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LA LA LANDをみて二度目の失恋をする

Netflixでようやく「LA LA LAND」をみた。
みよう、みようと思いながら、上映が終わってしまい、パソコンの画面で深夜、一人でみたこの映画。
だが、これは映画館で見なくて良かった!

だって、まさかこんなに号泣するとは思っていなかったから。
むせび泣いたと言っていいくらいだ。

ミアとセブが出逢い、恋に落ち、そして別れるまで。こうして文字にしてみると、なんとありきたりなストーリーなんだろう。
その恋物語じたいも、他の恋愛映画に比べると、それほど大きな紆余曲折があるわけではない。

なのに私は、セブ役のライアン・ゴズリングにたいそうブロークンハートな気分になった。

彼がとてもタイプだからというわけではない。いや、もちろんタップダンスもピアノのシーンもとてもカッコ良くしびれたけれど、なんだろう、この寂しさは。
でも、この感覚になんとなく懐かしさを感じる。

そうだ!
私は二度、映画をとおして彼との恋を失っていたのだ。

もう一つの映画。それは、2010年にライアン・ゴズリングが出演している「ブルーバレンタイン」。

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この映画は、若い二人が出逢い、結婚して、別れるまでを描いている。

二人の関係性は違えども、愛が始まり終わるまでの時間の残酷さを、「LA・LA・LAND」は軽快に描き、「ブルーバレンタイン」はリアリティを持って描いている。
だが前者の軽快さは、逆に時間の移ろいの無慈悲さをあらわにし、その失われた、だけど手にしていたかもしれない夢の儚さを強調する。

対して「ブルーバレンタイン」は、二人の関係性が時間とともに少しずつ崩れていく様子を丁寧に描く分、もう二度と戻れないことを私たちに納得させていく。

このように同じ相手との別れを、別の角度から、しかもグイっとえぐられたようで、なんとも切ない気分になった。かと言って、これが夢も愛も成就する物語であったら、こんなに泣けたりしなかったはずだ。
なんにせよ、ライアン・ゴズリングほど、愛した人に去られるシーンをあんなに切なく、色っぽく演じられる俳優はいないのではないだろうか。

最後に、もうひとつこの二つの映画の共通点を。
それは、どちらのカップルにも二人の思い出の曲があったこと。
「LA・LA・LAND」は、ミアとセブが出逢ったとき、そして別れのシーンでセブが演奏していた
「ブルーバレンタイン」では、Penny and the Quartersの「You and Me」

二人の別れをより切なく、悲しく響かせていたこの二つの曲だが、同時により一層美しく、余韻を残していた。

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