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映画『#スージー・サーチ』特別試写会 Supported by Spotifyイベントレポート

新鋭ソフィー・カーグマン監督の最新作『 #スージー・サーチ 』が、8月9日(金)新宿シネマカリテほか全国順次公開となります。

公開に先立ち、7月10日(水)に映画・音楽パーソナリティの奥浜レイラ氏とポッドキャスターの SHIBU 氏登壇のトークイベント付き特別試写会Supported by Spotify を開催いたしました。当日は、ポットキャストを配信する主人公のスージーにちなみ、50 名を超える現役ポッドキャスターを招待。試写会後には Spotify 主催による懇親会も行い、熱気溢れるイベントとなりました。当日の様子をレポート記事としてお届けします。

映画・音楽パーソナリティの奥浜レイラ氏と、ポッドキャスト黎明期となる 2006 年に音声コンテンツ制作を開始、複数の番組制作を続けるポッドキャスターにして株式会社雑談代表のSHIBU 氏を迎えたトークイベント。映画『#スージー・サーチ』の魅力を語り尽くしました!

奥浜レイラ「現代のヒッチコックが現れた」 「新しい才能と出会えて幸せ」 

招待客は 50 名を超えるポッドキャスターのみという、他に類を見ない試写会。上映直後の熱気あふれる客席から温かい拍手で迎えられ、奥浜レイラ(以下、奥浜)と SHIBU が登壇。ポッドキャストのヘビーリスナーでもあるという奥浜は、「今日、客席にいらっしゃるのが普段よく聴いている番組を配信している方たちばかりで恐縮です」と来場者の錚々たる顔ぶれに驚きつつ、笑顔を見せた。自身もポッドキャスターの SHIBU は、客席に顔見知りも多いとのことで、冗談混じりに「今日登壇するお話をもらって「いいですよ」と返事をしたものの、ポッドキャスターの皆さんの前で話すの、嫌だなってなりました(笑)」と笑いを誘った。

奥浜レイラ氏

ひと足先に映画『#スージー・サーチ』を鑑賞した奥浜は、「ネタの明かし方やスリラーとしての展開の持っていき方など、現代のヒッチコック現れた!と感じました」と、本作が長編デビュー作となる新鋭ソフィー・カーグマン監督の手腕を絶賛。さらに「主人公がポッドキャスターという設定や、彼女がしている歯列矯正の意味、承認欲求を得るためにしてしまうこと・・・など、同時代性を持たせつつもディティールが物凄くしっかり描かれていると感じました。映画ファンとして新しい才能と出会えて幸せだなと思いました」と、映画ツウの奥浜も、新たな才能に惚れ込んだことを明かした。

SHIBU「ポッドキャスターが近い未来、当たり前に受け入れられるかもと希望を感じた」

本作を観て、希望を感じたという SHIBU。その理由として「もし本作が、日本が舞台で、日本の監督で撮影された作品だったら間違いなくポッドキャスターではなく Youtuber になっていたなと。しかし、ビジュアルで勝負せずに声だけで勝負できるのが、ポッドキャスト。そこにも監督の意図が入っていると感じた」と、主人公の設定について推察。
それを受け奥浜は、インフルエンサーがいいね!やフォロワーの獲得に狂気的に魅入られていく類似作として、吉田恵輔監督の『神は見返りを求める』、アンドリュー・ガーフィールド主演の『メインストリーム』、ジョー・キーリー主演『スプリー』を挙げつつ、全て主人公が YouTuber だったことに言及。

SHIBU氏

SHIBU は、「いま、アメリカや海外のポッドキャスターの中には、何十億円プレイヤーが出てきているんですよね。だから、人気になりたい、稼ぎたいと思っているインフルエンサーたちがポッドキャストを選ぶというのは不思議ではない」と、海外と日本とでは異なる収益化の背景もあり、主人公スージーのキャラクター設定になったのではと解説。続けて「本作が日本公開されるタイミングでは、ポッドキャスターというものに馴染みがある人の方が少ないのが現状だと思う。でも、近い未来で当たり前に受け入れられるのかなと、希望を感じました」と、日本における今後のポッドキャスト界の一層の盛り上がりへ期待を込めた。
また、アメリカでは、トゥルークライム系ポッドキャスターが、独自調査の末にある殺人事件を再審まで持ち込むほど影響を与えて社会現象となり、爆
発的な人気に繋がったというエピソードも紹介。トゥルークライム系のポッドキャストが人気なアメリカでは、ポッドキャスターが未解決事件を解決するというスージーのキャラクターは、馴染みのある設定だと解説した。

