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【大会】別府大分毎日マラソン2023 振り返り

もう2週間経ちますが、別府大分毎日マラソンの振り返り。

前日受付まで

当日はバスで別府の北浜バスセンターまで移動。
初めて高速バスで別府まで向かったけど非常に楽だった。

バスセンターに着くとシャトルバスまでの案内は眼前。発車まで時間があったので少し近辺を歩いた。

バスでくると楽ちん

実はフルマラソンに関しては初めての県外大会だったので正直全然実感がわかなかったのだけど、別府についてからは案内や選手と思われる人たちをみて緊張してきた。
バスはけっこう混んでいた。ビーコンプラザまではすぐ。

受付

朝一だったからビーコンプラザに着いてからも受付まで時間があった。例年は出店があるそうなのだけど今年はなかったのでかなりストイックな会場となっており緊張感が更に増す。
荷物渡しはカテゴリーごとにわけられている。(あっちの人たちはエリートランナーやな)とか思いつつカテゴリー4のほうへ向かう。

カテゴリーで走力が明確なため、上位カテゴリーの選手には尊敬のまなざし。同じカテゴリーの選手には負けたくない、とこれから一緒に頑張りましょう、が共存した不思議な気持ちになる。

緊張
番号を探す

選手IDカードなんて初めてもらった。更に緊張する。もはや緊張ではなくワクワクすらしていた。
大会Tシャツは王道感が強く、普通に練習でも使える配色とデザインだった。ちなみに肩には大分の温泉アイコン的なやつがあるのがアクセント(?)

王道感ある

大会パンフを帰りのバスで読む。改めて見るとランナーの出身地が見事にバラバラで文字通り全国各地から訪れている。全員が最低でもサブ3.5ランナーであり、サブ3でも「遅い」というレベル感。

そしてパンフの内容も「記録」がベースであり、これまでの別大の記録やキプチョゲのフルマラソンラップタイムまで載っている。ガチだ。ちなみにキプチョゲはポジティブスプリットで世界記録達成したことをこの時知った。
1km/2分台中〜後半というもはやイメージできない異次元のスピードである…

宿についてから時間があった。足慣らしを兼ねてぶらっと別府の街を歩きつつカーボローディングを行った。

なにげにジョリーパスタは初めてだった
宿の調理場で。スーパーで買ったパスタを作る

夜は緊張して安眠できなかった。
初めてマラソンに出たときのような緊張感。あれこれシミュレートしながら眠れるよう力を抜いた。

出走前

朝、会場までのシャトルバスに乗る。
大分交通だったと思うけど、実はうみたまご付近までのバスは別に出ている。
シャトルバスは激早なので迷った。時間調整して路線バス乗っても絶対混むよな〜と見越して結局シャトルバスに乗った。

宿から近く

うみたまごではスタッフの他、テレビ局もスタンバイしていた。

この画角でテレビカメラがセットされていた

カテゴリーごとにわけられたテント=待機所・更衣室まで歩く。

テント村

さすがに冬なので中は寒い。そこにブルーシート、中にはヒーターがあるのだけどいい場所は抑えられているので仕方ない。
予めそれは調べていたのでモンベルのタタミパッドミニを持参していた。

最初はお尻に敷くマットにし途中から枕にした。
更衣~ラインアップまでけっこうな時間、確か2時間くらい待ったので持参したFireタブレットで読書してた。底冷えがけっこうツラいので、何か敷くものを持っていくこと、出来れば直接体を床に触れない状態にすること。そして待ち時間を潰せる本やタブレットは必須。


10時半から更衣•準備を進める。日焼け止め、摩擦防止クリーム、ケガをした箇所のテーピング、着替え。
終えると荷物預かりのギリギリまで軽くアップをしていく。テントのすぐ近くにスペースがあるのでそこである程度のジョグなどができる。

アップを真剣にやってる人がたくさんいる大会は初めてだったことも衝撃だった。「レース」なのだという実感がわく。他のランナーと、あるいは自分の記録と、自分自身との真剣勝負。当然気合が入る。

