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短歌 作品

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つくった短歌の一部です、ときたま思い出したように更新します よかったら感想おしえてね!
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2023年9月の記事一覧

鴨鍋 【短歌七首連作】

鴨鍋はまきもどされてとぼとぼと鴨が神話をしょってくる景 満天の星がうらやむ祝言にほてってやまない眼が並んでる 懺悔懺悔六根清浄やまびこはいまだいまだにまぐわっている なまもので皿は一面ぬるぬるに生き血を吸ったりするわけないよ あおくびをこっくりゆらすみたことがあるかい恋は絶壁である よく来たね 花をあふれて嬌声をあげながらゆくこの世の川を 一匹がはぐれて泳ぐ でも君ははぐれていないと思っていたわ □ 2023年11月に行われる文学フリマ東京で頒布予定の本にもこ

JOLENTA WYDAWCA 【短歌七首抄】

ずっと手を振る人たちが遠のいて見えなくなってその繰り返し 硝子片ひろってあるく夕まぐれ何度踏み潰されたのだろう 火刑すらねじ伏せる眼だ掴み取るようにあなたも空を見上げて 遠さへと眼の焦点が合ってゆく釦をはめるようだと思う 硝子瓶叩き割る手を叩き割る手を見つめればかがやきのさなか 星月夜 くつがえることばかりだね背中に薄い手が触れている 乾いている指に指輪の真鍮のいのり そろそろ日がしずむころ ■ わたしは拷問をうけたことがなくて、その痛みを想像できない。彼女が