北海道紀行 肆日目
さて、知床4日目。久々のベッドでしっかり休み、朝食バイキングに舌鼓を打ち、本日は羅臼→ウトロ→知床斜里→網走とバスと電車を駆使して移動する。
ウトロから知床斜里行きのバスまで時間が余っていたので昼食を道の駅うとろ・シリエトクでいただく。公共交通機関の時刻表に振り回されるこの旅では何度もこの道の駅にお世話になった。ちょっとした時間をつぶすのにちょうどいいのである。
写真だと全く分からないがバスターミナル近くを流れる川には大きな魚が遡上してきていた。おそらく樺太マスであろう。市街地の中を流れるこんな小さな川にサケやマスが遡上してくるとはさすが知床である。
4日間お世話になった知床半島とのお別れ。電車はもちろん風情のある一両編成。知床でのバス同様ガラガラかと思いきや、鉄道好きらしき人たちでかなり混みあっていた。夕日の差し込む一両編成が大自然を駆け抜けていく。こんな疲れ果てたバックパッカー姿の冴えない女ではなく、黒髪をたなびかせるセーラー服の文学少女だったらきっと絵になっただろう。
網走到着。この日はドーミーインに一泊。何を隠そうゲストハウスのようにこじんまりとしていない、一般的なホテルに一人で泊まるのは初めてであった。こぎれいなフロントに薄汚れたバックパッカー姿で入るのはかなり抵抗があった。がしかし、ここにきてようやく大浴場、それも温泉につかることができた。ユニットバスやシャワーでも汚れは落ちるが疲れまでは癒せない。北海道の露天風呂は、つかるのが先か凍え死ぬのが先か、といった緊張感が生まれるほど風呂までが寒い。その寒さが北海道に来た実感をくれるから私は結構好きである。
風呂を堪能し、夜鳴き蕎麦で腹を満たし、セコマで北海道限定のサワーを買ったら、夜は東京の友人とオンライン麻雀に勤しむ。卓を囲んでの手打ちにはかなわないが、離れていてもできるのがオンラインのいいところである。翌日朝早いと知りながらもやめられないのが麻雀である。ホテルのWi-Fiでオンライン麻雀とどうにも旅人らしからぬ夜を過ごすのであった。
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