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エニアグラムプライマリーコース✨~自ら学び続けるその先で、学ぶ人たちに伝えたいこと。日本エニアグラム学会専任講師・谷口さんの場合。

【エニアグラム プライマリーコース】

谷口ちささん:HRリサーチ・コンサルタント。2015年6〜7月 自主プライマリーコース受講。

2023年度からエニアグラムの老舗団体・日本エニアグラム学会(以下学会)で専任講師を担当することになった谷口さん。エニアグラムを始めたきっかけはキャリアカウンセラー資格であるCDAの向上研修で学んだことでした。その後、SunBirth2の自主プライマリーコースを受講。長く学び続けてきた理由と、学ぶ側から伝える側になったとき、何を大切にし何を伝えたいかを尋ねました。
*プライマリーコースは日本エニアグラム学会の初級コースプログラムで、認定ファシリテーターは自主開催することができます。
(インタビュアー:わたなべまりこ)
 
―エニアグラムを始めたきっかけは、CDAの向上研修だったんですね。その後、私たちのプライマリーコースに参加してどうでしたか?
 
向上研修でタイプ8と分かって参加したので、タイプを探す必要はなくて。でも心の中のフタがパカパカし始めて……。(自分の中を)見たくない、でも見たい。開けたくない、でも開けたい、とすごくアンビバレントな気持ちになって。開けたら怖い、どうしようどうしようって思いながら家に帰って、そこでまたいろいろ思い起こしたり。外であんなに活発なのに、家のソファで1mmも動けない自分に気づいた。これは何かフタの奥と繋がっていそうだぞ、恐い恐い……そんな感じ。
一人だと気づけないからってみんなのところで話してる中で……。
 
―フタが開いたんですね。
 
もう、あかん!(笑)って。
自分とこの人は違うし、あの人はこういうところに感情が働いてる、頭が働いてるとか。じゃ自分は何なんだろう……と言ってるうちに、パカーン……って。
 
―号泣してましたね、膝抱えて。
 
「弱いっ!」って……ものすごく消えそうな、紫の炎が心の中に見えちゃって。死ぬー!って。私は強い、強くなきゃいけないから……でも(自分の中の弱さを)見ちゃった、どうしよう。泣くしかない。ずっと奥の方にキープしていたのに、上の方に出てきて。
 
―弱さに気づいて、そのあとは?
 
開くまで辛かったけど「あるんだ」と思ったら楽になった。ああ、だから踏ん張りすぎたり意固地になったり、頑張りすぎたりしちゃうんだ。ここにある「弱さ」に気づいてようやく分かった。あのときの感覚と、弱くて小さくて紫の炎があるんだって、それ以来ずっといつもイメージしている。
 
―絵を描きましたよね。青紫のちっちゃい炎。
(*エニアグラムでは絵を描くワークがあります)
 
描きました。その後も描いています。それを存在として見ちゃったから。描くことで存在を認めて、この子とどう付き合っていこうかな、って。しばらくちゃんと絵の中に入れていくというのが重要な作業だった。

―弱さを認めるって? 弱さは隠したいもの?
 
隠したいとつい思う。けれど、それがやりすぎにつながる感じがあるから、自分の中にある弱さを浮上させる。
 
―プライマリーは3日間しかないのに、そこまで内面を見たんですね。自分の中で何がどう変わりましたか?
 
プライマリーは人生を変える3日間です!
まだまだ怒ってばかりですけど(笑)。でも、なんのためにこの行動をとっているのか明確になりますよね。私はあの子(自分の弱さ)を守りたくてこれをやっているんだとか。どんな行動でも自分がやりすぎているときにはそこに戻ってこられる。
 
―やりすぎていいことないですよね。
 
ないない。孤独になる一方だし、壁が厚く高くなる。人間関係がよろしくなくなる。今は壁もまだまだありますけど、これ以上高くしない、これ以上ぶ厚くしない、という感覚があります。たまに扉を開けてみるとかね。
 
―ずいぶん生きやすくなったのでは?
 
