吹きたい曲を吹いてみる
久しぶりにフルートを吹きたくなりました。
ピアノを弾く時に、先生から「歌うように」や「ブレス(息継ぎ)気にして」といったアドバイスを意識しているうちに、フルートを吹く感覚が、遠い記憶の中から思い出されてきて吹いてみたくなったのです。
40年ぶり?
中学生の頃に吹奏楽部でフルートを吹いていたあと、ちょっと遊びで吹いたくらいで、ほぼ触っていなかったのだけれど、ピアノの楽譜を違う楽器で演奏したらどんな感じがするのかな?と思って吹きたくなって、持ち出してきました。
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フルートってパーツに分解できて、キーの部分もメカニックな楽器なんです。
ケースを開いてフルートを組み立てて、ピッチを合わせます。
ピッチ合わせをしていたら、猫のコブも「おあああ」と鳴いているけど、共鳴?
フルートの周波数はコブの耳に気持ち良いのかな?(笑)
今日は湿気があるとか、空気が乾いていると音の高さが違ってきて、日によって調整するんだけど、私はこの音合わせが昔からすごく好きです。
楽器って木材や金属で作られていて、その素材によって音の性質が違ったり、楽器の音が変わってくるのが、楽器が生きてるなあって愛おしく思えます。
チューニングを済ませたら、いよいよ曲を吹きます。
指練習や基礎練習はしないで、とりあえず、フルートの楽譜をパラパラとめくって、「エーデルワイス」が目にとまりました。
これは小中の音楽の授業で、リコーダーを吹く時に必ず吹く曲。
久しぶりだから、初心にかえった気分で吹くのにピッタリじゃないか。
ようし、吹いてみよう。
知ってる曲だと吹きたいように感覚で吹いてしまいそうだけど、楽譜を見て、スラーやクレッシェンドや、ブレスの記号を見て、楽譜に書かれている通りに吹こうとしている自分に気がついて、ピアノで譜読みをしてることが身についてきてるなと、自分に嬉しくなります。
音は抑えるキーを指が覚えてくれていた。指が軽い。
ピアノの時は動かない指が動いてくれるのは、とても嬉しい。
フルートはお腹に力を入れて、唇と口周りの筋肉で音の高さや強弱をつけるんだけど、息は続かないし腹筋も肺活量も弱っているので、音はブレるし、息が持たない。
あはは〜。なんだコリャ。ダメだコリャ。って自分でもよく分かる。
でも、下手だけど楽しんだな。
つかえながらでも、曲を最後まで吹けたのはとても良かった。
今の自分が吹けるレベルで自分が心から吹きたい曲を吹くのも楽しかった。
どう吹きたいのか自分で決めて自分の好きな気持ちに素直に吹くのは気持ちいい。
映画のサウンド・オブ・ミュージックのエーデルワイスの場面を思い出しても良いし、
歌詞を心の中で歌いながらでも良いし、エーデルワイスの花をイメージしても楽しめる。
ピアノの時もそうだけど、易しくて短くて聴いたことのある曲だけど、美しい曲はたくさんある。こういった難しすぎない曲を、丁寧に演奏するのがとても楽しい。
難しくないけど簡単に演奏できるってことでもないところも良い。
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音楽はとても裾野が広くて、頂上がとっても高い世界。
プロの世界で活躍する音楽家や、天才と呼ばれる演奏家もいるし、自分の高みを目指す人もいる。
歌っても聴いても良いし、作曲するのも、それぞれの好きなように音楽は楽しめる。
私は、寄り道しながら、裾野の辺りをマイペースに音楽するのが合ってるんだろうな。
これからの楽しみが、また一つ見つかって嬉しい。
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