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変化
何年かぶりに家具を一つ新調した。私にとっては大きな決断であり、家具が届くまで珍しくドキドキと過ごしていたが、いざ届いて組み立ててみると、その感情はいつの間にか消えていることに気づいた。
新しいものには胸が踊るものだ。ワクワクするものだ。
年齢なんか関係ない。たとえ一つの家具でさえ、今までとは違う生活になるのだろうと、そう思うものだ。私も例外ではなかった。
自分でも分からない。不思議なのだ。苦楽の数年間を共に過ごした家具を捨て、新たな家具を出迎えたというのに、何故だろう。なんとも思わない。ただ家具が変わったという当たり前だけが残った。家具の後処理も淡々としたものだった。
期待しすぎているのかもしれない。新しいものという一見非日常のようなものに、自分が入り込むことを期待しているのかもしれない。外が内を変えてくれると、期待しているのかもしれない。
そんなものは結局期待という名の幻想に過ぎない。家具が変わったところで、環境が変わったところで、自分が変わりたいと願わない限り何も変わることはない。外に変化を望むということはそういうことだ。
新しい家具を見て何も思わなかったのは、そういうことなのかもしれない。
変化は既に、己の中で開花しつつあるのかもしれない。
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