若林正恭「ナナメの夕暮れ」
「めんどくさい人」と言われても「考え過ぎ」と何度言われても、
この国を、
この社会を、
この自分を、
解体して解明しなければ一生自分の心に蓋をしたまま生きることになる。
(「ナナメの夕暮れ」まえがきから)
この前書きに込められた、覚悟とも明確な意志の表明とも読めるこの強い”何か”からこの本は始まる。たかだか「芸人のエッセイ本」だが、されど「芸人のエッセイ本」とはまさにこのことで、現代日本社会で誰が決めたわけでもない「空気」的なルールに誰しもそれぞれなりに悩みを抱えていたり、