第34回:砂子塾長の熱血ドラテク持論
ブランパンGTワールドチャレンジ アジアの日本ラウンド鈴鹿/富士は4戦中2勝にとどまる
2年目のブランパン・ワールドチャレンジアジアはマレーシア、そして、タイラウンドを終え、4戦中3勝をマーク。順調な展開で母国凱旋。鈴鹿へ。
ここ鈴鹿でも好調変わらず、Q1、Q2ダブルポール。レース1も木下アニキからトップで引き継いだ後半。ドラチェン時にフロントタイヤ2本を交換したこともあって少々オーバーステア。真後ろには#77 AMGのエグいブロックをするオージーだ。前々回のコラム参照↓↓↓
このオーバーステアも数ラップの我慢でバランスも取れるだろう。0.8秒差を1.2秒差に広げたヘアピン。インを刺すのは完全に無理な距離感だが「あぁぁ、来やがったぁぁぁ」。
AMGミサイルが左リアフェンダーに! 覚悟していても間に合わないほどの衝撃。スピンしたものの、走り出すと「あり? 何もない?」と思ったバックストレート。130Rを目前にした227km/hで、フェンダーインナーがリアタイヤに干渉してバースト。
「ぎょえぇぇぇぇ~」
何とかマシンを必死にコントロールし、ピットに向かった。レース後、怒り心頭のところに、そのオージーが、
「レーシングアクシデントだ」
「仕方がない」
といって握手を求めてきた(ちなみに#77はその後、ドライブスルーペナルティを喰らっている)。
「はぁぁぁぁ~?」しかし、オレも大人になったものだ。グッと怒りを押し殺した。チームオーナーのフランクさんは平謝り。フランクさんは何も悪くない。悪いのはあのドライバー。
翌日のレース2.スタートはオレ。隣のセカンドポジションには#77 AMGのあのオージー。木下アニキはグリッド上でAMGのフェンダーあたりを手でコンコンと叩き「この辺かぁ?」とブツケルしぐさをする(笑)。
十分なプレッシャーを与えてからスタート。横並びになったが、もちろん、ぶつけない。1周1秒ずつ引き離す。
『ブッチギリの刑』
これが判決だ。お前など相手にならない。
レース後の勝利者インタビュー。「EASY.So EASY!!」いい放った(笑)。
それから2週間後の富士。BOPが発表された。我々BMWは、20㎏重量プラス&1段階下げられたローブースト…。チームは「あのインタビューが効いたのか…」と苦笑。
富士の金曜日のオフィシャルプラクティス。遅い!ストレートスピードは昨年と比べ、8km/hも低い。ヤバッ!
土曜日の朝。Q1、Q2は結局ダブルポール。何とかなるかも。
迎えたレース1、前回の鈴鹿優勝のサクセスペナルティが15秒。2位だった因縁の#77 AMGとは5秒。スタートはアニキ。順調に引き離すも、遅いGT3となぜかバトルに(笑)。
一時は7秒あったビハインドも気づけば3秒。ドライバーチェンジを終えると、3秒前に#77。猛プッシュで0.8秒差に。
しかし、これまたGT3と、絡むタイミングが悪過ぎる。今回からフランクさんの体調不良で、代わりに乗ったドライバーは、あのオージーより速く、なかなかクレバー。追いついたり離れたりで、捕まえきれず、無念の2位フィニッシュとなった。
迎えた翌日のレース2。スタートはオレ。#77に先行を許すも、バトルの末にトップに返り咲くと、相手のミスもあって、5勝目をゲットした。
インタビューでは「Very difficult, very tough…」というつもりだったが、インタビュー来ず(笑)。
結局、絞られたBOPにも関わらずポール・トゥ・ウィンを達成してしまった。残り4戦も、このBOPのままだよね…。
残りは韓国・中国ラウンド。あと2勝すれば、チャンピオン確定だが、厳しいBOP。チャンピオンが決まったら、また、インタビューでいおう!
「Very easy! Easy victory!!」
そしてつけ加えよう。
「Because BMW and the driver are great!!」
英語ひと口メモ。日本語の朝飯前は英語で「piece of cake」という。ケーキをひと口食べる程度のこと。チャンピオンを獲ったらこのフレーズも使ってみるか(笑)。
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