「伝わる言葉。失敗から学んだ言葉たち」 読書感想

須江 航 監督の著書 『伝わる言葉。失敗から学んだ言葉たち』 を読んだ感想を書きます。

私は、指導者やリーダーではありません。そして元球児でもありません。そんな私が、なぜこの本を読もうと思ったのか、その目的から書いていきます。

仙台育英学園高等学校硬式野球部が、2022年夏の甲子園で東北初の優勝を果たしました。その監督として注目を浴びたのが須江 航監督です。
仙台育英高校が優勝した背景には、須江監督のどのような指導法があったのか?それを知りたいと単純に思ったのが目的です。
どうすれば甲子園優勝に辿りつくことができたのか?この本を読んでいくつかのことがわかりました。その中でも、私が重要と感じた3つの学びについて、まず書きたいと思います。

〈学び〉
1、この本のタイトルにあるように、須江監督は野球部の生徒たちに、”伝わる言葉”によってコミュニケーションを行ってこられた。


部員たちとの関わり方、言葉を伝えるタイミングや、どんな言葉をかけるか。このことに重きを置かれていました。この言葉の大切さが表れていたのは、目標とするスローガン「日本一からの招待」と言う言葉です。(P60) 須江監督は、前任の仙台育英学園秀光中等教育学校でも硬式野球部の監督を務め、全国中学校体育大会で初優勝を果たされています。この時にも、この言葉を掲げられていました。この言葉の表す意味とは、「すべての取り組みが日本一に相応しいレベルに到達したとき、日本一から招かれる」という考え方です。他にも、毎年の方針を一つの言葉に決めて、その言葉をグラウンドに掲げ、常に見えるようにされていました。このことからも、言葉の持つ力を強く感じることができました。


2、選手一人ひとりに、チャンスを与える。同じ環境で競わせる定期的な測定会を行い、そのデータにより実力を図り、ベンチ入り18人を決定すると言う方針。(P85)

1学年には、30名ほどの部員がいるとの事です。この中の誰もが、そのチャンスを公平に与えられています。これにより選手一人一人が目標を持ち、能力を向上させるための取り組みができると思いました。また、お互いにライバル視しながらも、切磋琢磨しトレーニングを積んでいく。この公平な競争がチームの中で活性化することにより、チーム力を向上させ、果てには全国に通用する力が培われていくものと学べました。

3、試合に負けても、そこから学ぶ、と言う姿勢。

試合があったときに、その振り返りのためにノートを書かせておられました。これは、ご自身の経験からもこのことの大切さが書かれていました。高校生の時に野球部でレギュラーになれずに強烈な挫折を経験された須江さん。そこで失敗してきた経験が、今の指導方法にも活かされていました。(P36)監督の采配においても、失敗を次に活かされて来たからこそ、甲子園で優勝出来たのだと思いました。(P50)失敗をそこで終わらせれば、単なる失敗で終わり、成長は無いと思います。けれど、その失敗から、どうすれば次は同じようにならないか、次に何をすれば良いのかを考え、足りなかった所を潰すようにしたりして取り組んでいく。それにより、されに上のステップへと向上していける。これが成長につながるのだと思いました。
そして、甲子園優勝の日の夜に選手達に話されていた、”甲子園で優勝した事を、人生のハイライトにしてはいけない”と話されていたのも印象に残りました。

<To Do> 
先にも書きましたが、私は指導者でも、リーダーでもありません。ですが、私の子どもとこれから接していく中で、伝えたいことが出てきたときに、どうしていったらいいかと言う事についてのTo Doが浮かびました。それを書きたいと思います。

1、子どもに伝わる話し方をするようにする。

これは、須江さんにもお子さんがいらして、また生徒を教えておられます。こういった若い世代の人に話をしていくときに、須江さんは、彼らがどんなことに興味を持っているのかを知るのに、話題になっている漫画やアニメを読み、それをうまく活用しておられました。(P64) その漫画に出てくる言葉を、生徒に伝えたい言葉を送るときに、うまく使っておられました。このことからも、子どもの興味や考えを知るためにも、子どもが観ているアニメや漫画を一緒に見ていきたいと思いました。そこで普段の信頼関係を気づきながら、共有したアニメの言葉を使って言葉かけをして行きたいと思いました。

2、自分が話す前に相手の話をしっかり聞く、と言うことから始める。

一方的に自分が話したいタイミングで話しても、相手は聞いていなかったり、伝わらなかったりすることがあるというのを須江監督の話から分かりました。なので、相手がアドバイスを必要としているタイミングに、必要な言葉をかけられるようにしていきたいと思いました。そのためにも相手のことを知らなければならないなと気づきました。何に困り、何を知りたいと思っているのか。子どもの話をまず「どう?」と言うふうに声をかけ、聞いていくようにしていきたいと思いました。(P48)

3、人生は敗者復活戦。

負けてそこで終わりではない。負けて学ぶことに意味があり、成長があると言うことを知りました。大人になった今からでも遅くないと気づきましたので、これからやったことのない事や、やりたかった事にチャレンジをしていきたいと思いました。そして、そこで失敗したらそこから振り返り、学びを得るようにしていきたいと思います。
自分にはできない、と諦めていたようなことでも、今からでも遅くないと思いました。そのように気持ちを切り替え、ちょっと難しいことにチャレンジしていくようにしたいと思いました。

〈最後に〉
本書を読み終えて、終わりのほうに書かれていました、”私という人間は、今日まで出会ったこれら多くのひとたちから出来上がっている、いわば人造人間のようなものです。多くの皆さんのエッセンスおかげで今日があります。”と言う言葉。そして、それらの方々への感謝の言葉が書かれているのを読んで、うるっときました。そこでいろいろなことを教わり、ときにはぶつかった事もあるでしょう、失敗したり共に競いあった仲間もいらっしゃった。これらの出来事もしっかりと胸に刻み、感謝を述べておられたことに感動しました。

私も同じように、これまでいろいろな方々にお世話になり大人になってきました。保育園、小学、中学、高校、大学の先生方、親、兄弟、親戚、友達、ここに簡単には書ききれないほどの沢山の方々のお力を受け、支えられてきて今の自分があり、生きてこられたのだなと言うことに改めて感謝する気持ちも湧き上がってきました。
私も今まで出会ってきた方に教えてもらったことや、励まして頂いた言葉を糧に、これからは、誰かの少しでも役に立つようなことができたり、力になるような言葉をかけたりできるような人間になりたい。そんなふうにも思いました。

須江監督、この本を書いていただき、本当にありがとうございました。私は、元球児ではありませんし、東北より遥かに遠い地方に住んでいますが、さらなる、ご活躍を応援したいと思います。

 
本書には、私がここに書きましたこと以上に、たくさんの学びがありました。私の読解力また、文章力不足により、解釈間違いや分かりにくいところもあったのではないかと思いますが、ご了承いただけますと幸いです。

そして、私のこの読書感想から、本書 『伝わる言葉。失敗から学んだ言葉たち”』を読んでみたいと思っていただければ嬉しく思います。

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

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