予測不能な展開と演出。
SHIBU「もう一回観よう!と。凄く楽しみました」

話題がソフィー・カーグマン監督の手腕について及ぶと、SHIBU は「最初から素直に驚くところがたくさんありすぎて、え!あの人が⁉︎最後もそうだったの⁉︎もう一回観よう!と。凄く楽しみました!ネタバレを考えると、桃太郎で言うと桃から生まれたところくらいまでしか話せない(笑)」と、ネタバレ厳禁な予測不能な展開に衝撃を受けたと明かす。
また、事前に監督のインタビューも読んだという奥浜は、「監督はストーリーやムードボード、カラーパレットを作って、緻密に計算しているんですよね」と個性的な演出は全て徹底した準備によって構成されていると説明。
さらに、撮影前には週末に映画鑑賞会を開き、スタッフとイメージの共有を図っていたという。奥浜は「配色やカメラワークについては『アメリ』を参考にしていたとのこと。劇中でも色彩が統一されていて哲学を感じました。意外だったのがウォン・カーウァイの『花様年華』からもフレーミングなどの影響を受けたとか。主人公スージーの不穏さ、暗い部分を映すときに、彼女のアップや車のルームミラーに映る彼女の目だけを映すショットを散りばめていたのも印象的でした」と、細部までこだわり抜かれた映画表現に感心した様子をみせた。

左)奥浜レイラ氏、右)SHIBU

話題作にも出演する、若手実力派俳優に注目!

キャストへと話題が変わると奥浜は、「主演のカーシー・クレモンズは、DC コミック原作の『ザ・フラッシュ』の出演で人気が出たのですが、彼女を認識したのはちょっとオタク寄りのイメージの役だった『DOPE/ドープ』。あと音楽映画『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』での優等生的なキャラクターも本作で活きているように思えました」と、これまでの出演作が本作へと繋がっていると解説。続けて、「ジェシー役のアレックス・ウルフについて、有名な作品といえば『ヘレディタリー/継承』という恐ろしい映画で、コミカルなイメージがあまり想像できなかったのですが、ブラックコメディの本作で良い一面を魅せてくれたという印象でした」と、話題作に出演する若手実力派俳優の演技も見どころだと語る。

奥浜「鏡で自分を見せられているような瞬間もあったりする」、SHIBU「“バズり”や“承認欲求”に少しでも翻弄されたことがある人は絶対に観てほしい」

最後に SHIBU は「展開は複雑なことが起こっているが、明快にシーンが進
んでいくので、観やすい作品。きっと誰もがインフルエンサーになったら感じる希望や恐怖だったり、ポッドキャストはもちろん、他の SNS のアカウントを持っている人で“バズり”や“承認欲求”に少しでも翻弄されたことがある人は絶対に観てほしい
」と、SNS とは切っても切れない現代社会に生きる人たちにぜひ観てほしい映画だと力説。

映画『#スージー・サーチ』8月9日(金)新宿シネマカリテほか全国順次公開

奥浜は、「私たちはボタンひとつで“バズり”を起こすことができるツールを持ってしまっている。本作では、主人公スージーを複雑な人間として多面的に描いている。こんなことしちゃだめだよと思いつつ、スージーの中にあるものは自分も持っている、という怖い感覚もある。濃淡は人それぞれありますが、それは年齢問わず皆さんが持っている感覚だと思っていて。共感とは違うかもしれませんが、鏡で自分を見せられているような瞬間もあったりするので、映画館という人がいるところで観て、共感性羞恥的な感覚で観て欲しいなと思います」と連れ立って劇場へ足を運んでほしい作品だと言葉を結んだ。

Spotify 主催の懇親会で 50 名を超える人気ポッドキャスターが交流!大盛況のイベントに!

試写会の終了後には、Spotify 主催の懇親会を開催。50 名を超える現役ポッドキャスターが集った会場は、前例のないイベントに話題が尽きず、大盛況となった。普段交流する機会の少ないポッドキャスターたちは、お互いの番組についての感想を語るなど、今後の化学反応にも期待できそうな盛り上がりに。

現役ポッドキャスターのみを招待
Spotify 主催の懇親会

さらに、株式会社ズーム(ZOOM)によるポッドキャスト用の機材を紹介するブースや、同社提供による機材をプレゼントする抽選会も開催。また、映画『#スージー・サーチ』を配給する映画レーベル SUNDAE 担当者へのインタビューを収録できるブースも設け、普段聞くことができない映画の裏側について深掘りするポッドキャスターたちの姿も垣間見えた。主催である Spotify のスタッフたちにも積極的に話を聞きに行くポッドキャスターの姿も多く、貴重な機会を堪能している様子だった。

株式会社ズーム(ZOOM)による抽選会

また、映画『#スージー・サーチ』公式 SNS では、懇親会時にポッドキャスターたちの生の声を収録!試写会後の熱気冷めやらぬ、ポッドキャスターたちからの感想コメントと番組の紹介も後日 UP 予定!映画とあわせて、ぜひポッドキャストの魅力にも触れてみてはいかがだろうか。

『#スージー・サーチ』あらすじ

ポッドキャストで未解決事件の配信を続けるものの、なかなかフォロワーの増えない孤独な大学生のスージー(カーシー・クレモンズ)。ある日、保安官事務所でのインターン中に、インフルエンサーとして絶大な人気を誇る同級生のジェシー(アレックス・ウルフ)が、行方不明になっていることを知る。ジェシーがいなくなって1週間。独自の調査を始めたスージーは、なんとポッドキャストの配信中に失踪したジェシーを発見!番組は大きな反響を呼び、一躍脚光を浴びる存在になる。誰もが羨む名声を手に入れたスージーは、捕まっていない犯人を追って配信を続けるが、事態は思わぬ方向に転がっていき——。

8月9日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開


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