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トレラン道具① YURENIKUI SETARO (Ver.1)

自分が使ってるトレラン道具の紹介です。まずは一番よく使ってるバッグから。
大阪・名古屋のトレランショップRUN-WALK Styleのオリジナルブランドとして展開しているYURENIKUIシリーズのザックであるSETARO(ver.1)
1年間、実際に縦走ランなどで使った所感です。

ちなみに自分は九州の人間なのですが、お店自体は知っておりこのモデルが気になっていたので名古屋に行ったとき買いました。

実際に使っているうちに気づいたことなども追記していきます。


スペック

素材  /  ポリエステル、裏面ポリウレタン加工、ナイロン
重量  /  540g
容量  /  メイン荷室:11L・外部荷室(パワーメッシュ部):4L

各パーツの基本的な仕様は実際に商品ページに載ってますのでだいたい重複してます。

背面

色は「スミイロ」です。

このバッグの特徴としてロールトップで伸縮可能な作りになっており、高さを可変させることで荷物が少なくても重心が結構安定します。コンプレッションと合わせて位置を調整可能です。

最大長。これで11L。ロールトップはきれいに巻くのが難しいけど下部のストラップも伸ばせる

またこのサイズのバッグでは珍しくダブルジッパーなので荷物へのアクセスが容易ですが、万一走ってるときに開いたら困るのでカラビナで下部のジッパーを固定しています。

追記:荷物の出し入れを頻繁に行いながら走るテストを繰り返し、外しても問題なかったので現在はカラビナをつけてません。ザックを降ろさずにアクセスできるので便利!

コンプレッションで底面の広さも調整可能。荷物が少ないとき、加重位置を調整できる

ふたつめの特徴が背面のパワーメッシュが左右二点あるということです。ここのポケットにはけっこう入りまして、荷物がパンパンの時、雑にシェルや500mlのペットボトルをねじ込んだりしても問題ありません。更にコードでコンプレッションかけたら封を閉じる形になるので脱落はしたことがないです。試したことはないですがバンジーコード自体にも軽いタオルやシェルくらいならひっかけられそうですね。

追記:バンジーコードは薄手のシェル、キャップくらいなら余裕でひっかて保持できます。この部分を利用してゼッケンをザックにつけることも可能ですが、中身のアクセスを損ねるため非推奨です。


左右それぞれポケットがあり、ここは背中に大量の汗をかいても染み出して濡れない位置取りのため財布などを入れても安心です。モバイルバッテリーなどもここに入れてます。

トレイルバンクSがぴったり入る。もうひとまわり大きくても大丈夫


下部にはメッシュポケットがついてます。薄手のシェルくらいなら入りそうです。ここ、夏場など暑いときは背面パッドから吸着された汗がたまるポイントになってしまい確実に濡れるのであまり使ってません…
下部のバンジーコードでポールを固定できるようですが、私はポールを使わないためこちらも固定力は不明です。

薄手のシェルでもわりとパツパツ。荷物多いとあまり余裕はなさそう

追記:下部のポケットは水分補給を頻繁に行わない季節はボトルを入れるのもおすすめ。重心位置的に一番ゆれにくく、走る際に重量を感じないベストポジション。ザックをつけたままの出し入れも慣れると容易です。ここは汗染みがすぐできるのでウェアよりはハードボトルなど「濡れてもいいもの」のほうが使いやすいです。他には補給食のゴミいれた袋などもいいかも。


前面

前面

前面はボトルホルダーと二重のメッシュポケットが左右、スライダーで高さ調整可能なチェストベルト、ショルダーの調整ベルトがついてます。

これ地味にいいなと思うことなんですが、ボトルホルダーポケットはフラスクなど入れてない状態だとぱっと見では素材の切り返しにしか見えません。

ロングトレイルの縦走ってピストンでもしないと基本的にワンウェイであり、行きの場所に帰れないという宿命があるためコースによってはどうしても電車など公共交通機関を利用することが多くなります。
その時、いかにもなトレランザックを背負っていると街中ではけっこう圧があるため何も入れないと小型のバッグにしか見えないという点はありがたいです。

