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おへそ 海にいて朝焼けを見る ほんとうに朝と私と海だけがある たましいの重さの限り眼をつぶる母のおへそをつらぬくように 些細な声も手放せないねふるさとの位置も確かになってしまうね 会いたいひとがまだ生きている世界にはなるべく器をふやさなければ 朝焼けのなかを歩いて毛があってもおかしくはない手の甲ゆらす □
ひとりになれば案外冷やし中華など食べないことの大きな川だ 全身がユニクロだけど下着だけは無印良品みたいな感じ ひっそりと昼夜逆転なのだったハムスターでも飼いたいのだった 桜の葉はりつけてゆく顔面のそれはもうねぇまばゆかろうて 冷凍の米をぴかぴかチャーハンに変えゆく時はいつもうれしい
『相槌』武田ひか 信号がかわるまで待つ対岸の花になるまで手を振ろうかな 海沿いに伸びている道あるきつつ瓦礫のごとく冷える指先 冴えていく感じがあって 図書館の生まれる様を誰も知らない 蟹鍋の祭りをひらく日取りだけ決まって道は帰路へと変わる 君の打つひどくあかるい相槌に火傷のような部分があって