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おじさん化醸成プロセスへの考察〜アラサー経営コンサルの論考〜

はじめに

今回は、好奇心落ちているな(=もしかしておじさん化?)ということと、たまたま読み返していた「イノベーションのジレンマ」から、本原則がおじさん化を説明することにも関連しているのではないか?と考えたことを整理し、具体的にそれに対してどのようなアクションを実施していくとよいかをまとめてみた。

知らぬ間に流行や好奇心へのアンテナ感度が低下していることへの気づき

GW前後でゆっくりしていたり、友人たちと久々に出かけたりして気づいたことが実はかなりあった。結局、現地・現物・現実によりインスピレーションを得るのだなと実感する良い経験になった。

例えば、下記のようなことがあげられる。
・SNS全然更新していない(Facebook, Twitter, Instagram...)
・巷で、はやっていることについていけない
・最近の乃木坂は誰が誰だか全く知らない
・コロナ禍ではあるが渋谷のシーチャ(水タバコ)バーは連日満席

友人のうち一人は、自身で会社を経営しているといデジタルマーケティングをする中で積極的にSNSで発信していたり、飲食業とのつながりがある中でシーシャバーを知っていたりとなかなかに自分がいつも生きている世界と違い世界を生きているいて、非常に興味深かった。

そんなこともあり、自分は経営コンサルをしながらも世の中の"リアル"、つまりNewsで報道されていることとは乖離した状況や、消費者のニーズの変化を全然とらまえられていないのではないかと危機感を覚えた。BtoBのクライアントを相手にしているとはいえ、その先には消費者がいるわけで、消費者のニーズやトレンドを押さえられていないとコンサルできないなとも思った。

自分自身がSNSを色々使ってみると関連性などがより如実にわかってきた。
例えば、Youtubeを波及させるには、InstagramよりもTwitterのほうが導線として扱いやすいだとか、言葉の使い方を変えることでインプレッション数やエンゲージメント数が変わってきたりすることがわかった。
それに自分が伝えたいことと、見たい・読みたいと思っている人たちとのGAPも非常に大きいことを実感できた。

イノベーションのジレンマとは?

さて、ここでイノベーションのジレンマについて簡単に共有したい。(ビジネスパーソンならご存じであると思うがご容赦いただきたい)

イノベーションのジレンマとは、ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授により、提唱された「偉大な企業はすべてを正しく行うが故に失敗する」という原則のことである。

失敗の要素には大きく3つが考えられる。

①持続的技術と破壊的技術
「持続的技術」とは現状の製品やサービスの性能や品質を向上させるための技術のことである。
一方で、「破壊的技術」とは製品やサービスの性能や品質を引き下げる技術である。一部の顧客(イノベーター、アーリーアダプター)に支持されていくことで一気に市場に広まっていく。その過程で性能や品質も向上する。結果、いつの間にか持続的技術にとって代わる存在となる。

②市場の需要と技術の供給のミスマッチ
下記のグラフ (Fig.1) のように、持続的技術を突き詰めていくと市場で求められる技術レベルを超えてしまうことが発生する。
そして、破壊的技術によるイノベーティブな製品やサービスが優位に立つことになる。
例えば、消費者は、Sonyの高性能な多機能音楽プレイヤーよりも、Appleの最低限の機能を備えたiPodを購入することにつながった。

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Fig.1 持続的イノベーションと破壊的イノベーションの影響(本書より)

③合理的な投資
安定した企業は不確定要素が多い破壊的技術への投資ではなく、既存技術の改善に対する投資をすることに対して意思決定する。
なぜならば、破壊的技術は当初は性能が低く、対象となる市場が小さい。さらに大企業にとっての顧客とはターゲットがずれるからである。
大企業の顧客の声や要望を聞けば聞くほど、破壊的技術への投資とは遠のいてしまうのである。

