し歩くと、お迎えの大きな黒い車が、僕達の前に停まった。

満ちゃんか。

後部座席から、60歳くらいのダンディな叔父さんが車から出て来た。

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第1話 「ナイスカップル」

遺伝がほとんど。

人間は、どうやらそうらしい。

でも、僕には関係ない。

そうであれば、もっと優秀で優しくて、努力を惜しまない人間に、なっていたはずだ。

だって、祖先達、祖父母、そして両親も兄弟も、優しくて優秀な人達だから。

お母さんが、コロナ禍前に珍しく旅行に行きたいと言った。

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