ちなみにポケットとして使う場合、サングラスやスマホくらいは余裕で入ります。

追記:サイズ的にはiPhoneの大きくないモデルならすっぽり入り、コンプレッションかけたら走っても落ちることはありません。私はiPhone12 miniを使っておりますがスマホと他の物少々を入れて余裕ありというサイズ感です。
ちなみにポケット自体に伸縮性はありません。

メッシュポケットにはShortyつけたGoProをぶちこめるくらい余裕がある

メッシュポケットは補給食程度ならけっこう入ります。ジェルなら余裕、スローバーなども何本か押し込めます。
ただ内の二重なので深い方にあるポケットは走りながらノールックだとアクセスしづらい感じはあります。

トレラン向きということでバッグ自体の重心が高めになっており、そのためポケットの位置はだいたいヘソ上くらいの高さにきて、あばら骨に沿うような感じです。GoProを入れ込んだ状態で走ってもさほど骨に干渉はなく、痛むといったこともありません。

サイドはゴム。これが切れやすいというレビューがありましたが自分は全然大丈夫そうです。現行品ではここが強化されてループが増えてるようです

サイドは現行品で改善されてるようですが、ややフィットが甘い印象です(私が細身なので)概ねOKだけど細かいところで微妙に合ってない、みたいな。このへんは難しいですね。

チェストベルトはスライダーで高さの調整ができ、けっこうありがたい。荷物量によって背面の張り具合は当然変わるため、それに合わせて微妙性ができます。

肩にはフィッティング・重心調整用のストラップがついてます。現行品での改善ポイントになるようですが、そこまで効果は感じません。

ひっぱると上に

ボトルホルダー上にはカラビナを通せるので、ここに熊鈴やホイッスルをつけると便利。

オーバーナイトの猪対策にも


内側

中にはハイドレーションポケット、その上に広いポケット、下部に荷物固定用ストラップがあります。
トレランザックの宿命ですが背中への接触面が広いため、汗をかくと当然汗染みがおきますので濡らしたくない荷物はジップロックに入れるなど工夫は必要です。


ハイドレーションポケットは深いため、1.5Lのウォーターキャリー(エバニュー)も入りました。

バッグ底面には固定用ストラップ。弁当箱など留める想定みたいです。
ハイドレーションポケット、その上にひとつポケット
ハイドレーションチューブの穴もあり

側面

下部を絞って荷物を入れてみました。コンプレッションをちゃんと効かせたらこの状態ではあまり揺れず快適に走れます。

コンプレッション次第でシルエットが派手にかわる

追記:ちなみに背負ったときのポジションは上の写真とだいたい同じ位置になるため、一番下が腰の上くらいに来ます。

ロールトップを広げると縦長に

道具をフルで詰め込んだら縦長のバッグを乗せるような形状となり、だいたい頭の根元付近まで届きますが走りに差し支えるということはありません。ただ当然重量が増えるほど不安定にはなってきます。

その他

・使い勝手
色々な意味でかなり「ちょうどいい」バッグです。細かいところまでよく考えられた作りをしてる、と使うたびに思います。想定されるシーンとしては日帰り(オーバーナイト含む)の縦走くらいまでという感じで、着替えや必須道具を入れたらメイン気室の7-8割埋まるかな、という塩梅でメッシュポケットがある恩恵は多大です。

だいたいの縦走ランでは今やこれを使ってます。ミドルディスタンスくらいなら5Lザックが身軽でいいんですが、実際のところは着替えや諸々装備が必要になるのが実情なので11Lクラスでかつ可変という仕様はニーズにマッチします。
また別に走らなくてもファストハイクやアタックザック、ウルトラ練やマラニック、旅ランの際にも活躍してくれます。超軽量ツェルトとヴィヴィなどカリカリのUL装備・かつ夏季に限定すれば泊りもいけなくもないですが、これは一般的ではないので難しそうです。

