雑記:『よう実』12話のガチ過ぎる戦闘シーンについて語りたい

今期、作画崩壊のほうで悪目立ちしていた『ようこそ実力至上主義の教室へ』。その『よう実』が、なぜか格闘シーンで神作画を見せたので雑記を残したい。

「総合格闘技を見るのが好き」レベルの知識しかないが、そんな素人目でも「格闘技アニメ(漫画)かな?」と思わせる、スタッフの異様なこだわりが感じ取れた。

なお、原作は未読なので、その点はご了承ください。

綾小路のガチすぎる格闘スキル

基本的に格闘マンガ原作でもない限り、格闘シーンはわかりやすいパンチやキックで派手に戦うものだ。

『よう実』のジャンルもwikiによれば「学園・サスペンス・頭脳戦」なので、当然ながら格闘描写に力を入れる必要はない。

にも関わらず、綾小路が見せたのは「映え」と無縁なガチすぎる格闘スキル。コマ送りでないと視認できないスピードなので全ては追えていないが、印象的だったシーンを取り上げたい。

関節蹴り

膝関節を狙って踏みつける蹴り技。見た目こそ地味だが、相手の関節を一発で破壊する可能性があり、立ち技格闘技では禁止されることが多い危険技。

格闘技の知識がないとその危険性がわからない上、絵的には全く映えない。綾小路がリアルに相手を破壊しようとしていることがわかる、こだわり過ぎな1シーンだ。

肘打ち

格闘技においても禁止されがちな肘打ち。立ち技最強といわれるムエタイの代表的な技術で、射程距離が短いためヒットさせるのが難しい分、きわめて高い攻撃力を持つ。

かのヒクソン・グレイシーも肘打ち有りの試合は結果が悲惨であるため、肘打ちには否定的だったといわれている。

アニメにおいては『ドラゴンボール』でも印象的に用いられているが、現実であんな打ち方はできない。その点、綾小路の肘打ちは現実に即した近距離での一撃だ。アニメ的には、どう考えてもパンチのほうがわかりやすくて良いと思うが、あえて肘打ちを描写する点に異様なこだわりを感じる。

ハンマーパンチ

龍園に対し、マウントポジションでパウンドを打ちまくっていたが、最後はハンマーパンチを落としている。

パウンドに比べて、ハンマーパンチは「怪我をしにくい」「パウンドよりも振りかぶらずに強い打撃になる」などの利点があり、冷静にマウントポジションで人を殴り慣れているからこそできる技だ。

マウントでタコ殴りにするシーンを描くアニメは少なくないと思うが、ハンマーパンチを使うのは、記憶にある限りだと『ケンガンアシュラ』くらい。

また、綾小路がマウントポジションをキープする動きにもこだわりを感じた。

それぞれの格闘スタイル

C組の面々もそれぞれ格闘スタイルを持っていた。バックボーンを感じさせることで、異種格闘技戦の様相を際立たせ、よりおもしろい戦闘シーンに繋がった。

アルベルトは、典型的なボクシングの構え。

膝をついた状態でも組みに行かず、徹底して拳で戦う姿にポリシーを感じさせる。地味に印象的なシーンだ。

伊吹は舞踊的な蹴り主体の動きを見るに、『オッドタクシー』でも話題となったカポエイラだろうか。

お前ら、パンツばかり話題にするんじゃない。

龍園のヤンキーっぽい前蹴りや、かませ犬くんの大振り右フックなど、素人っぽい動きをしっかりと描写して、綾小路の技術と対比になっているのも非常に上手い演出だ。


なお、本内容はあくまでも素人目での感想。ぜひプロ格闘家のYouTubeあたりで、正確に解説してほしいところだ。

今期は『リコリコ』が作画面を含めて話題を席巻してきたが、この終盤にまさか『よう実』で神作画に出会えるとは思わなかった。

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