見出し画像

暗色

生活空間にある物の色がだんだん黒になってきた。昔からシンプルを好んでいたが、それでも白や明るい色を基調とした落ち着いた部屋だった。持つデバイスも白一択といった感じで、とにかく白を好んでいた。

「携帯電話」は、持ち始めた小学生の頃からずっと白色を選んできた。最もシンプルな白。今思うと、白は他の色と同様に気分を明るくしてくれていたのかもしれない。

現在のiPhoneは黒だ。MacBookも、服も、ベッドも、その他の家具も、使うもの身につけるもの何もかもが全てが今は黒だ。先代の白いiPhoneは衝動的に叩き壊してそのままだ。

単純に好みの変化と言ったらそれまでかもしれないが、それでもここまで黒一色になるのは自分からすると大きな変化だ。何がそうさせているか、わざわざ深掘りするつもりはない。単に、そうなったというだけだ。病気だとかジェンダーだとか、どうでもいい。

暗い色は別の安らぎを与えてくれる。白は、私にはもう眩しくなってしまった。
明るい話題も、明るい色も、明るい音も、全部、私にとっては苦しいだけだ。


明るい場所だけで人は癒やされるわけじゃない。暗い場所には暗い場所なりの癒やしが存在する。どの癒やしを求めるか、それだけだ。それは誰にも否定させない。

なのに、暗い場所だと、そこに誰がいるのかわからない。確かにそこにいるはずなのに、私も、あなたも、ここにいるのに。わからない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?