みんな真剣な表情。たまらない緊張感

スマホは預けたからここからは写真がない。
荷物預かり後はトイレが混んでいた。レース中、万一のタイムロスを防ぐにはこのタイミングしかない。これも準備のひとつなので、お早めに。

ラインアップでは番号順に並ぶ。
基本的には番号=タイムという認識なので前に行くほど早いことになる。
自分はなんと後ろの方か…
近くの人たちは同じレベル感のはずなので勝ちたい、という気持ちが当然沸いてくる。

出走

先に結論から書くと、タイムは3:18:5
順位にして2000位をギリギリ切れるくらい
残念ながら4年前に出したPBには3分及ばなかったけど、内容自体はいいところが多く次に繋がるので清々しさはある。1月に足裏のケガをしたことでしばらく走れなかったことが響いたことは悔しいが、それを差し引くとベストは尽くせた。

ラップから振り返る。
ネットとグロスに1分以上の差がある。

スプリットは安定している

0-5km

ラップ/ 0:23:30

スプリットを見てのとおり最初の5kmまでは混んでいて、道がふさがって抜けないところが多いけど同じレベルの人が並ぶので巡航速度自体は大幅に落ち込む感じではない。だいたい1km/30秒くらい落ちて進む感じ。

他のランナーのペースが全く乱れず、各自が自分の力量と計画に基づいているため感動するくらい流れが良い。

5-10km

ラップ/ 0:23:02

この辺から自分のペースで走ることができる。今回は心拍170を巡行基準にした。速度で言うと1km/4:35±5くらい。今思えばあと5秒速くても全然よかったな、と思えるくらい余裕があった。前回の福岡マラソンがポジで行ったら25kmから撃沈したのでその反省としてイーブン・ネガとした。
別府の街はほぼ毎年きていたが、バイクではなく自分の足で駆けるのは新鮮だった。

10-15km

ラップ/ 0:23:01

10kmの関門は52分。折り返し時に最後尾を見たけどわりと近くて焦る。
先頭集団はとにかく速く、速度感の異なるダンゴがいくつかできていた。
友達が応援に来てくれていたので声かけするくらいの余裕はあり、走ってて楽しかった。
気合いも入れ直していく。

15-20km

ラップ/ 0:23:04

折り返して別府市街に戻る。ここからうみたまごまで風のあるゾーンだけど、この日は風はなく快走区間となった。とはいえこの辺りからDNFが散見されるようになる。速い人でも非常にシビアなレベル感でレース設計をしている。
抜いたり、抜かれたりする。タイムごとに小グループができていたので近しいレベル感の人を勝手にペースメーカーとさせてもらった。

20-25km

ラップ/ 0:22:52

中間地点を越えたので予定通りすこしずつペースアップする。
ここまで±3秒でほぼ完璧なイーブンラップ。
天気は快晴。気温が上がってくる。

25-30km

ラップ/ 0:22:55

大分市街を走る。飛ばしすぎないようセーブしつつ、巡航速度を維持しペースメーカーとなる人を見つける。徐々に脚に疲労を感じだすものの、ここまでは快調。

30-35km

ラップ/ 0:24:20

しかし…うまくは行かないのがフルマラソン。
32km地点で急に右足の付け根が攣り走ることができなくなる。
これはヤバい…と焦りつつも、福岡マラソンで同じ現象が起きたことを思い出す。そこから原因は発汗によるナトリウム不足と即座に断定、まず付け根を伸ばしてストレッチし最寄りの給水所でスポドリをコップ全飲みする。

すると見込み通り徐々になんとか走れるくらいには戻る。おおよそ30秒のロス。この間にかなりの人数に抜かれてしまう。5秒止まれば10人は抜いていく。脚もかなり重くなり、パワーが出ない。

