「雨降る日に」140字小説

ふと窓を見ると、向こう側の景色を隔てる硝子に、一滴、雫がぶつかった。そう思っている間に、雫は見る間に増えて、幾筋もの流水になっていく。不安そうに窓を見る彼女は、確か傘を忘れていたはず。…下校時刻。言うのだ。きっと言うのだ。僕は、傘を握りしめた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?