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心理的惰性にとらわれてない?【大学院生の授業日記】

こんばんは。バムです。

今日は心理的惰性に関する有名な問題を授業で習ったので、皆様に紹介します。

今から50年以上前の1970年、ソ連は「LUNA-16」という無人月面探査機を用いて、月の石を採取し、地球に持ち帰ることに成功させました。

無人探査機での月面の石の回収は世界初!

禍綾香しい功績を持つ「LUNA‐16」ですが、打ち上げ前のシミュレーション段階である問題があることに気が付きました。

それは…

船外にある撮影用の照明のランプ(電球)のガラスが割れるということです。

ソ連はどのようにしてこの問題を解決したのでしょうか?

もし考えてみたい人は、ここでスクロールを止めてください!






ソ連はこの非常事態に、全国から頭のいい連中を集め、問題解決を図りました。

衝撃耐性を持つ様々な素材や部品の研究・検討をし、出した結論は…


電球のガラスっていらないね


まさかのガラスのは不要だった!

どういう事でしょうか?

そもそもどうして電球にはガラスが付いているのか?考えたことありますか。

僕はないです。ないなら調べてみましょう。

中国電力のKidsサイトの「電球の仕組み」のイラスト・説明が分かりやすいので、下に張らせていただきます。


電球が光る仕組みは、フィラメントを高温にして光らせる!

とてもシンプル。確かに電球を触ると、熱いですもんね。

そして、電球が長く光る工夫として大切なのが、フィラメントが空気中の酸素と結びつかないこと!

酸素と結びつくと燃焼速度が速くなり、フィラメントが焼ききれてしまいますからね。

そこでガラスを用いて、フィラメントが空気中の酸素に触れないよう、保護してるわけですね。

ここまでの話でピンと来た人も多いのではないでしょうか?なんで月面では電球のガラスがいらないのか。それは…

月面に酸素がないから


酸素がなければフィラメントをガラスで保護しなくていいですからね。

ソ連の科学者たちは心理的惰性で「電球にガラスは必要なもの」と考え続けてしまった…

これらの問題は、TRIZ(発明的問題解決理論)という発想手法では有名な問題になります。気になる方は調べてください。



参考にしたサイト