35-40km

ラップ/ 0:23:51

ここからが本当に長く感じた。とにかくつらい。脚が重くて心拍がスピードに対して上がりまくる。この区間からは常に息が切り始めてくる。
すべてのエイドでかならずコップ全量の給水をした。思った以上に汗をかいていたらしい。塩タブもっていかなかったことがミスであったと痛感する。

ラップで見ると思ったよりは粘れているけど、状態としてはギリギリだった。ここでギリギリじゃないフルマラソンがあるかは疑問だけど。(たかだか足の一本動かねぇくらいでガタガタ言ってんじゃねぇよ!!走れ!!)と自分に言い聞かせる。

40km-ゴール

ラップ/ 0:10:22

ラストスパート…とはいかない。飛ばそうとしても右足の付け根は痛むしスピードが思った以上に出ない。

ラストの200m、つまり競技場の一周でも最終カーブまでは速度維持がやっとだった。ここからは最後っ屁で可能な最大速度で飛ばす。数秒縮まるだけではあるけど順位は10くらい上がったと思う。それくらい最後までみなさんペースが落ちない。ゴールの瞬間まで1秒足りとて遅れたくなかったし、ほんの少しでも手抜きするのは失礼だと感じて全力で進んだ。

所感

結果

ペース配分は終盤まで±5秒とこれまで出来なかったイーブンペース設定ができた。終盤まで余力ありつつなので自信になる。フラットなコースなのでこの辺はやりやすかったし、他のランナーを頼りにペース設定しやすかった。
なにより余力持たせつつ、そこそこ速度が出せると走って気持ちいい。

30km以降は完全に練習不足。やはり35km走から逃げられない。大会前のケガで積めなかったのは自己責任だから言い訳はできない。

今回思ったのが30kmまで脚を残して35kmくらいからスパートかけるネガの極み、いわば「差し」の戦術が一番楽しく感じるのでは?と思った。やはり終盤でどんどん追い抜いていくとアドレナリンが出る。ギリギリから限界まで振り絞る。楽しい。最後の瞬間まで絶対に手は抜かない。それができるようになるためには何が必要か?ということを考えつつ練習する。

感想

ゴールしてからは最終の人まで全然途切れないランナーたちを応援した。
サブ3.5付近でも最後の最後まで順位がわからない大会なんて初めてだった。レースを終えて謎の解放感があり、キツそうな顔して進む人に対してまだ行ける~!と自然に声が出た。

大規模なシティマラソンはどうしてもお祭り感があるけど、別大は「レースである」という雰囲気が明確で、ものすごくハートにぶっ刺さる。参加資格と厳しめの関門があるのでランナーも真剣だ。

なによりレベルが本当に高い。リザルトによるとサブ3ボーダーでは1000位に入れない。サブエガ達成者が何人もいて、40分近辺もかなりの数がいる。本当にすごい。速いやつがエライというヒエラルキーもこの場においては完全に正しい。なぜなら高みに至るまでの道のりはとても険しく、真剣さが伴うのだから。


ここ数年は完全にトレイルランニングに注力しており、ロードのスピード練習をほとんどしてなかった。そして年始にケガをした。なのでむしろ今回のタイムはよくやったほうではある。しかし、今まで「ゴール」のように思っていたサブ3ですら「中間地点」であるという認識に変わり、そのレベル感のリアリティも出てきた。納得はしているけどこの程度で満足はしちゃだめ。

ロングトレイルレースが中核であることは変わらないけど、シーズンオフだからとスピード練をしないのは違うよね、ということでしっかりと速度をあげるトレーニングを積まなくては。トレイルレースでもショート・ミドルくらいなら速く走りたいし。別大まであと340日弱しかないという感覚で具体的なスケジューリングする。

来年、できればまたここで走りたい。そんな風にフルマラソンに対しての意識が再燃した。正直、フルマラソンはもういいかな…と思っていたのに、燃えさせるくらい特別な空気があったのは確かだった。それはシーズンオフだろうと冬を見越して高強度トレーニングを継続できるくらいの熱量を持っている。PB更新なんて小さな目標ではなくもっと先のレベルをめざすために。

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