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病める時も

去年は年の始めから私の周りの近しい人が、交通事故に遭ったり、倒れて救急搬送されて緊急手術になったりでほぼ毎月、誰かがまさかの事態でした。

そんな中、暮れに母親も大腸がんに罹っていて、発見された時はステージ3、余命5年と言われたことはかなりショックでした。

母本人は「治療をしなくて、くよくよしたくない」と気持ちを決めて抗がん剤治療を始めました。
本人が納得して治療を決めたから、本人の意思を尊重したいと思っています。

母の体調や薬で気になることがあればいつでもサポートするので気兼ねなく言ってください、と主治医や薬剤師さんが親身になって言葉をかけてくれるので感謝しています。


年末、母は「これからは余分なものはいらない。人生を自分の考え方で生きたい。」と生きることを諦めてるのではなく、生きている間に、自分が動ける間に、「身の回りを自分で整理したい」と言って片付け始めました。

が、あんまりにも、どんどんモノを捨てて整理していくので、母の気持ちは理解できても娘としての私の方が気持ちが追いつかず、悲しくなってしまって「そんなに終活を急がなくたって、もっと生きる事を考えてよ」と強く言ってしまった日もあったし、母より父の方が気落ちしているのも見てもしんどいです。

母のことも父のことも、私は無力だと感じて、どうすることも出来なくてモヤモヤしてます。見守るのも楽じゃありません。

ー 年末に書きかけて、書けなくなって、そのままになっていた記事の続き ー

抗がん剤治療を始めて、母は体調も変わりなく過ごせています。

このまま落ち着いて5年後も生きてるような気もしますが、そればっかりは分からないからあんまりストレスなく穏やかに過ごせていってくれるように祈っています。

最近は「新しい葬儀場ができて、少人数制のお葬式出来るみたい。下見に行って会場どんなか見てくる」とか言って、「あら、結婚式場の下見みたいな事あるんかな。」って母のメンタルのタフさに驚いたり、ユーモアにホッとしたりしてます。

でも、しっかりしてるようで、TVでの芸能人の訃報に泣いたり、本人の気持ちも揺らぐ日もあるみたい。


先日、母が好きそうなお花があったので「いらないって言うかな」と迷ったけど買ってプレゼントしました。

「もう余計なものはいらない、って言ったけど花を見ると嬉しいね」
と喜んでくれた姿を見て、これから病気は治らないけど、病気と共に生きていく中にも明るい気持ちがあること、病気の時も喜ぶことがあって感謝でした。

父もどうなることかと思いましたが、元気になってくれて良かったです。

闘病ではなく病気を受け入れて、健やかであってくれること、これから先の2人の時間を大切に過ごしていって欲しいなと願っています。

病める時も健やかに、気持ちが穏やかに過ごせますように。



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