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他でもない、あなたについて 【人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?】

ブランドンは妄想型統合失調症で、頻繁に幻聴を患っていた。
(中略)

「頭の中の声が聞こえることはありますか?」

ブランドン「いつもだ。たいてい、ひとりでいるときにやつの声が聞こえるが、そうでないときでも話しかけてくることもある。『黙れ』と怒鳴りつけるとましになる。邪魔してやるとやつはしゃべれなくなるときもあるんだ」

「『やつ』とは誰のことですか?」

ブランドン「『ジェラルド』っていう、ろくでなしさ。FBIの人間だ。ぼくをつねに監視している。なんでも知っているんだ。子どもの頃からさ。——ほら、脳にチップを埋め込まれたんだ。なのに、ここの医者たちは、スキャンしても何も見つからないって言うんだ」

———『人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?/エリエザー・J・スタンバーグ』p210,211

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2,374字
感想文であり、推薦文であり、手紙でもあります。内容は読んでくださる方への秘密の合図のように、大好きな宝物を教える子どものように。単に紹介するだけでなくて、観た作品を思い出しながら、「この台詞よかったよね」「同じ場面で感動したよ」「私はあまりわからなかったな」と、テーブルを囲めるような、そんな内容にしたい。読んでくださる方の生活に無かったはずの出会いがあると嬉しい。そういう場所で、ぼろぼろ泣いた映画のことや、すごい音楽のこと、心震えた一文について、ことばを暑苦しく綴りたいと思っています。

せみのぬけがら

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