・フィッティング
ピタッ!とまではいきませんが前部はちゃんとフィットしてくれます。肩は若干緩いです。背中は中心と下部が背中の中心から上に沿う感じはあります。
名前の通りよほどパッキングで偏りが出ない限りは揺れにくい作りになってますがショートレースくらいのスピード感だとさすがに揺れるし肩回りなどの干渉もあるため、のんびり楽しむ方がいいでしょう。

・長時間縦走
長い時間使うにはどうか?ということに関しても大きな問題はありません。
六甲全山縦走脊振全山縦走はこのSETAROを背負って行いました。0泊の「24時間ぶっ通し」くらいなら全然事足りる容量ではあります。容量が可変なので食料の減少に合わせてバッグも縮小させて重量バランスをとりやすいのも魅力的です。

また荷物へのアクセスがいいため、後半疲れて判断力が鈍ってもミスりにくいのが助かります。容量的には15Lくらいはいけますが、耐荷重は適性が最大5kg、せいぜい7-8kgがバランス的にも限界と思われます。実際8kg程度背負った時は肩や腰への負荷がハードで重量をモロに感じました。

・気になる点
①肩が痛む
薄手かつ芯材のようなものがあるためか、荷物の量に関係なく方にはけっこう負荷があります。フィッティングの甘さも手伝ってのことと思われますが、擦れるのかだいたいロングの後は方が赤くなります。
※この点については現行品でパッドの追加などで改善処置がなされているようです。

②速乾性はいまいち
速乾素材を使ってはいるものの、やはりランのレべルで汗をかくと背中はぐっしょりです。まぁこれは構造的に仕方ないし、むしろそうならないザックのほうがレアですね。一晩あれば乾きます。

③ボトルホルダーの高さ
微妙に高さがないのでソフトフラスクは微妙に覆いきることができません。また伸縮素材ではないのでドリンク容量が減ると底に沈んでしまいます。この辺はコードで調整するしかなさそうです。

追記:YURENIKUIボトルが発売されました。さすがにジャストフィット、使い勝手もよくおすすめです。セタローはソフトフラスクよりハードボトルのほうがしっくりきます。


総括

・トータルで言えばだいぶいいザックです。素材自体は汎用品を使っており最初はややチープに感じましたが、とにかく頑丈だし使う分は特に差し支えません。ガシガシ使っても平気な耐久性は実にナイスポイント。私はネットに入れて洗濯機にぶち込んでますが全然大丈夫そうです。

・くどいですがデザインかわいいですし、それは結構愛着的に重要なところですね。汎用性の高さからも、だいたいこれがあればどうにかなるんじゃないかという役回りとなってます。カラーバリエーションの豊富さも魅力ですね。

・ロングレースでは阿蘇ボルケーノトレイルSEOUL50Kなどでも使用しました。
さすがにレースだとポケットの使い勝手は微妙な感じがしますが(サロモンタイプのポケットと比較するとひとつひとつの収納が小さいので、大きめの補給食などは出し入れしにくい)、ハードコンディションを耐え抜いてくれました。肩が痛い問題はテーピング貼ることでダメージを軽減できました。

・頻繁にウェアを脱ぎ着する必要がある場面で一動作で済むセンターダブルジップ機構は大いに役立ちます。ロングレースはだいたい春か秋が多いのでその点ではかなりアドバンテージとなります。

・現行品ではサイズ展開もS・Mのふたつに増えたり先述の通り改善点も反映されているので、今後も期待できそうです。11L-15Lで可変、かつメッシュポケットつき、ダブルジップという仕様は同価格帯で見たことなく非常に使い勝手がいい唯一無二のバッグだと思います。

・ガチのレースなどでも使えなくはないですが、どちらかというとマイペースで走ることを楽しむというお店のスタンスを形にしたバッグなのでしょう。今後も気楽にトレランする時の主力として使っていきます。

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