さらに、「破壊的イノベーション」の法則として、下記の5つが原則として掲げられている。発生する事象を括弧内に私なりに補足してみた。

(1)企業は顧客と投資家に資源を依存している
(ので、無邪気に新しいことにチャレンジできない)
(2)小規模な市場では大企業の成長ニーズを満たせない
(ので、参入するに至らない)
(3)存在しない市場は分析できない
(ので、議論の訴状に上がらない)
(4)組織の能力を適切に活用できていない
(ので、何かできる人は新規事業も含めてすべてできると勘違いしている)
(5)技術の供給と市場の需要が等しいとは限らない
(ので、選択基準を見極めてフィッティングすることが必要)

上記からも大企業が合理的に考えるがゆえに破壊的イノベーションの法則に当てはまり、結局は乗り遅れてしまう事態につながっていることがわかる。

要するに、合理的に状況を踏まえて最善を尽くしていくが故に大企業は過去の栄光のレールの延長線上を歩き続け、気がついたときには「時すでに遅し」となってしまうのである。

おじさん化の醸成プロセス

ここで少し妄想を膨らましてもらいたい。
かつては意気揚々としていたビジネスパーソン(若者)が大企業での出世のために組織に染まるように生きてきたことにより、思考や行動が硬直化して、リスクが取れなくなってしまう。しかし、その思考や行動パターンにより、出世(=成功)するため、ますます思考や行動が正当化される。

加えて、30代にもなると結婚して、子供が生まれる家庭も多くなる。自身の時間というよりは、家族の時間が優先されるようになり、外界との接点が仕事以外に無くなり、新しいことについていけなくなる。

ひょっとすると、長い間、好奇心のアンテナの周波数が徐々に合わなくなってきているのかもしれない。

そして、気が付くと、まさに浦島太郎状態で、「TikTokって?」「坂道シリーズの〇〇さん、XXさん、見た目一緒なんだが・・・」となってしまう。
これがまさに「おじさん化」ではないだろうか。

つまり、「合理的に考えて、正しいことを正しく実施することにより、気が付いたときには世の中のトレンドや事情がわからなくなる」ことに帰結する。世の常とも言えそうであるが、本文ではこの常に逆行するための施策を述べたいと思う。

アンチおじさん化

逆行する術、これこそが「アンチおじさん化」であり、おじさん化への私なりの処方箋である。具体的にどのようなアクションをしていけばよいか?を私なりに考えてみたので、シェアしたい。

①新しいことに"とりあえず"手を付けてみる
仕事でも後回しにした仕事はなんとなく、締め切りのギリギリまで手を付けるないようなことになりがちである。しかし、仕事を振られたタイミングで5分でも手を付けてみると、後から入り込みやすくなるし、意外に順応しやすいと思う。(と、私は経験上で感じている)

まさに同じ理論で、新しいことは毛嫌いせずに試してみる、調べてみるようにすることをお勧めしたい。一度、接点があれば後から必要になったときに取り組む心理的なハードルが劇的に低くなる。

プラクティカルに言うならば、「飲み会やイベントに誘われたら1回目は参加しておけ!」「面白そうと思ったのなら買ってみよう!」である。

②自分から発信する機会を増やす
自分から発信することは非常にエネルギーがいるし、発信するとなればそれがSNSであろうと「この情報は倫理的に発信してよいのか?」「ソースやロジックは正しいか?」「何が言いたいのか?」「なぜそう言えるのか?」を自問し、裏どりすることになることで知らず知らずのうちに、能動的なインプットをすることができているといえる。

アウトプットすることで、コメントやリアクション(よい、わるいはさておき)があるので、自身が発信したことに対する仮説検証を実施できるのである。
きっと、5年前とは同じ内容を発信したとしてもトレンドが変化しているので反応は変わるだろうし、切り取られ方も大いに違ってくるはずだ。
それらを肌感覚で知るためにも自分から発信することは有益だと思う。(率直に言うと、私がnoteを始めたきっかけの1つがまさにこれにあたる)

プラクティカルに言うならば、「テキスト派ならTwitterで1日1回tweetしよう!」「写真派ならInstagramで1日1回ポストしよう!」である。


                  ~Our journey will still continue.~ 

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