生きやすい。(それまでと)全然違う。なんでみんな学ばないのかと。私は学校の必修科目にすべきだと思う(笑)。

自分の弱さを守ろうと、
必死に強くあろうとして。
それが結局、人を遠ざけて
自分を孤独に追いやる。
でも、それも自分。責めなくていいよと
エニアグラムは伝えてくれる。

―(タイプ論では)案外他の人のタイプに意識が向いて自分のことには向かない。でも、相当自分に向きましたよね。 

相当向きましたね。絵を描いてしゃべって質問されたら、考えざるを得ない。そういえばなんでこの色使ったのかな、とか何でここに描いたかな、とか、他のものでもいいはずなのになんでこれを選んだかな、とか。ワークの構成がそうなっているので、必然的に向き合わざるを得ないし、そこから見えてくる発見がだんだん面白くなってくるのかな。最初は人のことだったけど、やっていくうちに自分の発見も面白いし、他の人も面白い、ってなっていったかもしれないです。

 ―最初は面白いというだけで学んでいて、そこからファシリテーター(FA)になろうとしたのは? 今度は講師になろうというところじゃないですか。 

結果的にそこまで行った、という方が近いかな。もっと勉強したいとか、もっといろいろ知りたいと思って、FAもいつかできたらいいなって思っていたけれど……あまり具体的に自分がファシリテートするイメージはしていなくて。ただただ面白いからこういうことやりたいと学会に提案して、じゃあ、手伝ってください、とやっているうちに(講師にならないかと)声かけていただいたかな、と思っているので。そこを目標にめちゃくちゃ頑張りました、というよりは自分として面白いことを続けてきた結果、そうなったということ。 

―学んでいて、その延長線上に講師という役割があったということですね。学んでいた側から学びを伝える側になるときに、何をどう伝えていきたいですか? 何を大切にしたい、とか。 

根底には、「あなたは自分のタイプを大切にしてください。あなたはあなたでいいんです」っていうことを常にメッセージとして持っておきたいですね。もちろんそれぞれのタイプで悩みはあるんですけれど、そういうのもひっくるめて、あなたはあなたで素晴らしいんですよと伝わればいいかな。それを前提に理論を伝えるときは伝え、受講者とやりとりをする。すべてそこをベースにしたいなと思っています。

今回のインタビューは
谷口さんの故郷・高知県で行われました。
土地の空気が合うのか、
活き活きと語る谷口さん。

―いいことも悪いことも、自分の中にあるじゃないですか。参加者にしてみたら、そのままでいいって言われても許せない、ってこともあるでしょうね。
 
私もあったし、今も時々なんでこうなんだろうって思う時あるけど、それもひっくるめて自分らしさだよね、とか、あなたはあなた自身であることが大切なんです、ってことをやっぱり思っていたいかな。
 
―それがわかるようになるには結構長く…
 
かかりました! だって、腹が立つものは腹が立つじゃないですか(笑)。今も、神のように消化したわけではないですけど(笑)。でも、ずいぶん減ったなと思うし、今ってそういうタイミングなのかな、くらいの感じに受け止められることが増えた。相手も自分も。
 
―自己理解のためのツールってエニアグラムだけではないのですが、エニアグラムは何が秀でていると思いますか?
 
他のツールを悪く言う気は全くないですが……例えば、自分の良いところだけにフォーカスするのは不自然な気がするんです。その裏にある弱みとか、表裏一体の部分とか。人間をまるごと捉えようとしたときに、良い面も悪い面もある。同じ性質が良く出るときも悪く出るときもある。エニアグラムは学びを深めれば深めるほど、1つのタイプを多面的に見ていくことにものすごくリアリティがあるというか。

他のツールを使って研修講師もやっているけれど、チェックリストだけで何かを判断することの限界みたいなものはある。チェックツールがすべてじゃなくて、それを元に自分を見つめていきましょうというエニアグラムは、決めつけの無いやり方。だって、ストレスの方向のタイプですら悪いって言わない。セイフティネットだったりもするし。
( *エニアグラムでは、ストレスがかかると自分のタイプではないタイプの特徴が表れると言われており、自分のタイプによってストレスの方向のタイプも決まっています。)
 
―良いも悪いも含めて全部自分だからね、という優しいツールでもありますね。最後に、これからエニアグラムを学ぼうかとか、プライマリーコースを受講しようかと考えている人に対してどういうことを伝えたいですか?
 
誰かとのコミュニケーションに悩んだり、それが上手くいかないと思っていたりするのであれば、受けた方がいいですよ、っていうことですかね。それは、家族でもいいし友達でもいいし、同僚、上司でも地域のコミュニティでもいいんですけれど、どこかで何かうまくいかないな、と。でもこの人とうまく行けば、例えば仕事がやりやすくなるとか、家族が円満になるとか、コミュニティが円滑に進むとか。健全な方法で、信じられないくらい人生が良くなるという感覚が私にはあるので……そこに希望を持っていただけるなら、ぜひ受けてください、という感じです。
 
―ありがとうございました。

*記事中の役職・役割等は取材当時のものです。
 

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