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短歌 作品

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つくった短歌の一部です、ときたま思い出したように更新します よかったら感想おしえてね!
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2022年11月の記事一覧

生菓子 【短歌十五首連作】

私の生家には仏壇のすこし見えにくい位置に、エコー写真が置かれている。それに気づいたのは、仏壇を覗けるくらいに背が伸びたころだった。 ■ 『生菓子』 日向にも井戸にもやがて配られて君へしずかに降る変声期 一九九五年 心臓の台座のごとく生菓子は座す ホールケーキを生菓子とよぶ母親のもとへ生まれてしまって真夏 つるつるの部分にふれる 兄さんの年齢の数だけ母は火を 文鳥に骨格がある寂しさよ 花垣をつらぬく滑り台 お祝いをのべれば長くなりそうにゆっくりと時間はとろけだす